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2009年3月 2日 (月)

自民党の「四分社化見直し」案は見直し案になっていない!!

 
 自民党は昨年の11月26日、「郵政民営化の見直しに関するプロジェクトチーム(PT)」を発足した。政府が保有する日本郵政グループ各社の株式売却凍結法案に関連し、政調幹部は、民営化を前提とした見直しだと強調した。議論が外に漏れないよう会議室前から記者団を排除するという異常な慎重さでスタートした。「民営化を前提」としたという言い方に、このPTの及び腰がよく見える。
 
 麻生太郎首相は2月5日の衆院予算委員会で、日本郵政グループの4分社化体制について「四つに分断した形が本当に効率がいいのか。もう一回見直すべき時に来ているのではないか」と述べた。おそらく、これを受けてのことだと思うが、「自民党郵政民営化に関するプロジェクトチーム」(PT、中谷元・座長)は「四分社体制の見直し案」を2月26日に発表した。自民党PTの提示した四分社化見直し案が下図に示されているのでじっくりと見ていただきたい。

Photo_2 
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090216/stt0902162332013-n1.htm より)

 私のブログをご覧になっている読者の諸姉諸兄は一瞥して、この四分社化体制の見直し案が肝心な部分で見直しになっていないことに即座に気が付くと思う。そう、「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の二大超メガバンクが分離したままだからだ。これは非常に奇妙である。もともとの郵政事業の本質は、郵便貯金と簡易保険の業務的合体におけるシナジー効果にあったはずである。ところが、アメリカ政府筋の肝煎りによって実現された郵政民営化の最も重要な改変部分は、①郵便、②郵便貯金、③簡易保険という三事業の完全分離化であった。四分社化を見直そうというからには、三事業の分離の理由を明らかにして、そこに何らかの不具合が見つかったら、もう一度三事業の一体化(バンドリング)を検討すべきなのだ。

 ところが、上図に明らかなように、見直し案も結局は「三分社化案」と「二分社化案」という二種類の分社化案で占められている。分社化案の見直しが、いったいどうしてまたもや分社化案なのだろうか。これではほとんど見直しになっていないと思う。この二案のどちらも「郵貯」と「かんぽ」はセパレートしたままである。最初に問われなければならないことは、巨大金融機関の郵貯とかんぽが分離した方がいいか、以前のように再統合化した方がいいかということである。この議論がなくて、いきなり三分社化、あるいは二分社化の二択しか選択肢がないように結論付けていることは、肝心なところはまったく見直しになっていないことを物語る。

 四分社化体制見直し論の最も重要な箇所は、①郵便、②郵便貯金、③簡易保険という三事業の一体化(再統合)を検討することにある。それを故意に潰しているところに、麻生自民党の怯惰な正体が垣間見える。この郵政PTチームは、国民を欺瞞するごまかしチームであることは間違いない。麻生自民党は、売国小泉構造改革派にいまだに気を遣っているとしか言いようがない。この軟弱な姿勢が麻生政権の致命的な欠点なのだ。麻生政権が少しでも評価に足るものなら、徹底して小泉構造改革と、郵政民営化の売国本質を国民に提示して真の意味での見直しをはかるべきだ。

 アメリカの忠実な飼い犬であり、郵政民営化担当大臣であった竹中平蔵氏が主導した郵政民営化は、いわゆる郵政三事業を、郵便、郵便貯金、簡易保険及び窓口ネットワークの4つの機能に分離して、持ち株会社である日本郵政株式会社の下に、四つの単独な会社組織に分割することであった。民営化主導者の竹中氏は、この四分社案の実現に熾烈に執心した。同時に彼は「小さな政府」構想を繰り返し、郵政事業を市場と同等条件に置くこと、すなわち彼が好んで唱導した「イコールフッティング」を強調した。竹中氏の本心は340兆円の郵政資金と郵政事業が保有する膨大な資産を米系国際金融資本に貢ぐことである。その道筋を整えるための四分社化である。

 だから、四分社化体制を見直すというなら、まず最初に郵貯とかんぽの膨大な国民資産の保護、防衛の観点で見直すことだ。その文脈で「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の再合体(再バンドリング)を検討するべきだ。つまり、郵便事業、郵貯、簡保という三事業の再統合を検討すべきである。これがない見直し論は国民を騙すペテンとしか言いようがない。麻生首相もゆうちょとかんぽの再合体には言及していない。麻生氏は本心はそれを言いたいが、アメリカが恐くて慎重にその言及を回避しているということろだろう。まったく蚤(のみ)の心臓と言うしかない。私は麻生首相の発言と自民党の「郵政PT」の発表した上の図を見て、郵政民営化見直し論の最も肝心な部分を故意にスルーして、骨抜きの見直し論に堕していることにすぐに気が付いた。

 また郵政民営化が、郵政の金融収奪の危機や、不動産などの国民の優良資産収奪の危機に直面する稀代の悪法であることは肝心な見直し点だが、130年の日本国家のインフラを誇る伝統的な利便性や安心保証の危機についても検討を行う必要がある。

 郵政民営化を実行して何か国民のためになったことがあるのだろうか?「かんぽの宿」の一括譲渡問題などにも、国民資産を安値で外国資本に叩きうるような構図が見えてくる。郵政民営化の本質は売国である。これに加えてユニバーサルサービスの低下や手数料の値上げ、過疎地の地方郵便局の消滅など、インフラから見ても、地域にとってはマイナスの要素が目立つようになっている。郵政民営化は国民資産の外国移転とインフラ破壊以外には何物ももたらさなかったと言える。

 麻生政権はせっかく小泉構造改革に反旗を翻したわけであるから、このような効果のない軟弱な反撃ではなく、小泉政権の悪の本質を暴くストレートな攻撃をするべきだ。郵政民営化の見直しはその格好の標的になる。

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コメント

JANVNさん、こんにちは。

 どうしても四分社体制を維持するという方針
すね。まさに表面だけ取り繕って、見直しをした
ように見せかけて、内実は四分社体制絶対堅持な
わけですね。これこそ、偽装見直しの最たるもの
でしょうね。麻生氏はせっかく見直し論で波紋を
投げかけたのに、これじゃCIAかどうかわかり
ませんが、米国政府筋の脅しに屈したとしか言い
ようがありませんね。小泉一派との暗闘に敗北し
た証拠ですね。pout

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2009年3月13日 (金) 01時02分

こんにちは。
今日明らかになった自民党の「郵政民営化見直し案」は、この試案よりさらに後退してしまったようです。
「「4分社化踏まえ一体サービス」=郵政民営化見直し案を了承-自民

3月12日12時37分配信 時事通信

 郵政民営化の見直し作業を進めている自民党の検討・検証チーム(中谷元座長)は12日、日本郵政グループの経営形態について「4分社化を踏まえた3事業の一体的なサービスを確保する」とした提言を政調審議会に報告、了承された。党内の民営化推進派に配慮し4分社体制の維持を強調する一方、抜本的見直しを求める勢力の意向も踏まえ、「郵便事業会社」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」の3事業の一体的運営を目指す内容に落ち着いた。 」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000072-jij-pol
時事通信の続報では一応「「最初から4分社ありきの議論はおかしい」。同日の党政調審議会では検討・検証チームの提言内容に出席議員の一部からは不満が噴出し、なお根強い反発があることを示した。」
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009031200851
という記載もありますが、これでは「抜本的見直し」には程遠いです。いや、そもそも「再国営化」あるいは「再公社化」を否定しての「見直し」ではこうなる事は自明だったのかもしれません(竹中元総務相は「かんぽの宿一万円売却」について「あれは公社がやった事です。」と発言していましたが、この発言は「民営化を前提とした公社化」だった事を全く無視しています。まさに「詭弁」です)。やはり、麻生政権の「構造改革見直し」は「偽装CHENGE」だった、という事ではないでしょうか。

投稿: JAXVN | 2009年3月12日 (木) 23時39分

生きた化石 様

 コメント感謝します。その番組は大変興味深い
ものですね。

>一番気持ちが良かったシーンは、田原総一郎批
>判で、田原は、以前は友人だったが、付き合う
>うちに、彼が無知だったことが判明した。彼
>は、逢う人によって発言が変る。つまり、自分
>を持っていない為、強い人にはひれ伏し、弱い
>人には恫喝する。御用タレントである・・と解
>説している。

 これにはほとんど頷けますね。田原はある人物
が威勢のいい時代だけ持ち上げて、威光が弱って
くると、手のひらを返したように辛らつに言いま
すね。あそこまで小泉構造改革を神格化しておき
ながら、今は言いませんからね。ホリエモンもそ
うです。彼が華々しく登場した頃はちやほやし
て、落ちぶれたあとは知らん振りです。ま、ろく
なものじゃない。そんな奴でも政治家を睥睨する
傲慢さを持っています。悪質極まりない言論人で
す。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2009年3月 3日 (火) 15時52分

一葉さん、コメントありがとうございます。

 おっしゃるとおり、小泉が食の安全と環境と
言うと、食の偽装利権と環境事業のインサイダー
取引で大儲けすることしか念頭に浮かばないです
よね。この人は格好つけて余生を楽しもうと思っ
ているかもしれませんが、破壊的政策の数々で、
多くの無辜なる人々を死に追いやった罪は、人間
として贖ってもらわねばならないと思います。東
京地検特捜部がなるべく早く動いて、小泉・竹中
の所業を白日の下に晒して欲しいですね。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2009年3月 3日 (火) 15時39分

JAXVNさん、こんにちは。

 阿修羅板への転載ありがとうございます。
ところで、私もあのサンプロを見ていたのです
が、竹中が民営化後に廃止された局が一局しか
ないと言ったのは失念していました。だとすれば
完全に暴言というか致命的な発言になりますね。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2009年3月 3日 (火) 15時32分

高橋さま

昨日、BS11で西川のりおの言語道断「大人の自由時間」月曜日が放送されましたが、民主党の石井一氏と佐高信氏がゲストでした。佐高氏がその中で、外交に対して次のように解説していました。
日本の外交は、米国・中国の二つが重要で、同時に行なわなければならないが、小泉純一郎は米国の奴隷だから中国は無視した。外交とは二次方程式であるが、大学の同窓である小泉純一郎は、頭が悪く二次方程式が解けない。次の安倍氏は、一次方程式も解けなかった。その次の福田氏は、方程式を「解く気がなかった。現在の麻生氏にいたっては、方程式の意味さえ理解していない・・・とばっさり解説していました。その上、小泉純一郎・竹中平蔵が郵政ばかりか、地方破壊、医療問題、高齢者問題と立て続けに「国を破壊した」とはっきり解説しています。特に高齢者の問題は、5年後に発生する問題だったので、自分はさっさと退陣し、次の内閣に引き継ぐようにした・・と言っている。その後、創価学会も名指しで批判し、「従来の番組では無い」と思いました。一番気持ちが良かったシーンは、田原総一郎批判で、田原は、以前は友人だったが、付き合ううちに、彼が無知だったことが判明した。彼は、逢う人によって発言が変る。つまり、自分を持っていない為、強い人にはひれ伏し、弱い人には恫喝する。御用タレントである・・と解説している。
郵政問題は、方程式を知らない麻生が考えたものでは無い事も判明?したようです。朝日等の売国マスコミが存在する以上、まだまだ解決には時間が掛かるでしょうが、日々サイトを立ち上げ、何としてでも日本再生のために頑張ってほしいと思います。

投稿: 生きた化石 | 2009年3月 3日 (火) 11時51分

小泉元総理が、引退後は環境と経済の両立、食の安全
の問題に取り組みたいと言ったということを聞き、私
は真っ暗な気持ちに突き落とされました。
環境と経済の両立?日本の国土を破壊してお金儲けを
しようという話でしょう?食の安全とは、偽装の偽装
をして会社を外資に売り飛ばす話でしょう?

県民として、伊勢の赤福餅の偽装騒動ではとても胸が
痛み、いまだに何がそれほど問題だったのか理解でき
ません。(あの後、外資の人間が乗り込んできて、重
役だかに納まったという噂は本当なのでしょうか。)

小野寺光一さんが警告しておられたように、消費庁が
創設されたのは、内部告発を奨励し、マスコミに叩か
せて外資に売り飛ばすという日本破壊のシナリオなの
でしょうか。

小泉政権当時、彼は急に日本はこれから観光立国にな
るのだと、自らポスターに登場して誘致を煽りました
が、これなども1000万人移民政策と連動している
のではないでしょうか。彼らはある目的のために、破
壊してカオスの状態を造りたいのでしょう。

志賀直哉が、観光で生きているところは人間が卑しく
なるとというようなことを言っていたと思いますが、
(公には許されない発言ですが)私の観光立国反対の
理由は、それ以上に、日本が汚されていくようで耐え
られないのです。

あるブログに「小泉さんはマスコミに叩かれたが、決
してぶれなかった」と書かれていて、それが冗談でも
皮肉でもないことを知り、そのナイーブさにびっくり
しました、ぶれるもぶれないも、彼には脇目もふらず
に郵政民営化に突っ走らなければならない理由があった
だけです。もともと、ぶれるなどという柔軟且つ高尚
な精神や苦悩などとは縁のない人のようですから。

環境や食の安全に関わる前に、小泉氏が完全に失墜し
てくれることを祈るばかりです。


投稿: 一葉 | 2009年3月 3日 (火) 11時33分

こんにちは。
この自民党の見直し案が「党内改革派や米国に遠慮して穏当な物にした」のならまだ良いのですが、これが本音だとすれば鳩山総務相も含め自民党そのものにもう何も期待は出来ない、という事になります。麻生首相が本当に「起死回生」を狙うなら、すぐに「分社化取り止め」を含めた案を出す必要があります。そのために残された時間はもうわずかなのではないでしょうか。
でも、その可能性は皆無ではありません。「民営化推進派」の主張はすでに「詭弁」のレベルにまで落ちています。先日のサンデープロジェクトでは、竹中氏はついに「民営化後も、地方切捨てはしていない。民営化後に廃止された郵便局は1局しかない」とまで言い出しました。一方郵便局のホームページには、「局の移転、一時閉鎖」情報がこんなにあります。
http://www.jp-network.japanpost.jp/notification/storeinformation/
「移転や一時閉鎖は廃止ではない」という理屈はまさに「詭弁」以外の何物でもありません。また、「集配業務廃止」「業務縮小」の事についてはまったく触れていません。私は竹中氏のこの発言は、民営化推進派の「命取り」になる可能性すらあると思います。

投稿: JAXVN | 2009年3月 3日 (火) 05時42分

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神州の泉さんの、自民党の「4分社化見直し案」は見直しになっていない。を見ると、麻生政権の出した見直し案は、4分社化を3または2分社化するだけで、簡保と郵便貯金は切り離したままにする、見直しともいえないおざなりの見直し案のようである。 やっぱり麻生さんは、肝心のところに来ると勇気が出せない人なのであろうか。 郵政民営化法を通す時も、悪い法案と思いつつ目を瞑ったらしいけれど、 又しても、不甲斐無く目を瞑って、身の安全を優先することに決めたらしい! 聞くところによると、3年後には竹中平蔵に敵を討つと言っ... [続きを読む]

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