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2009年6月29日 (月)

あの熱狂を盛り立てたマスコミは、なぜ小泉純一郎氏の凋落を報道しないのか!?

  神奈川県横須賀市の市長選挙は、小泉純一郎氏が推す現職の蒲谷亮一市長が、新顔の吉田雄人氏(33)前市議に、4000票の差で敗れるという注目すべき出来事が起きた。 この横須賀市長選は、国策トレンドが急激に切り替わったことを指し示しているのだが、メディアはなぜか、この画期的なできごとの報道には奇妙なほど沈潜的だ。

  横須賀市は小泉純一郎元首相のテリトリーである。小泉元首相と次男は、現職市長の蒲谷亮一氏を熱心に応援していたという。それにもかかわらず蒲谷氏は敗北し、小泉元首相のカリスマ性が完全に衰退していることを如実に示した結果となった。不思議なことは、これほどニュースバリューが高いできごとなのに、マスコミはこれを報道することを明らかにためらっているのだ。

 天木直人氏もそのことに注目しているが、メディアのこれに対する沈潜的な姿勢は、考えてみると、とても奇妙なことだと言わざるを得ない。小泉劇場をこれでもかと盛り上げたマスコミは、小泉氏のカリスマ性が完全に低落してしまった今、報道することさえも無駄なことだと思っているのだろうか。しかし、国民から見れば、この話はそうとう高いニュースバリューを持っているので、例えばテレビがニュースで解説を交えて報道したり、ニュース番組で特集を組んで話題を作れば、そうとう高い視聴率を稼ぐことは間違いない。

 メディアは商売的にも、小泉純一郎氏の影響力の完全低下を報道ネタにすることは、美味しい話のはずだ。ところが、どのテレビ局も判で押したようにこのニュースには消極的なのは奇妙と言うしかない。これには明らかに強い政治的背景が存在していると考えるべき理由がある。

 小泉氏の政治家としての政治的影響力やカリスマ性はとっくに雲散霧消しているのだが、メディアがそのことを禁忌扱いしていることには、はっきりしたわけがある。小泉氏という政治家はとっくに過去の人だと位置づけているが、肝心なことは、彼が推し進めた小泉・竹中構造改革路線は継続させることを、至上命題として位置づけていることは間違いない。

 つまり、アメリカに服従している日本のエスタブリッシュメント(悪徳ペンタゴンに属する)は、小泉政権が始動した構造改革路線を今後も実質継続して行く方針なのである。だからこそ、これを敷設した小泉元首相の影響力の低下をいっさい報道できないわけである。普通であれば、小泉氏の影響力の低下は、小泉構造改革のブレーキと解釈され、時代の変遷を国民に意識させることになるのだが、それをやってはならない理由がメディア側に存在していると解釈するべきだろう。

 つまり年次改革要望書の「引き続きの具現化」が既定路線になっているからだ。それに日本郵政の株主総会で西川社長の存続が決められた事を見てもわかるように、日本の国策は小泉時代にスタートした構造改革路線を堅持することが決められているからだろう。したがってメディア、特にテレビにはアメリカの影響が強く働いていると見れば、小泉氏の凋落を報道することが禁忌扱いされることは理の当然である。

 小泉構造改革路線を継承する勢力は、中川秀直氏や武部勤氏らが中心となって構成される偽装CHANGE勢力である。つまり、自公政権が存続すると、あの地獄の小泉構造改革が徹底的に続くことになり、国民生活は今以上に極限的に破壊されることになる。偽装CHANGE勢力とは、表面の形態やスローガンだけを変えて、いかにも新しいのもののように偽装するが、内実はまったく変わらない日本破壊路線の悪辣政治が続くことになる。

 メディアが小泉氏の凋落を絶対にニュースネタにしないのは、自公政権が存続しようと潰れようと、偽装CHANGE勢力を中心に、今までの小泉政治を継続することが決まっているからである。だからこそ、東国原知事、橋下知事などの国政参加への動きは、偽装CHANGE勢力を生かす魂胆であるとしか考えられないのだ。東国原知事があれほど大言壮語ができるのは、アメリカの肝煎りがあることを自覚しているからだろう。

 心ある者は、 東国原知事のパフォーマンスに不快感を感じ、自民党はここまで劣化したのかと感じている。しかし、東国原知事が異常な頻度でテレビに出続けている現実を甘く見てはならない。アメリカの意志がこの男を立てているのだ。

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植草さんの国策捜査事件を生んだ小泉政権の政治土壌

  ○奇妙な写真配置に見える政治的な思惑

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 2009年6月27日、10時40分のMSN産経ニュース「植草被告の実刑確定へ」には、記事の下部に小沢一郎氏と植草さんのツーショット写真が不自然に置かれている。その写真をクリックして拡大して見ると、写真の下に「新進気鋭のエコノミストとして活躍していたころの植草一秀被告(右)と、対談する小沢一郎氏(芹沢伸生撮影)【撮影日:2001年12月21日】」という説明文があるだけだった。

 つまりMSN産経ニュースは、植草さんが実刑確定になったという本記事に、このツーショット写真が置かれた文脈をまったく説明していないのだ。これが、来るべき総選挙を想定した、民主党に対するブラックPRでなくて何だろうか。植草さんが実刑確定されたというネガティブ・イメージをそのまま使って、民主党の小沢一郎氏は有罪になったエコノミストの植草氏と対談しているんだぞという、ネガティブ・キャンペーンである。それに本文に掲載されている、目を剥いた植草さん自身の写真にも産経側の悪意が感じられる。私もそうだが、植草さんに直接会った人は、彼がいつも穏やかで上品な表情をした人物であることを知っている。

 しかし、フジサンケイグループが取ったこの手法は、逆効果に出ているように思う。ネガティブ・キャンペーンの目的だったとしても、本文記事との何の内容的脈絡も説明もせずに、この写真を付加する構図は異様であり、見ている人は何かの印象操作だと思うだろう。この構図を考えて実行した者は、その不自然さに気付いておらず、稚拙な政治的意図を読者に気付かせるだけだということがわかっていないようだ。この配置自体が強く政治性を思わせるが、植草さんの実刑確定が、逆に政治的謀略だと思わせる、一つの傍証になっているとは思わなかっただろうか。

○国策捜査という言葉は四年の間に市民権を得た
 
 私は、植草事件(2006年9月13日)の翌日に、2004年の植草事件も今回も、政治的謀略、すなわち国策捜査の疑いがきわめて濃いと書いているが、今から後二ヵ月半で、それを書いた時期から満三年になる。当時は佐藤優氏が「国家の罠」で説明していた「国策捜査」と言う言葉が、世間的にはほとんど浸透していなかったこともあり、私が唱えていた植草事件国策捜査説も、荒唐無稽な説だと思われていたきらいがあった。

 三年前は政府関係者や政治家は誰もこの言葉を公の場で使っていなかったのだ。つまり、国策捜査という言葉は、あたかもユダヤ陰謀論のようなイメージで捉えられていたものと思われる。ところが、最近は小沢一郎氏の公設秘書が西松建設の献金問題で逮捕された件では、肯定、否定の立場の違いは別にして、この国策捜査という言葉が頻繁に政治家や評論家の口に上り、ごく日常的な語句のように使用されていた。それだけ、この三、四年で国策捜査という言葉は世間に流布し、市民権を得たと言っていい。

 しかし、この言葉を知る多くの国民が、その正確な意味を正しく把握しているかとなれば、それは疑問である。この言葉の出所(でどころ)である佐藤優氏の「国家の罠」では、佐藤氏が国策捜査について重要な定義づけを行っている。それは、国家が時代のけじめをつけるために、前の時代を象徴する事件を作り出して断罪することだというのである。つまり、前の時代を象徴する人物を人身御供にして、時代は既に新しい方向へ舵を切り替えたんだよというアピールを人々に印象付けることだという風にとらえてもいいだろう。

 大方の意見は国策捜査を、今までの政治謀略事件と同義に解釈しているような気がする。たしかに政治的陰謀という意味では、まったく同じ意味合いがあるが、国策捜査に「国策」が付いている理由は決定的だ。それは時代を決定する現今の国策トレンドを認めない、旧時代の国策を擁護し主張する有識者の象徴的血祭りである。ここに決定的な政府側の詐術がある。それは、現在の国策が進歩的で良いものであり、これに反対するものは前時代的で旧弊にしがみついた者という強引な二分論を設定することだ。

 これは小泉純一郎氏や竹中平蔵氏が常套的に吐いていた「抵抗勢力」という言葉に端的に表れていた。現今の構造改革や民営化に賛成しない者は旧時代にしがみつく悪辣な抵抗勢力であり、時代を害するマイナス要因以外の何物でもないという一方的な決め付けである。つまり彼らが推進した「聖域なき構造改革」が如何に胡散臭いものであったかが、よくわかる。

 抵抗勢力という言い方そのものに、彼らが設定したインチキで傲慢な単線的な進歩史観が見えてくる。アメリカ型市場原理こそが、唯一の正しい進歩であり、それ以外の考え方は進歩を阻む間違った抵抗勢力だという暴力的な決め付けである。彼らが進歩だと称したものの正体は、無茶苦茶な規制緩和によるセーフティネットの大破壊だった。すなわちグローバル資本主義こそ最高の経済価値だという、カルトに近い妄信状態にあったのである。すなわち新自由主義の迷妄に嵌っていたのである。

 私は小泉政権を深いレベルで総括する必要があると言った。それはこの政権が、それまでの政権と比べて、何が本質的に変化したのか、何が一線を画しているのかを、社会学的に、政治学的に、経済学的に、日本の戦後史的に解明する必要があるということである。なぜなら、小泉政権の国策の性格をきちんと見究めなければ、傷ついた日本社会を修復できないからだ。今の国策トレンドのままで格差社会の是正や予算の配分、その他の行政的方法論を駆使しても、基本的な国策を切り替えない限り、何の解決にもならないからだ。

 ネオリベ体制を保持したまま、どのような小手先の手当てを施しても、何の救済にもならない。方法論のベーシックは日本人の民族性に合致した政治経済の展望を取り戻すことにある。だいたいが、ワシントン・コンセンサスやハーバード・シンジケートの社会学を踏襲し続けている今の路線では、日本は衰亡一直線である。毀損された日本社会を建てなおすには、当面は小泉・竹中構造改革路線の逆ベクトルを志向する以外にないと思う。

 健全な市場競争は必要だと思うが、それは国民生活のセーフティ・ネットの構築を優先した上で行うべきである。小泉政治はその真逆をやって国民生活を破壊してしまった。考え方として、ケインズかネオリベかという二元論的思考よりも、日本人の性向に合った「経世済民」的な経済機構を作るべきだと思う。それにはアメリカの経済戦略に負けない知恵を集結するしかない。

 小泉政権を学究的にとらえて分析できる有識者は多くいるかもしれないが、植草一秀さんはその第一人者だろう。小泉政権の負の性格を知れば知るほど、それは将来の日本の刷新に役立つと思うからだ。問題は小泉構造改革は悪くはなかったが、行き過ぎた部分が人々を苦しめているなどと、寝ぼけたことを言っている学者や為政者は、完全に無能者であり有害である。

  ○日本の伝統文化を踏みにじった小泉政権の国策

 その理由は、日本の伝統や文化、日本式ゲマインシャフトなど、それまで戦後日本が築いてきた良い物を、アメリカの言うがままに破壊しつくしたのが小泉政治の実態であることを充分に認識する必要があると考えるからだ。その国のマーケット形態は、その国固有の構造を持っているのが当たり前であり、そうであるからこそ、有効に機能すると思う。

 アメリカは日本固有のマーケット形態を指して、不透明で閉鎖的だと、ヤクザのような難癖を付け、無理やり、グローバル資本主義に合致する形態に切り替えさせた。それは金融侵略の舞台を整える目的があったからだ。それに抵抗しなかったのは、日本人が反省する必要がある。アメリカが日本の国益を考えて内政干渉をやるはずがない。

 小泉政権時代の国策は日本人を不幸にする隷属国策であったことを、肝に銘じる必要がある。植草さんへの二度の国策捜査がなぜ生じたかについて、深くそれを分析することはつとに有益であり、そこに日本の再出発のヒントが多くあると思っている。

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植草事件が国策捜査であることと同様に、今回の最高裁判断も国策裁判である

 前回記事の私の憂慮と同じ思いをお持ちの「びっくりモグラ」氏の投稿を紹介する。
___________________________________________
 植草さん」についてのニュースが耳に飛び込んできたとき不吉な想像をしましたが、「縁起でもない、これはわたしの悲観的妄想にしか過ぎない。口外するのは控えよう」、と自分に言い聞かせたところです。その後,「神州の泉」様が私と同様の危惧を,収監後の植草さんに感じていらっしゃって、とるものも取り敢えずこうしてメールを差し上げている次第です。
 
 実は、私も植草さんと同じ体験をしていますが、それだけに獄中での思いを書きつづった「拘留地にて」は自分の過去の記憶を想起させられ、恥の感覚もなく思わず嗚咽してしまいました。もちろん植草さんの文体から強烈に湧きあがってくる、人格の清潔さ、強靭な意志、そして比類のない分析・総合力、(とりわけ、りそな、郵政民営化についての、ほとんど孤立無援状況を覚悟しての、一貫したち密で正確な分析。当時、ミルトン・フリードマン由来の「雨後の竹中」一派の行く末、つまり今日の、明らかになりつつある彼らの悲惨を予告した仕事。

 静かで、温く語りながら、毅然とした精神をさせる学者は、たとえば内橋克人氏、金子勝氏など少数ながらいらっしゃいますが、「金融」論という生臭いジャンルを専門の一つとしながら、あれだけの気高さを維持でできた事実はほとんど奇跡に近い、といっても言い過ぎではない、ようにおもわれます。)に感銘を受けたことがその要因のひとつですが、獄中での心の動きを淡々と描きつづったその無念の思いに「激しく」心を揺さぶられたことも否めません。
 
 どうにもならない私事をいまさら蒸し返したところで詮無い話です。パワーによる、用意周到なシナリオ、公安を中心とした「転び公防」=でっち上げのための証拠づくりには、いかに図抜けた才能の持ち主である植草さんといえども勝ち目はありません。
今望むのは,「神州の泉」様の心配されている獄中での事故がないように、ひたすら念じることしかありません。

 どうかご無事で、もう一度すばらしい発見をさせてください。御身大切に。

______________________________________________

  (管理人)

 既得権益にしがみつき、構造改悪によって新たな権益構造を構築している権力筋は、国民側に立った正義の有識者を毛嫌いし、その言動を封じる策に出る。その手のことは昔からあるが、小泉政権の場合は国策パラダイムを別のものに変えたと解してもいい。それまでは従来の修正資本主義というケインズ主義と市場原理主義をバランスさせた、ある種の混合経済政策が取られていたが、小泉・竹中構造改革はルーカス、フリードマンの純粋市場原理形態に切り替えた。これは言葉を換えて言えば、日本的市場形態の完全な消滅を意味し、日本をグローバル資本主義に衣替えしてしまったと言える。

 1980年代の日米構造摩擦戦争の完全な帰結がここにある。日本は日米経済戦争に敗北したのである。アメリカは小泉元総理や竹中元経済財政担当相を、敵国の内部斥候として使役し、日本を内部から切り崩したのである。これほど巧緻に長けた戦略があるだろうか。日本のエスタブリッシュメントや為政者は頭が悪すぎる。何の対策も施さずにアメリカの経済侵略の為すがままに任せてしまったのだ。自らの保身と近視眼的行動でアメリカの魔手を見抜けずに座視してしまった。

 植草事件はこういう買弁勢力の斥候的な工作の中で生じた、一人の英雄の物語である。二度の植草事件は、従来の修正資本主義構造の中で起きた政治謀略ではなく、国策としてグローバル資本主義へ大転換して行く中で生じた政治謀略事件である。従って、それはくっきりとした国策捜査事件と言うことができる。

 私は経済の素人なりに、このブログで何度も小泉政権の本質を、政治的に、経済的に、戦後史的に究明しろと言ってきた。その理由はこの政権が修正資本主義の表情をして、実はネオリベラリズムへの大転換だったからである。しかも、この構造替えは、アメリカに国富を吸い取られる規制改革(改悪)に彩られるという最悪のパターンをたどっている。これに気付かずに、日本の優良資産は外資に格安で買い取られ、従来あった再配分システムは断ち切られていった。小泉政権とは一貫して外資と一部特権階級のみに利益は集中する極端な傾斜配分構造を実現した。あとは見ての通りである。

 しかし、日本の有識者は全員愚鈍で無力で為すがままだったのか?いや、我が国には植草一秀というサムライ魂を有した不退転のエコノミストがいた。国民がマスコミがもてはやした小泉政権の華やかな偽装に騙されている時、植草さんだけは一貫してこの政権の悪の構造を糾弾していたのである。この事実に目を投じなければ植草事件の本質は見えてこない。彼は国益を損なうマクロ経済を批判し、りそな破たん処理にまつわる巨大金融犯罪を嗅ぎつけていた。

  国民を上手く騙し続け、りそなのインサイダー取引は成功した。そして今度は郵政民営化という巨大利権発生国家事業を設定して法制化に成功し、民営化の実質スタートまで漕ぎ付けた。そして、あと一歩でこの国賊プロジェクトが完成に近づいた時、またしても植草一秀さんが立ちはだかったのだ。植草さんは、日本郵政が「かんぽの宿」をオリックスグループに破格の安値で一括売却する計画を、戦後最大の疑獄事件に発展する可能性を指摘した。そして一般国民が気付かない構造を、精緻な検証を交えてどんどん暴き立てている。

 悪徳ペンタゴンが、この状況を座視しているとは思えなかったが、案の定、彼らは喫緊に植草さんの口封じを企んだ。最高裁判決は機械的に進展したと彼らは言うだろうが、最高裁判事の裁定感覚に正義も公平性もあったもんじゃない。上告棄却を悪徳ペンタゴンの要請するがままに行っただけだ。国策裁判である。今の日本の司法こそ、最大の権力濫用を行っているのではないのか。

 当面は政権交代が実現し、植草さんが生きて還ってくることを願うしかない。

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2009年6月28日 (日)

収監される植草さんの生命の安全を危惧する!!

●今、急いで実刑判決を決定した裏には、政治的言論弾圧があることは間違いないが、そこに待ち受けているのは不帰の旅の可能性さえあるのでは!?・・管理人としてはそれを一番恐れているのだが・・

 植草一秀さんを応援している皆さん、あるいは彼の言論活動を、真に人々のためを思って真摯にやっていると感じている人たちに支援者の一人として聞いていただきたいことがある。今、植草さんは最高裁の上告棄却によって実刑判決を受けた。それは四月の懲役刑であるが、「未決勾留日数の算入」を勘案すれば、その実際の日数は60日引かれた二ヶ月かもしれない。上告棄却によって確定した判決(地裁判決)の主文は以下の通りである。

【主文】
 1 被告人を懲役4月に処する。
 2 未決拘置日数中60日をその刑に算入する。
 3 訴訟費用は被告人の負担とする。

 問題はこの収監期間における植草さんの生命の安全についてである。詳しいことはいっさい言えないが、収監中の植草さんが謀殺される危険を私に教えてくれた人がいる。みなさんは三浦和義元社長の死を覚えておられると思うが、ロス市警施設内で彼が自殺したと公表されていることは、不自然すぎるできごとだった。

 この事件の不可解な進展は腑に落ちないことがある。三浦氏がサイパンで突然逮捕されたのは、イージス艦と漁船の衝突事件の直後であり、報道はいっせいに三浦氏逮捕に移った。植草さんはこれに関する記事で、一事不再理の原則から言えば明らかに無理筋の逮捕だと言っており、三浦氏はイージス艦衝突事件やテロ特措法の犠牲になったのではないかと書いている。

 三浦和義氏はサイパンからロス市警に移送され、市警の留置所内で自殺したと報じられたが、これは明らかに不審死である。私は米国政府筋の謀殺だと思っている。米国政府は三浦氏の公判が持たないと知って自殺処理をした可能性が高い。日本政府はこれに何の抗議もしていない。この一件には、アメリカの日本人に対する属国国民目線というか、露骨な差別意識がありありと見て取れるが、三浦氏謀殺の可能性はすこぶる高い。

 民主主義を標榜し、容疑者の人権を最大限に配慮するアメリカで、同盟国の人間を警察署内で死に至らしめたことは大きな国際問題であるが、重要なことは警察の留置所という、国家施設の中でも不審死が起こるという現実である。日本でこれが起こらないとは決して言い切れないのだ。ましてや、悪徳ペンタゴンがせっかく新自由主義を国策として敷設した現状にあって、言論的にそれを覆す方向性を持った知識人は、何としてもその政治的言論を封じる必要がある。その上、植草さんは政府犯罪の真相を見抜いている。

 りそな破たん処理にまつわる大掛かりなインサイダー取引の真相や、郵政民営化にまつわる利権問題を鋭く見抜き、その真相を暴き始めている植草さんは国民大多数に、小泉政権の秘めていた「本当の性格」を最も的確に説明しうる人間であることは間違いない。依然として植草さんは悪徳ペンタゴンにとって最大の問題児なのだ。

 植草一秀さんは二度の国策操作を仕掛けられても不死鳥のように言論活動を再開している。今、彼の言動を封じたいと思っている勢力が考えていることは、植草さんの「永久的な口封じ」ではないだろうか。彼の収監中の謀殺の危機を私に教えてくれた人のニュアンスには、そこに米国の影を匂わせていた。日本はアメリカの属国である。横田幕府=日本総督府の命令は絶対である。だから、考えたくはないのだが、今回の植草さんの収監は彼が二度と帰らぬ人になる可能性さえあるかもしれない。

 私は言いたい。植草さんの言葉に真実を感じている人たちは、彼が刑務所内で殺されないように見守っていることを、各人のブログでも何でも意思表示して欲しい。収監中に植草さんが自殺することは絶対に有り得ないのだ。彼自身がそう断言している。彼のブログの精力的な展開を見ても、彼が意気軒昂に日本の刷新を願っていることは明らかだ。

 これからの拘禁生活や、わが身の不運に絶望して自殺するなどということは、けっしてあり得ない話なのだ。それに囚人には金をもらえば何でもする者がいるのではないだろうか。看守のわずかな間隙を衝いて植草さんを狙う者がいないと誰か断言できるだろうか。以前、このブログで訳知りの風体を装った者が、コメント欄に、務所内ではそういうことはあり得ないみたいなことを断言していたが、私は信じていない。こういう施設が安全に対して無謬(むびゅう)であるとは言えないのだ。

 彼が二ヶ月後に、再び戻ってこられるように彼を支持する皆さんは、それに意識を集中していただきたいと切に願っている。最も確実で最大効果が出る言論封じとは何だろうか。それは言論当事者の抹殺である。政権交代を阻止するためなら、なりふり構わず何でもやろうとしているのが今の自民党だ。彼らには植草さんに三度目の偽装痴漢犯罪を仕掛ける余裕はない。ここから導き出される一つの想像は、自殺を装った収監中の謀殺か、あるいは取引をした囚人が、逆上行為を凝らして植草さんを襲撃することだ。

 私が今一番心配するのは植草さんの身の安全である。政権交代の可能性がかなり高まってきた今、彼のブログ人気が上昇しており、ネットでは多大な影響力を持っていて、しかも副島隆彦氏との共著「売国者たちの末路」が驚異的な売れ行きを示している今、度を失いかけている彼らは手負いの虎状態になっている。何をするかわからない。彼らは今度こそ、植草さんの息の根を絶とうとするかもしれない。

 と、最悪の想像をしてみたのだが、管理人としてはこれが杞憂であってほしいともちろん思っている。

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植草一秀さん、三度目の言論弾圧に遭う!!

 6月25日、植草一秀さんの上告審で、最高裁の近藤崇晴裁判長は、植草さん側の上告を棄却、懲役4月の実刑を出した1、2審判決が確定した。この2日前の23日には、毎日新聞社発行の週刊誌「サンデー毎日」の記事で名誉を傷付けられたとして、同社側に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、同じく最高裁の近藤崇晴裁判長は、植草さん側の上告を退けた。

 植草さんにとって今回の最高裁判決は、ある程度予想されていたとは思うが、彼の胸中を忖度すれば、そうとうに怒っていると思う。その理由は、刻々と近づいている総選挙に合わせて、植草さんを黙らせようとする相手側の思惑がはっきりと読み取れるからだ。もっとありていに言えば、政権交代直前のこの重要な時期に、植草さんにブログを書かせないようにするため、今このタイミングで、総選挙に合わせて、彼が自由に物を書いて発表できる状況を強制的に潰すためとしか考えられないわけである。まったく許せない思いである。

 今の時期になって、立て続けに最高裁判決が出されたこの露骨さ。これはけっして偶然ではない。エコノミスト・植草一秀さんに関する官憲や司法、マスコミの扱いや動きには、必ず政治的背景が横たわっている。今回の件も彼の身柄を拘束して、彼の政治的言論を封じるという意味合いでは、過去二回の事件の場合とまったく同様である。つまり、悪徳ペンタゴンに属する政治勢力が、緊急性を感じて植草さんの言論活動を封じ込める目的である。

 2004年及び2006年の二度、植草一秀さんが遭遇した理不尽な事件の本質は、ずばり言って言論弾圧事件である。百パーセント政治絡みの謀略事件である。植草さんが二度にわたって性犯罪の汚名を着せられたのは、彼が第一次小泉内閣の当時から、そのマクロ経済政策の方向性の過ちを指摘し続けていたことがベーシックにはあるが、真の背景は、小泉政権時代に起きた二種類の巨大な「政府犯罪」に因を為している。

 その二種類とは、りそなインサイダー疑惑と郵政民営化に付きまとう巨大な利権問題である。この二つに植草さんの鋭い指弾が出てくることを、権力筋が恐れたからにほかならない。まず、2003年に金融庁が主導したと思われる、りそな銀行の破たん処理に関する恣意的な株価変動の疑い、すなわち、りそなインサイダー取引疑惑である。もう一つは、いまだに進行中の問題でもあるが、郵政民営化に関する諸々の利権発生の疑惑である。特に植草さんは今、ブログで「かんぽの宿」一括安値譲渡問題を深く精緻に追及しているところだった。

 これら二つは政策上の過誤というレベルをはるかに超え、大疑獄と言えるような巨大な国家犯罪の様相を指し示している。2004年4月8日の植草事件は、以前の記事にも書いたように、竹中平蔵氏が郵政民営化準備室を新設した時期であり、その前の二月中旬には、四分社化の基本構想が固まった時期であり、アメリカの政府筋や保険業界筋と竹中氏がコンタクトを取り始めた時期である。

 この時期、売国プロジェクトを目論む勢力の喫緊の課題は、郵政民営化の基本計画段階で、有識者にそのペテン性を指摘されることを防ぐことだったと思われるが、ここでは植草さんが指摘した、りそな銀行の金融破綻にかかわる株価変動と、故意の為替介入による国富収奪計画であったと思われる。

 植草さんは、昨年のブログ記事「『日本売国=疑惑の外為介入』政策の深層」で、小泉政権は2002年から2004年までの一年半に人為的な円下落政策を行い、外国投資家に低い値段で日本の優良資産を買い叩かせたと言っている。この時期に行われた異常な「ドル買い=円売り」という為替介入は、外国資本による日本収奪計画を幇助した小泉政権の国家犯罪だったということを彼は指摘している。

 植草さんが郵政民営化計画はともかく、日本の優良資産を外資に安値で叩き売る動きはつかんでいて、悪徳ペンタゴンはそのことを察知していたと思われる。つまり、株価も円も人為的に可能な限り安くして外資や一部日本人に買わせて置いて、キャピタル・ゲインのように、株価が上がったところで売り抜けに入る。その直前に植草さんを封じ込めた可能性が強い。しかもその時期が、竹中氏の「郵政民営化準備室」の設置時期と奇妙に一致しているのだ。人為的な金融変動に、大掛かりな政府犯罪の匂いを嗅ぎ付けた植草さんの嗅覚は、今度は間違いなく郵政民営化利権の悪の構図を見抜くだろうと彼らは危惧したはずである。

 そして、2006年9月13日の京急電車内での偽装事件である。この時期は植草さんの言論活動が日増しに先鋭化していた。それは宮崎学氏のサイト“直言”に三回に分けて展開されていた“「失われた5年-小泉政権・負の総決算(4)、(5)、(6)」 ”であった。内容は主にりそな疑惑に費やされている。これは6月25日から9月6日までの間に書かれている。最後の9月6日は京急事件が起こる一週間前である。

 ここでも喫緊の国策捜査を仕掛けた理由は、植草さんの「りそな疑惑の展開」を食い止めることにあったのだが、目を郵政民営化計画に転じると、法制化された郵政民営化が実際に始動するのは、翌年の10月だったことも大きい。この段階で植草さんのような鋭い有識者が民営化の問題点を発見し、それを世間に展開し始めると、郵政公社から四分割民営化に移行する時期を凍結され、民営化そのものが潰される危惧があったと思う。そうなった場合、売国奴たちは郵政私物化も利権確保もできなくなり、収奪のご本尊である米系外資(ゴールドマン・サックスなど)も、収奪計画そのものが頓挫してしまうことになる。

 世間は認識がなかったが、非凡な洞察力と知性を駆使して、植草さんはこれらの国策の本質を見抜いていた。そして、衆院解散総選挙が目前に近づいた今、売国勢力は植草さんのブログ展開を阻止しようとしたに違いない。最高裁が植草さんの控訴棄却をすれば、植草さんは有罪になり、刑務所に収監されることになる。で、植草さんが(おそらく)三ヶ月で出てきたときは、国政選挙が終わっているという寸法だろう。

 ところで、植草さんは今どうしているだろうか。すでに収監されてしまったのだろうか。今の時点で言論の筆を強制的に折られてしまったら、彼の胸中の無念さはいかばかりであろうか。彼は熾烈に政権交代を欣求(ごんぐ=求めること)している。そのためには、まだまだ書きたいことがたくさんあるはずだ。

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2009年6月27日 (土)

麻生首相が答弁書で事実上の敗北宣言(小野盛司)

日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第176弾です)

 日本経済復活の会では、これまで麻生内閣による景気対策を、規模が小さすぎるとしながらも支持してきた。規模が小さすぎたために、日本経済は本格的な回復に失敗し、これから最悪の事態を迎えようとしている。失業者は増え続け、消費者物価は過去最大の下落幅でデフレが悪化してきている。この時期に消費税を12%に上げようなどという案を出すということは、麻生氏に経済センスが全くなく、日本の経済を任せておけないということを意味する。今後我々は、日本経済を救うために、反麻生の活動でやれることはすべてやりたい。正直、麻生さんに即座の退陣をお願いしたい。

 今回の質問主意書では、我々は最も強い調子で方針転換を迫った。クルーグマンの「実に危険な考えですね。これほど景気が悪い状況で実施するのは、バカげている。」という発言も引用し、内閣府の試算のトリックを具体的に指摘し「国民を騙すもの」と決めつけた。それに対する答弁書は、反論する意欲もないといった内容だった。「試算は国民を騙すもの」と言われて行った反論は、何と「試算には誤差があるから」であった。
 大本営発表で「我が軍が、敵を○○撃破した」と発表し、「それは国民を騙すもの」と反論され、「誤差があるから」と言い返したに等しい。これは事実上の敗北宣言だ。

質問主意書
平成21年6月18日提出
極めて危険な消費税12%への引き上げと、不可解な試算に関する質問主意書
                   滝   実 (無所属 比例近畿)
 6月9日に有識者議員から財政諮問会議に提出された『経済財政の中長期試算』(以下「試算」という)は、消費税を12%に引き上げ2020年に基礎的財政収支を黒字化するというシナリオの試算であり、マスコミに大きく取り上げられ、それが骨太方針2009に盛り込まれようとしている。しかし、その内容は重要な部分が隠されており、重大な問題があると思われるので質問する。

一 試算では、11年から段階的に1%ずつ消費税率を引き上げ、現在5%の消費税を最終的に12%にするという内容である。このことに対して、クルーグマンは週刊現代(6月27日付)でのインタビューで次のように発言している。
  『実に危険な考えですね。消費税アップは、効果としては金融引き締めそのものです。これほど景気が悪い状況で実施するのは、バカげている。日本は'97年にも同じことをして手痛い目に遭ったのに、まったく教訓を得ていないようですね。いまは断じて消費税を引き上げるべき時ではありません。』
  クルーグマンのこの忠告をどのように考えるか。

二 1997年に消費税率が2%だけ引き上げられた後には消費が減り景気が悪化した。当時の首相であった橋本龍太郎氏は2001年の自民党総裁選において、消費税率引き上げは失敗であったとコメントしている。この元総理のコメントをどのように考えるか。

三 消費税を引き上げれば、当然のことながら、実質的に可処分所得が減り、消費が減り、実質GDPが減る。驚くべきことに試算では、その逆だ。消費税引き上げが無い場合に加え、3%、5%、7%の3種類の引き上げ幅のシナリオの試算が示されている。例えば、試算の9頁に示されているように2020年度の実質GDPは3%の場合が1.0%、5%が1.1%、7%が1.3%というように、増税の幅を大きくすればするほど、実質成長率は高くなるとなっている。そのような試算が正しいと信じる経済学者は一人もいないのではないかと考えられ、これは意図的に国民を騙して、消費税増税を強行しようという政府の意図の現れではないかと疑っている。そのような信じ難い試算の根拠を示されたい。

四 この試算には、国民の前に明らかにしない裏がある。消費税を増税する分、社会保障関係費を増やしているから、逆に経済は成長するという論理のように思われる。しかし、実際に何をどれだけ増やしたのかを明らかにしていない。消費税率だけを明示し、社会保障関係費の額を隠したのは、国民を騙すのが目的というしかない。この試算で消費税増税と社会保障関係費の増額が同程度に重要だからである。9頁に書いてある以下のコメントを読むといい。この試算の最も重要な部分を隠している。

【コメントの内容】
社会保障の機能強化を『中期プログラム』の工程表を踏まえ一定の仮定に基づき実  施(ただし、消費税率を据え置くケースでは、基礎年金国庫負担割合の2分の1への引き上げ、高齢化の進展に伴い自然に増加する公費負担のみ対応。)
  試算においては社会保障関係費の増額分が示されていない以上、このコメントを読んで試算内容が分かる人などいないから、実はネット(正味)での歳出増により経済成長率が増加するという試算の最も重要で絶対に知られたくない部分を隠すことができ、完璧に国民を騙すことができるという結果になる。さらに驚くべきことは、消費税増税で公債残高がどんどん減っている。このような手品のようなことができるなら、1997年の消費税増税の際にもそうなっていたに違いないがそれは無かった。
これが本当に実現するなら、どのようにして実現するのか、その内容を詳しく国民に明らかにすべきではないのか。明らかにできないのであれば、4月10日に「経済危機対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議が発表した「経済危機対策」の2頁及び3頁に示されている「基本方針1:国民と一体となった対応」のⅰ及びⅱに反するものではないか。

五 試算ではいくつかの場合が示されているが、その中で標準と思われるものとして8頁の「世界経済順調回復シナリオ、14.3兆円歳出削減」のデータによって問題点をとりあげる。
名目成長率は2008年度―3.7%、2009年度-3.0%、2010年度-0.4%であり、これをもとに名目GDPのグラフを図1に示した。
  2007年度に515兆円あったGDPだが、2008年度に496兆円、2009年度に481兆円、2010年度に479兆円と、断崖を滑り落ちるかごとく日本経済は縮小していくとの予測である。2011年度から消費税を増税ということは、2010年度には決断をしていなければならず、2010年度には経済状態はどん底というべきであり、とても消費税増税どころではないのではないか。

六 10年以上も前の1997年には日本のGDPは513兆円に達していた。2010年には479兆円にまで縮小するとの内閣府の予測である。政府の行うべきことは縮小した経済を元に戻す努力をすることであり、消費税増税で景気回復を妨げるべきではないと考えるがどうか。

七 庶民の暮らしという観点から考えても、図2で示したとおり、賃金は随分下がっている。消費税増税であれば、それだけ物を買えなくなるのは明らかである。さらに悪いことに、2009年度の補正による政府の景気対策は、家電・車・家などを買えば国が補助金を出すというもので、その景気対策が打ち切られ、そのうえ消費税増税となれば、ダブルパンチで家計を直撃し消費を減らすのは間違いない。また、雇用調整助成金が打ち切られれば首切りが激増、失業者が激増し、社会不安が起きる。名目GDPが下がるということは、賃金も同様に下がっていることを示し、そこで消費税増税で物価が上がれば、消費は減り消費減はGDP減に繋がるのではないか。

八 消費税増税による実質GDP押し下げ効果を、社会保障関係費を増やして補おうとするのであれば、結局、消費税増税による負のアナウンス効果だけが残るから何もやらないほうがましではないか。

九 「衆議院議員滝実君提出補正予算に関する政府の説明責任に関する質問に対する答弁書」(内閣衆質171第437号)等において、「「民間経済の自律的回復」とは、企業や家計といった民間部門が、財政支出に頼らず、生産・所得・支出の好循環によって成長する状態であり、民間活動がその主体をなす我が国経済の持続的成長には不可欠の条件であると考えている。」との答弁をいただいた。当該答弁を前提にすると、試算に示されている消費税の増税は、「民間活動がその主体をなす我が国経済」に対して政府の関与をより大きくするものであるが、それがどうして「民間経済の自律的回復」に繋がるのか。
また、消費税増税分と社会保障関係費増額分を勘案した正味での歳出増が経済成長に繋がるのであれば、これは、「需要不足を財政支出で埋め合せることについては、過度に公需依存となり、民間経済の自律的回復をむしろ遅らせる」との答弁に反しているのではないか。

十 与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は4月11日、BS11デジタルの報道番組収録で、基礎的財政収支について「少しいいかげんな概念」との見解を示したうえで、「基礎的財政収支ではない、きちんとした目標を立てて、GDP比で国債残高が増え続けるのを抑制しなければいけない」と語った。与謝野大臣が「いいかげんな概念」であるとした基礎的財政収支をなぜ再び骨太方針2009で使うのか。

十一 骨太方針2006では内閣府の試算に基づき、2011年度基礎的財政収支黒字化を国家目標として、2011年度の基礎的財政収支はどうなるのかについての予想が毎年下方修正が繰り返されてきた経緯を掲げる。

①2006年1月  黒字化可能と発表。
②2007年1月  黒字化は不可能、しかし14.3兆円の歳出削減を行えば0.2%の黒字にできる。
③2008年1月  14.3兆円の歳出削減を行っても、0.1%の赤字になる。
④2009年1月  2011年度の基礎的財政収支は2.9%の赤字。
            消費税を12%にすれば、2020年度に黒字になる。
 このように、3年連続で予測がはずれ大幅下方修正となった。要するに試算は全く正しく予測できなかったということだ。それだけでなく、例えば名目成長率やGDPデフレーターは、2002年度の発表以来、毎年大幅な下方修正を続けており、内閣府の試算は全く予測能力を持たないことが完璧に証明されている。同じ経済モデルを使った今回の『試算』も予測は正しくなく、今後2020年まで毎年下方修正が続くと思われる。政府はこのような劣悪な試算を基に国家目標を立てても良いのか。

十二 日本の超低金利政策は、昨年表面化した米国の住宅バブルの崩壊の背景になったことが指摘されているし、超金利政策によって個人所得が伸びず、消費も制約されているのであるから、政府の経済財政基本方針に超低金利政策をどうするかについて示すべきではないのか。
 
右質問する。

図1 出所:内閣府
Photo

図2
Photo_2

__________________________________

答弁書
内閣衆質一七一第五五二号
平成二十一年六月二十六日
内閣総理大臣  麻生太郎
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員滝実君提出
極めて危険な消費税十二%への引き上げと、不可解な試算に関する質問に対し、別紙
答弁書送付する。
衆議院議員滝実君提出極めて危険な消費税十二%への引き上げと、不可解な試算に関する質問に対する答弁書

一及び二について
御指摘の「クルーグマン氏のこの忠告」及び「元総理のコメント」についてはその真意等が必ずしも明らかでないこと等から、お答えすることは差し控えたい。
なお、現実の経済政策を行うに当たっては、その時々の経済状況等を十分に踏まえて総合的に判断することが必要であると考えている。消費税を含む税制の抜本的な改革の具体的な実施の在り方については、所得税法等の部を改正する法律(平成二十一年法律第十三号)附則第百四条の規定に定められた方針等に沿って、今後検討を進めることとしている。

三から九までについて
御指摘の「経済財政の中長期試算」(平成二十一年六月九日経済財政諮問会議有識者議員提出資料参考_)(以下_ 中長期試算という。)は、「経済財政の中長期方針と十年展望比較試算」(平成二十一年一月十六日内閣府公表)に示された考え方に基づいており、消費税率引上げを行うケースにおいては、「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた「中期プログラム」(平成二十年十二月二十四日閣議決定)における「社会保障の機能強化の工程表」を踏まえ一定の仮定に基づき、消費税増収額の範囲内であることを基本として、社会保障の機能強化を行うことを想定し、機械的に試算しているところである。
中長期試算における消費税率引上げ幅の違いによる実質GDP成長率の違いについては、
想定している引上げが多年度にわたることから、単年度のみの影響をみることは必ずしも適当ではないと考えており、また、中長期試算のような計量経済モデルによる計算結果は、
相当の幅を持って解釈すべきものと考えている。
政府としては、現下の厳しい経済金融情勢に対しては、平成二十年八月以降、四次にわたる経済対策を取りまとめ、その速やかな実施に全力を挙げてきたところであり、これにより、「景気の底割れ」を防ぎつつ、国民の安心を確保し、未来の成長力強化につなげ、民間経済の白律的回復を促すこととしている。
また、現実の経済政策を行うに当たっては、計量経済モデルによる計算結果を参考とし
つつも、その時々の経済状況等を十分に踏まえて総合的に判断することが必要であると考えている。消費税を含む税制の抜本的な改革の具体的な実施の在り方については、所得税法等の一部を改正する法律附則第百四条の規定に定められた方針等に沿って、今後検討を進めることとしている。
十について
「経済財政改革の基本方針二○○九~安心・活力・責任~」(平成二十一年六月二十三日閣議決定)においては、「財政の持続可能性を確保するため、財政健全化目標の基本として国・地方の債務残高対GDP比を位置付け、これを二千十年代半ばにかけて少なくとも安定化させ、二千二十年代初めには安定的に引き下げることとするとともに、プライマリーバランス(基礎的財政収支)については、債務残高対GDP比の安定化及び引下げに至る道筋を示すための収支の目標と位置付けることとしたところである。

十一について
計量経済モデルによる試算は、 様々な想定を置いて機械的に行っているものであり、財政健全化の目標を検討するに当たっての一つの参考材料と考えている。なお、現実の経済政策を行うに当たっては、その時々の経済状況等を十分に踏まえて総合的に判断することが必要であると考えている。

十二について
金融政策の具体的な運営については、日本銀行において、その時々の経済物価情勢や市場動向を踏まえつつ、適切に行われるものと考えている。

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小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス

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2009年6月26日 (金)

二度の植草事件と郵政民営化の因果論的関係を考察する

 今年の2月頃であるが、政界事情に通じているある人から聞いた話である。その御仁はしょっちゅう議員会館に出掛けているが、ある時、某議員秘書から聞いた話を私に教えてくれた。小泉純一郎氏は、とある、くだけた集会で「日本人は30万人くらいになればいいんだ!」と言ったそうだ。その秘書さんは、たとえ冗談でも小泉氏がそういう暴言を吐く姿を見て、彼の人間的な本性を強く感じたと言っていたそうである。この話の信憑性は確かめることはできないが、小泉施政の5年6ヶ月を振り返ってみれば、その破壊衝動のあまりの凄まじさに、いかにもありそうなことだと思えてくる。

 私はこの話を聞いた時、とっさに2007年に「サンデー毎日」でスクープされた記事を思い出した。それは、旧竹田宮家御曹司が暴露したことだが、小泉元首相が「皇室は最後の抵抗勢力」と言った言葉だった。明らかにこの真意は皇室解体であり日本国家の消滅を望んでいる。彼は日本人に熾烈な怨恨を抱いていることがわかる。これらの言動を考えると、小泉氏が郵政民営化へ向けた異常な執着も、根底には日本解体意志がはっきりと垣間見れる。

 小泉氏は1992年暮れ、宮澤内閣の郵政大臣に就任した時、郵貯・高齢者向けマル優の非課税枠拡大について「必要ない」と言明して郵政族に猛攻撃を喰らった。郵政官僚は小泉氏の指示に従わず、彼は仕事ができない状態に置かれたようだった。多分、この時の恨みが根幹にあって郵政民営化という日本解体作業を決意したのだろう。それに、理由は知らないが、小泉氏は皇室を抵抗勢力扱いしたり、日本の人口が30万人でいいと言ったり、日本そのものを憎悪している節がある。日本は最も避けなければならない人物を宰相にしてしまったのだ

 植草一秀さんは、第一次小泉内閣が発足する一年前に、経済の進講をするために小泉氏に会っているが、小泉氏は怒気を含んで植草さんを遮り、滔々と持論を展開したそうである。植草さんはこの時、この人物が首相になったら、日本は奈落の底に引きずり落とされることを直感した。はたしてその直感は完全に的中した。その後の日本は説明するまでもなく惨憺たる有様を呈している。彼は竹中平蔵氏と組んで日本を青息吐息の状態までに破壊した。佐高信氏がこの両者をギルティ・ペアーと呼ぶ所以である。

 小泉氏は総理大臣になる一年も前に、植草さんを、自分が描く方向性とはまったく異なる阻害要因だと位置づけていたと思う。すでに植草さんは小泉氏が国政を実行したら、とんでもない破壊的結果を招来すると確信していたので、小泉政権初期から果敢にその政策を批判していた。今だからよくわかるが、小泉政権は後期高齢者医療制度や障害者自立支援法など、弱者を経済的に虐待する悪法を濫造した。また今年の母子加算の廃止も、小泉構造改革の流れで生じた棄民政策の一つである。

 彼らが行った傍若無人な規制緩和によるセーフティネットの破壊も、弱者の棄民ということだけじゃなく国家秩序を著しく毀損しているのだ。このように、小泉・竹中構造改革は日本の国益とは正反対の国家解体の目的を持つ負の国策だったと言う以外にない。文字通りの国賊為政者達であった。

 天性の洞察力と鋭敏な知性、そして国民目線の姿勢から、小泉国政の危うさにいち早く気付き、真正面から警告を発した一人の有識者がいた。エコノミストの植草一秀さんである。彼が小泉氏を国政的な危険人物とみなしたと同様に、小泉氏も植草さんを放置しておくと、自分たちの悪徳利権奪取計画にとって、著しい阻害要因になると思っていたはずだ。

 2004年と2006年に、植草さんは理不尽な仕掛け事件に遭遇した。私は2006年の事件以来、いろいろ調べた結果、植草さんが果敢に行っていた小泉政権の弾劾、指弾行為が因果論的に二度の事件に繋がったと確信している。二度とも政治謀略事件であり、植草さんには塵ひとつほどの罪はなかった。

 悪徳ペンタゴンに属する権力側の政治家や、“それに連なる”検察・警察・裁判所の国家機構は、小泉・竹中両氏の主導する国政の方向性に真っ向から歯向かう有識者個人を狙い撃ちした。二重の意味でこんなことはあっていいはずがない。一つは権力が無垢な個人へ恣意的に向けられる社会は警察国家になる。次は、北朝鮮を見てもわかるように、国家権力が国民を睥睨し始めると国力の脆弱性を招いてしまう。

 小泉政権は国政としても根底から間違っているが、実はその背景は、米系外国資本が絡んだ犯罪政権だった可能性がある。もちろん、後期高齢者医療制度などの国民を苦しめる多くの制度乱立も国政的な罪はあるが、それとは峻別するべき、重大な国家犯罪の二つの位相を植草さんは睨みつけていたのである。この二つはあまりにも巨大な規模を持っており、却ってそれが国民には目くらましとなっていた。

 国家犯罪の疑いが濃厚な第一の位相は、りそな銀号の破たん処理に絡む金融操作の疑いである。つまり、金融行政が干渉した恣意的な株価変動による“りそなインサイダー取引疑惑”である。第二の位相は、この策謀の次に控えていた国家改造プロジェクト・郵政民営化であった。小泉氏や竹中氏、そしてその背景に控えている悪徳ペンタゴンの中心勢力は、この二つの国家犯罪に唯一気付いて警鐘を鳴らす可能性を持つ有識者を神経質に点検していた。その筆頭が植草一秀さんだった。

  そのうち別記事で詳しく書くが、植草さんが遭遇した二度の植草事件は、明らかに郵政民営化準備室の設置と大きな係わり合いがある。二度とも郵政民営化実行計画の重要な局面で発生しているのだ。

  2004年4月8日の品川駅高輪口のエスカレーターで起きた仕掛け事件の時、視線を官邸に移してみると、郵政民営化準備室が4月26日に新設されている。また同年の2月中旬に行われた経済財政諮問会議では、後に四分社化に繋がる郵政三事業の機能分離を、民営化論の中心にするように、竹中経済相によって確認されている。つまり、分割民営化の骨子がこの時に固まっているのだ。

 もう一つ重要なことは、この時期から竹中平蔵氏はアメリカの政府関係者、保険会社関係者とコンタクトを取り始めている(※郵政民営化準備室の他のメンバーも会っていたかどうかはわからないが)。10月に竹中氏は例の“ゼーリック書簡”を受け取っている。こういう動きは、何としても2005年に郵政民営化関連法案を成立させようというアメリカ政府の強い意志が見える。竹中氏と米政府関係者が主導して、郵政民営化の本格的な準備作業に取り掛かる時、これを阻害する最大の有識者が植草一秀さんだったのだ。ここに植草さんの口封じを行う彼らの動機がはっきりと見えている。

 次に2006年9月13日、京浜急行線「品川―蒲田駅間」の下り電車内で仕掛けられた植草事件だが、この時期も翌年2007年4月(実際は10月)に郵政民営化の本格的なスタートを控えていて、実行関係者はこれに異を唱える意見の表出に強く神経を尖らせていた。この時も植草さんは果敢に小泉政権の間違いを指摘し続け、りそなインサイダー疑惑を提起し続けているのだ。このまま放置すれば、間違いなく植草さんは郵政民営化の闇に真っ向から言及することが彼らにはよくわかっていて、2006年の9月に、植草さんを国策捜査に仕掛けて口封じを決行したのだ。

 以上のように、2004年と2006年の植草事件と、官邸の動きを照合すると、植草さんが国賊的国策に仇なす有識者として、国策捜査を仕掛けた権力側の動機がはっきりと見て取れるのだ。悪の巣窟が、悪の計画遂行を達成するために、リスク・アセスメントを行った結果、浮かび上がってきた有識者が植草一秀さんだったというわけである。しかし、植草さんを襲った二度の国策捜査は大きな誤算を招いた。それは植草さんの持ち前である強靭な意志が、彼を不撓不屈にしていることだ。見ているがいい、彼が追及する「かんぽの宿」疑惑は必ず然るべき結末に到達する。

 みなさんは植草さんの立ち上げたブログを読んでみて、植草さんが悪いものは悪いと、ぶれずに言い続けるお人であることがわかったと思う。こういう姿勢を一貫して通すお人だから、私利私欲と売国を企む連中に睨まれてしまうことは、ごく当然だと言える。こういう人を国政の中枢に置けば、傷ついた日本の回復は可能になる。

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2009年6月24日 (水)

東国原宮崎県知事は、傀儡宰相の二代目になるのか!?

  自民党の古賀選対委員長が、東国原英夫宮崎県知事に、次期衆院選への同党公認で出馬要請持ちかけたところ、東国原氏は自らを総裁候補とすることが条件として出されたらしいが、私は一報を聞いた時、東国原氏は本気だと直感した。

 その理由は、彼が宮崎県知事に就任して以来、彼は考えられないような異常な頻度でテレビ番組に出演しているからだ。ニュース番組はもとより、それよりも桁違いに多い出演はバラエティ番組であり、それも軒並み各民放局へ出演している。ほとんどの国民は彼がいつ県知事の業務を行っているのだろうといぶかしく思っているはずだ。

 これだけ頻繁に国民視線に近い映像メディアであるテレビ出演が多いと、単なる人気だけでは片付けられない政治的背景があるに違いない。それも、日本国内の政界から出たものではない。現在の日本がアメリカの属国状況にあることを思えば、東国原氏、あるいは橋下大阪府知事もそうだが、アメリカのエスタブリッシュメントの意向で連日テレビに顔を出していると私は思っている。

 現宮崎県知事を異常な頻度でマスコミに登場させているおおもとの存在が、ロックフェラー系かロスチャイルド系かわからないが、米国と日本を支配している超パワーエリートが、近い将来の宰相に東国原氏や橋下氏を擁立する計画ではないだろうか。そう思わないと映像メディアにこれだけの頻度で出て国民に刷り込み行為を行っている事実が見えてこない。

 米国「奥の院」は、政治経済的に小泉純一郎氏や竹中平蔵氏を使役して、日本をネオリベ構造に変換し、日本国富収奪のシステムを構築した。また将来、米国が関与する戦争に備えて階級格差社会を実現させた。その意味は憲法九条を改憲して、自衛隊に交戦権を付与し、切羽詰った若者を徴兵、結果的には米兵の盾にする魂胆だ。

 それ以前に小泉元首相の皇室典範改竄意志を見ると、もう少しで女系天皇が法的に可能になるところだった。皇室解体への一歩である。米国の傀儡宰相の皇室典範への干渉行為は、もしかしたら米国由来かもしれない。つまり皇室の権威の完全消滅だ。そうなると何が考えられるだろうか。日本が米国の真似をして総理大臣の直接投票制が行われる可能性がある。裁判員制度の強制導入などを見る限り、米国の日本干渉は日増しに露骨になっているからありえないことではない。

 もちろん、まだ推測でしか言えないが、東国原知事の総理総裁路線は既定路線かもしれない。恐ろしいことだ。キーワードは「テレビ出演回数」である。大手メディアを掌握する国家を超えた力があるものなら、その力がある特定の人物を異常な頻度でテレビに登場させている現実はいったいどのように把握すればいいのだろうか。これだけの登場回数が地方の一知事に付随している事実をどう解釈すればいいのだろうか。私にはポピュリズム宰相の促成栽培過程にしか見えない。┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ~

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鳩山大臣更迭の異様さを見て、国民の目に浮かんできた売国の景色

 鳩山邦夫前総務相を事実上罷免した麻生首相も、一時は西川善文・日本郵政社長の更迭を考えていた。しかし盟友関係を保ち、互いに意を合わせていたはずの鳩山(弟)氏と反目し、小泉一家の言うがままに郵政民営化推進派に寝返った。その理由を、一般的には、「構造改革の後退」という批判が出ることを恐れたと考えられているが、この間のフジテレビ、「サキヨミ・LIVE」のアンケートによれば、「西川社長が辞任すベきだ」が80%であり、「鳩山大臣(当時)が辞任すべきだ」が20%だった。大まかな他のメディアの世論調査でも大体は似たり寄ったりであった。

 西川続投問題で、このような国民認識が形成されているにもかかわらず、麻生首相が鳩山総務相を罷免するという形は、迫り来る国政選挙にとって取り返しのつかない暴挙と言える判断だったと思う。「かんぽの宿」一括売却問題を主として、日本郵政に起きているいくつかの不祥事の疑いは否定できない事実であり、日本郵政株式会社法に照らし合わせれば、総務大臣は然るべき権限をふるって当然の追及をしたことになる。

 従って、鳩山前総務大臣が繰り返して言っていた「正義」は、文字通りの正義なのであり、首相の取るべき選択肢は、唯一西山氏の更迭以外になかったはずである。世間の普通の常識から言っても、首相が西山氏の擁護に向かうことは国民の反感を買う以外にないのである。今はただの議員になった鳩山氏も、意気軒昂に首相は判断ミスだったと断言している。

 念のために日本郵政に出てきた不祥事を上げると、メインには植草一秀さんが果敢に追及している「かんぽの宿」の一括売却問題がある。西川氏はこれについて説明責任を果たしていない。国民の共有財産がどう扱われているかという大問題であるのに、きちんとした説明がない。次は、正確には郵政公社時代の負の置き土産とも言える、「簡易生命保険の保険金不払い」問題も出ている。これも郵政グループの総帥として、西川氏は黙っていることはできないはずだ。

 最近は「障害者団体向け郵便料金割引制度の悪用事件」が起き、現職の厚生労働省局長が逮捕されている。郵便制度が悪用された形になっているが、悪用された側、すなわち日本郵便のヘッドクォーターである日本郵政にも監督(チェック)責任はあるわけである。

 今、日本郵政から続けて出てきたものだけでも、今述べた四種類の問題がある以上、西川氏の統括責任は問われて当然なのである。国民は馬鹿ではない。中川秀直氏や武部勤氏が、郵政民営化の逆行を理由として、西川氏の社長続投を強硬に主張していること自体がとても怪しいと言わねばならない。おそらく、多くの国民は、なぜ鳩山(弟)氏が真面目に総務大臣の職務を遂行していただけなのに、小泉氏の息のかかった清和会系勢力に排撃されたのだろうかといぶかしく思っていることだろう。

 悪徳ペンタゴンに属する自民党員も、党の延命を至上命題とするならば、麻生首相が西川氏を更迭し、他の後釜を据えた方が、合理的でまともな政治判断であるはずだが、国民の反感を買ってまで西川氏続投でなければならない理由とは何だろうか。この異常な状況を見て、かなりの国民には郵政民営化が拙速に実行された真の理由が見え始めてきたというところではないだろうか。

 総務大臣として当然の職務を遂行していた鳩山前大臣を、日本郵政株式会社法の第九条を無視してまで、大臣職罷免にまで強引に持って行く党内民意とはいったい何だろうか、という疑念が国民に芽生えつつある。鳩山氏の更迭は悪徳ペンタゴンに属する自民党員(偽装チェンジ勢力)にとって、致命的な判断ミスだった可能性が高い。それは選挙にマイナスになるということよりも、国民が郵政民営化の真の姿に気付いてしまう契機を与えてしまったということだ。国民は自民党が西川氏続投に異常なほどに執心する理由を知りたくなっているのだ。その視線の先には外国資本の郵政資金収奪計画と、買弁勢力の郵政民営化利権の構図が見えてくることになる。

 国民は小泉元首相が唐突に言いはじめ、勢いに任せてバタバタと拙速に推し進めた郵政民営化に対し、心のどこかで腑に落ちないものを抱えている。官邸主導政治の綿密な計画とマスメディアのコラボレーションで、国民全体がうまく誘導されてしまった感じはあるが、郵政民営化にはどことなく違和感を覚えているはずだ。なぜなら国民には、小泉・竹中両氏が言っていたような劇的な利便性向上や他の肯定的な変化を感じ取っていないからだ。むしろ、大山鳴動して鼠一匹の心境なのではないのか。それどころか、西川氏続投問題が、この巨大プロジェクトにべったりとまとわり付いている巨代利権の醜悪な姿が国民に見え始めてきた。

 郵政民営化は巨大利権を目的とした合法的な詐欺的国家プロジェクトである。郵政民営化の巨大なペテン性が見えてくると、当然ながら、小泉・竹中構造改革の本質が何であったのかも問われることになる。彼らが主導した「聖域なき構造改革」の正体が、日本の国益や国民生活の便益とはまったくかけ離れた国賊的国策だったという真実に目覚めることになるだろう。

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『売国者たちの末路』(植草一秀、副島隆彦共著)店頭販売開始のお知らせ

植草一秀さんと副島隆彦さんの共著(詳伝社)が店頭販売されました。「神州の泉」の読者さんも、是非、気鋭の碩学、お二人が見る世界を味わってみてください。以下は植草さんのブログから転載しました。

__________________________________

『売国者たちの末路』店頭販売開始のお知らせ

売国者たちの末路 Book 売国者たちの末路

著者:副島 隆彦,植草 一秀
販売元:祥伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

  

副島隆彦氏との共著

『売国者たちの末路――私たちは国家の暴力と闘う』
(祥伝社、1680円)

の全国書店店頭での発売が開始されました。

ご高覧賜りますようお願い申し上げます。

 祥伝社サイトより、本書のご案内を転載させていただきます。

流れは、変わった!
衰退するアメリカ 小泉・竹中政治の闇と終幕 財務省利権 政権交代を阻止する勢力 地獄へひた走る世界経済
――
新たな時代を予測する、衝撃の対論!

危機を乗り越えるために――副島隆彦

植草さんは、小泉・竹中構造改革政治(2001年~2006年)の荒れ狂った嵐の中で、日本国でいちばんひどい目に遭った人である。例の痴漢冤罪事件の謀略である。

今や小泉純一郎と竹中平蔵を頭目とする売国奴たちが退場しつつある。彼らは日本国民から石の礫を投げられ、追われようとしている。私はこの8年間、自分の金融・経済本で、この頭目2人を含めたアメリカの手先となって動いた者たちを、名指しで厳しく批判してきた。このあとも「売国者たちの末路」をしっかりと見届けたいと思う。

植草一秀氏は、今すぐにでも日本国の金融・財政の担当大臣になれる人物で器の持ち主である。日本がアメリカ発の世界恐慌の嵐を何とか越えられるように、今こそ植草一秀という立派な男を皆で応援しましょう。
(本書「まえがき」より)

日本を苦しめる「悪」を許すな!(本書の内容)

「デリバティブのブラックホール」を生んだアメリカは謝罪せよ

なぜ財務省が「財政出動の大盤振る舞い」を許したのか

郵政民営化の本当の狙いは、巨大な「不動産」だ

「竹中大臣辞任」と「植草事件」の奇妙なタイミング

アメリカで「洗脳」された財務官僚

小沢一郎攻撃のきっかけは「米軍不要」発言だ

ドル暴落を支えつづけた日本の売国政策

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 また、『知られざる真実-勾留地にて-』第5刷品薄につき、第6刷が6月30日に出来上がります。こちらも、ぜひご高覧賜りますようお願い申し上げます。

 渡邉良明氏書評    もご高覧下さい

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2009年6月22日 (月)

和製エクソン・フロリオ条項のない郵政民営化は巨大な詐欺だ

  今から二年前、私にエクソン・フロリオ条項の存在を教えてくれた経済通の知人は、今日、それに関するあらたなサイトの情報を伝えてくれた。これは濱田和章氏という行政書士の方が、エクソン・フロリオ条項について考察した小論である。詳しくはサイトをご覧になっていただきたい。この論文では最初の部分で、日本人が看過できない重要な指摘が為されている。それはこの日本では、2007年の5月1日に「三角合併」の解禁が行われたことに関してである。

     http://www.jlea.jp/ronbun4-1.pdf

 私は自分のブログでも少し言及したが、三角合併が解禁されたのは2007年5月1日だった。その年の10月には、郵政民営化が本格的にスタートしているが、重要なことは、そのスタートが本来は4月に予定されていたことだった。つまり三角合併とほとんど同時に予定されていたのだ。それが半年伸びたのは、元郵政公社の生田正治総裁が、小泉純一郎元首相に対して、システム構築の難しさを理由に、民営化開始の時間稼ぎをしたからである。小泉元首相はこれにも難色を示したようだが、生田総裁の頑強な姿勢に少し妥協し、半年の猶予を与えたという経緯があった。

 私の考えでは、この時、生田総裁が必死に民営化開始時期を引き延ばしたのは、建前で言っていたシステム構築上の理由ではなく、まさに四分社化の危険に気付いていたからだと思える。生田氏は小泉構造改革の力強い賛同者の一人だったが、その生田氏でも、小泉氏と竹中氏、それに経済諮問会議の四名のメンバーが強引に提起した「四分社化」が、国民を詐術して、郵貯・簡保資金を、米系国際金融資本・ゴールドマン・サックスに移転するためであることに気付き、それが彼の良心の疼きを強く刺激したものと思える。生田氏は小泉氏に、「経営者の良心としてできないことはできない」と断言しているのだ。この尋常ではない言い方が、システム構築上の問題とは違う存念を指し示している。

 小泉構造改革に賛同していた生田氏でも、国民が汗水垂らして郵貯と簡保に蓄えた膨大な資金を外資に丸ごと貢ぐ計画には、同じ日本人として賛同できかねるということだったはずだ。四分社化は郵政資金を外資へ移転する重要要件なのである。同じように、そのことに気付き、懸命に反対していた人物がいた。それが、当時の麻生太郎総務大臣であった。ジャーナリストの鈴木棟一氏の著書「小泉政権50の功罪」を参照すると、2004年当時の麻生太郎氏は「郵政の(三事業一体の)単一会社から段階的に分社化していく」という方針、そして「常勤職員を各社に振り分けする手続きに時間がかかる」という考え方を提起し、竹中平蔵氏と熾烈な論争を繰り返していた。

 麻生首相は2008年11月19日、郵政民営化にともなって売却することになっていた「日本郵政グループの株式」について、「(売却)は凍結した方がいい」と、突然言い出し、翌年の2月9日には、「(05年9月の総選挙で)問うたのは郵政民営化。四分社化ではない」と発言している。私が説明した2004年当時の麻生氏の四分社化反対に思いを馳せれば、唐突に見えた最近二度の発言は、きちんとした一本の論理水脈に基づいて発言していたことが見えてくる。

 お分かりだろうか。2004年の時点における麻生氏の段階的四分社化論も、常勤職員の振り分けに時間がかかるという言い方も、表面上の理屈であり、本音は生田前総裁と同様に、四分社化が国民の財産をゴールドマン・サックスに移転するための売国要件であったことに気付いていたのだ。だからこそ彼は、小泉・竹中両氏の四分社化決定案に強硬に反対し、民営化のスタート時点をなるべく先に引き延ばそうと苦心惨憺していたのだ。だが、生田・麻生両氏の必死の抵抗も、たったの半年の先延ばししかできなかった。

 エクソン・フロリオ条項に関する濱田氏の論文で重要な点は、1967年にアメリカのデラウェア州で三角合併が解禁された時、外資の脅威に対して防衛策を講じるためにエクソン・フロリオ条項が制定されている。つまり、米国では三角合併とエクソン・フロリオ条項はセットになっているのだ。これは普通に考えたら当然の話である。ところが、我が国では、会社法改正で三角合併が解禁された時に、まったく和製エクソン・フロリオなるものが考慮された気配はなかったのである。

 つまり、2005年の郵政民営化は、「三角合併」という、外資には無規制の参入利便性だけを与えて、国家防衛的な見地からの歯止め法案はなかったことになる。常識的に考えれば、日本でも三角合併を解禁した場合、同時的にエクソン・フロリオ条項に匹敵する国家防衛的な法整備を抱き合わせる必要があったのだ。ところが我が国では、「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」にストックされている、300兆円もの莫大な郵政資金が、誰に買われるかわからない市場に株式の形で開放される時、敵対的M&Aに対する防衛のための法制度が整っていないのだ。この重大な問題を、当時の政府は徹底的に封印し、メディアに載らないように報道管制を敷いたのである。

 130年間の歴史を持つ壮大な国営プロジェクトを民間市場に委ねようとする時、国家防的見地から、乗っ取りを企むファンドや投資会社に対し、有効な防衛法制度がない事実、あるいは故意にそのことを回避していた事実は、郵政民営化というものも、構造改革というものも、国民のほうを向いていないことは明らかだ。アメリカの対日政策は、あまりにも身勝手である。アメリカでは外国企業からの投資が国防的安全保障に抵触すると“大統領”が判断した場合は、外国からの直接投資を禁止できる。その適用項目は、航空、通信、海運、発電、銀行、保険、不動産、地下資源、国防の九分野にこれが適用されている。

 この分野は「年次改革要望書」でアメリカが執拗にかつ内政干渉的に、自国資本が侵略できるように、日本に規制改革を要求している分野と重なって来る。健全な対日投資を阻害しないためにも、日本は和製エクソン・フロリオ条項が必須なのである。そもそも小泉構造改革の基本理念である、事前規制型社会から事後救済型社会への転換においては、なおさらエクソン・フロリオに匹敵する法制度の設計はあって当然のことだと思う。それが故意に回避されていること自体が、小泉構造改革のいかがわしさを物語っているのだ。

 当然ながら、日本の巨大プロジェクトである郵政民営化においては、国家防衛的見地から、強力な事後規制を可能にする和製エクソン・フロリオ条項を設置することが必要だったはずだ。ところが、当時も今も、そのような発想も概念も政府側から提供された事実は皆無である。ここに日本の郵政民営化がいかに、国益とかけ離れた発想で推進されたかがよく見えてくるが、いかがであろうか。

 無駄な財投に郵政資金が流れてしまうなら、それを改善する方向性は当然あるのだが、そのことと、郵政公社を解体して四分社形態に移行することはまったく同一の論理進展にはない。私が四分社化は巨大な詐欺だと言っていることはそこにあるのだ。小泉氏と竹中氏に、国民に対する説明責任がまったく果たされていなかったのは、四分社化についてであったが、この両者が異常な執念を持って四分社化にこだわったことは案外知られていなかったことだ。

0491  左の概念図は2004年9月当時の読売新聞に載ったものだが、麻生総務相と生田総裁が三事業の一体化を主張していたことがわかる。それに対して、竹中平蔵氏や財政諮問会議の民間議員が四分社化に強く傾倒していたことが見える。重要なことは当時の自民党議員はほとんど三事業一体化の民営化方針、つまり麻生・生田ラインに賛意を持っていたという事実である。ところが、その約四ヶ月後には、どういうわけか、小泉総理の鶴の一声で四分社化が既定方針に変わっていた。いったい何が起きていたのだろうか。

 このように、郵政民営化法案が可決された2005年の初めには、和製エクソン・フロリオ条項が検討されるどころか、きわめて怪しくリスキーな四分社形態が既定路線化していたのだ。2005年6月当時、竹中平蔵氏は、衆院郵政民営化特別委員会で、四分社化の目的についてこう言っている。

「(郵便、窓口、貯金、保険の)四分社化で、第一に、一つの事業の損益状況が他の事業に影響を及ぼすことを未然に防ぐことが重要。二番目に、各機能それぞれの専門性が高められる。三番目に、機能ごとに効率的な経営が行われ、良質で多様なサービスを安い料金で提供できるということにつながる」

 竹中氏は、特に第一の「一つの事業の損益状況が他の事業に影響を及ぼす」という箇所を、「リスク遮断の必要性」という言葉で何度も強調して説明しているのだが、まったく説得力がない。百年以上の郵政事業の歴史において、三事業一体化によるリスク発生の歴史的事実はあったのかという話である。まったく現実から遊離した説明になっているのだ。彼は苦し紛れに「リスク遮断」という机上の空論を持ち出したが、エクソン・フロリオ条項の概念を故意に無視して、このような突飛な空理空論を提唱すること自体、国民を馬鹿にしていたとしか言いようがない。経済合理性から言うなら、郵政三事業一体は「範囲の経済性」(scope merit)を実現しており、各事業間の相互補完性によって安定した経営になっていた。

 四分社化の発想は一つしかない。すなわち外資(ゴールドマン・サックス)によるM&Aを首尾よく果たすためにバラバラに分社化したのである。四分社化を強行した竹中氏や経済諮問会議の民間議員はドメスティック・アライズ(Domestic allies)である。これを池波正太郎の時代劇小説「鬼平犯科帳」の用語で説明すると、盗賊が急ぎ働きをする前に、あらかじめ大店(おおだな)に女中や下働きとして、盗賊仲間を潜り込ませておく、いわゆる引きこみ役のことなのである。

 郵政民営化において「四分社形態を見直す」ということは、このように国富移転を阻止するという重大な意味を持つわけである。従って、麻生首相の「四分社見直し」発言は、看過できない巨大な意味(内実)を持っている。

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2009年6月21日 (日)

麻生首相の言挙(ことあ)げ。「郵政株の売却凍結」及び「四分社見直し」の意味は重大

○麻生首相の瑕疵を補って余りあるもの

 麻生首相は自分が言った厚労省の分割案を2週間くらいで撤回した。定額給付金の時もそれに似たことがあったような気がする。解散についても、言を左右にしてはっきりしない。政治家は言うことを二転三転させることはよくないし総理大臣なら、なおさらこういうブレは国民の信頼を失う。麻生首相の一貫性に欠ける優柔不断は、今に始まったことではない。そういう資質の部分で問題を持つ宰相だと思う。しかし、それでも麻生首相には強く評価すべき重要なポイントがある。
                                                             
 それは、「日本郵政株式会社の株式売却の凍結」発言と、「四分社形態の見直し」発言であった。彼が二度にわたってそれをぼそっと言挙(ことあ)げしたことはすこぶる重大なことである。それら、郵政民営化に関する発言は、この巨大プロジェクトの根幹的な見直しに通じるからだ。特に、国政を司るの最高責任者が「四分社形態の見直し」を自らの口で語った意味は大きい。なぜなら三事業一体の郵政事業の四分社化こそ巨大なる詐欺であり、郵政民営化のメインだからだ。

○小泉元首相の旧田中派駆逐の真意

 郵政民営化は小泉元総理が公約していたものだが、国民は概してこれに冷淡だった。政治家は、要領のいい簡潔な言葉でメッセージを国民に伝えるが、その簡潔な表現には、確固たる政治理念と、それを具現化するプロセスが頭に入っていなければならない。ところが小泉元総理が劇場型パフォーマンスで口にした、威勢の良いワンフレーズ・ポリティクスには政策の概要さえも見出すことはできなかった。

 小泉元総理の口から系統だった政策説明を一度も聞いた覚えがない。テレビには頻繁に登場していたが、その口から発する言葉は文字通りワンフレーズ以外の何物でもなかったから、彼が何を考えているのか、まったくわからなかった。わかったことは、彼の頭にある政治行為の目的が、ただ一つ、旧田中派政治の水脈をすべて消滅させることであり、それは完璧に成し遂げていた。小泉氏が旧田中派へ投擲(とうてき)した爆弾の意味は、恩師である福田赳夫氏の怨念を、彼が晴らしたという見方がある。

 小泉氏が旧田中派へ向けた敵意は、その淵源をたどると、福田赳夫と田中角栄の確執が根にあり、福田氏の怨念を彼が肩代わりしたように思われている。その思いが実際の政治に反映したとき、彼は田中派型政治が生み出した、いわゆる政官業の金権・利権体質からの脱却という政治文脈に位置づけたように思われている。しかし、今振り返ってみると、どうもそれは違うような気がする。旧田中派型政治の功罪を単純に、功を再配分システムの堅実な維持政策とみなし、罪を政官業の金権利権体質とみなすと、小泉氏が敵意を持ったのは、実は金権利権体質ではなく、旧田中派型政治の功の部分、すなわちケインズ主義的な再配分機能だったのではないだろうか。

 そのことは小泉政治の五年六ヶ月が、すでに実証的に証明してしまっている。彼が唱導し推進した「聖域なき構造改革」の実態は、アメリカ新自由主義に基づく市場原理主義経済であり、結果的にそれは戦後日本の地道な経済システムを破壊してしまった。その破壊の中で最も影響の大きかったことは再配分機能の破壊であった。「小さな政府」の究極は政府機能の硬直化と国家体制の脆弱化に繋がる。小泉氏の潜在願望は日本の国体破壊だと断言して差し支えないくらいひどいものだった。

 政治的にとらえると、小泉氏の旧田中派への憎悪と、郵政民営化への異常な執念は、アメリカ政府の対日改造計画に見事に合致した。一方、経済的に見ると、アメリカの対日改造計画は徹底したネオリベラリズム(新自由主義)に日本の社会構造を切り替えることだった。そのためには、ケインズ的土壌を有する旧田中派型政治の完全な駆逐を必要としたから、小泉氏の破壊願望は打って付けだったわけである。竹中平蔵氏はワシントン・コンセンサスの旗振りとして、日本にネオリベ思想をもたらす役目を担った米国のエージェントである。その重要な任務は小泉氏を補佐し、早急に郵政民営化を実現することにあった。

 かくして、小泉・竹中構造改革路線は、「聖域なき構造改革」と銘打ち、異常なスピードで滅茶苦茶な規制緩和を行った。戦後日本の伝統的な規制体系を片っ端から破壊し、ミルトン・フリードマンの思想に沿って、「小さな政府」を構築した。日本市場を自由放任主義(レッセ・フェール)に任せ、弱肉強食の市場主義経済に変えた。これによって、セーフティネットは破壊され、日本は持つ者と、持たざる者との極端な二分的階級格差社会に向かっている。このように極端な新自由主義の導入と、「年次改革要望書」の内政干渉によって、日本社会の良いところは軒並み破壊されてしまった。

○アメリカの日本改造計画の流れの中で

 日本を殺伐とした自由放任経済に切り替えたのは、アメリカの対日経済プログラムという長期戦略の賜物(たまもの)である。1980年代の日米構造摩擦に業を煮やしたアメリカは頑強な日本型経済構造を、砲艦外交によらず、日本人を洗脳することによって、内部から変えていこうと長期戦略を練った。それが「年次改革要望書」という対日内政指令所というリフォーム・マニュアルに結実したのである。

 アメリカ大使館のホームページにある「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく要望書」(The U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative)、通称「年次改革要望書」が公開されているにもかかわらず、なぜ日本政府もマスコミもそれを国民に伝えないのか、その理由をご存知だろうか。私の判断では、アメリカは日本人の意識誘導に絶大な自信を有しているから、米国の露骨な内政干渉が盛り込んであるこの要望書を堂々と晒しているのではないだろうか。そこまで日本という国はアメリカに舐められているという話である。

 もう一つの解釈は、戦後日本をGHQが占領支配下に置き、GHQが去った後も134ヶ所の在日米軍基地があり、軍事も経済もアメリカの属国支配下に置かれている現状は、事実上の植民地であるから、宗主国が植民統治下の国へ内政指令所を送りつけるのは当然であり、隠す必要はないという米国政府の意識の現われとも言える。ただし、日米経済構造摩擦という経過をたどっているから、表立った二国間交渉の形式は取らず、日本人を表層的にグローバリズムの世界浸透でごまかしておきながら、目立たないところで、このような宗主国丸出しの内政干渉を強いているというのが実情だろうと思う。

Photo  米国政府は日本の為政者や財界の指導的立場にある人間が忠実に言うことを聞く意識にあることに絶大な自信を持っているのだが、国民全般に対してはある種の慎重さを持っていると思う。それは属国支配に気付いた人間から、反米感情の声が上がり、それがうねりとなって世論化する事態である。実際に、年次改革要望書に気付いて、「拒否できない日本」という警世の書を出したのは、関岡英之さんという一人の若い市井の人だった。なぜ彼だけが、米国によるこのような重要な「対日内政干渉指令書」に気付いたのか。この事実を見るだけで、日本人全体が洗脳状態にあることが良くわかる。

 アメリカが恐れていることは、関岡さんのように国民が米国の対日戦略に気付いて防御反応を起こすことだ。アメリカは日本人がアメリカに対して、大東亜戦争以来、再び怒りを向けることを極度に恐れている。もっとはっきり言えば、東京裁判史観の基礎認識であるWGIP(War Guilt Information Program=大東亜戦争贖罪史観)からの覚醒が日本人に起こることをアメリカは恐れている。アメリカはこれを警戒して年次改革要望書という穏健なスタイルにしたのだと思う。いやしくも国際的には日本は独立国なのだから、露骨には宗主国態度を取ることができない。

 日本を不幸のどん底に突き落とした小泉政権の本質を語る場合、戦後の日米関係の真相は重要である。終戦から1952年までアメリカの軍事的な日本占領は続いた。その後日本は米ソ二極化による冷戦構造の中で巨大な経済力を築いた。冷戦構造が瓦解し、アメリカは今度は経済的にも日本占領計画を実行し始め、それが年次改革要望書という、穏健で確実な内政干渉に結実したのだ。このような対日計画は、世界を巻き込んだグローバリズムの潮流に呼応して着実に進められてきていた。今の日本は軍事的にも経済的にもアメリカの膝下(しっか)に置かれてしまっている。つまり完全な占領下にあるのだ。

○日本人の戦後メンタリティの問題も横たわっている

 不幸なことは、日本人自らがこの忌まわしい状況に気付かないどころか、竹中平蔵氏や小泉チルドレンのような買弁日本人(=ドメスティック・アライズ)が、政府中枢や財界に増えてきたことだろう。黄色い顔をしたアメリカ人である。ここで昔の古い歌を思い出した。「♪青い目をしたお人形は、アメリカ生まれのセルロイド…」という歌がかつてあった。戦後の日本人は、アメリカの豊かな物質生活に憧れ、アメリカのやることなら何でも正しいと思う人間が多く育った。その背景には東京裁判史観とWGIPがある。 

 ネオリベ構造を基にした、グローバリズムというアメリカ型の市場経済を日本に植えつける場合、アメリカが最も注意して慎重になったことは、日本人の潜在精神に巣食う東京裁判史観という一種の催眠状態を刺激して、目を覚まさないようにすることだったのである。グローバリズムを世界の進歩に則った必然的な潮流だと、日本人に思い込ませておく必要があったのである。

  構造改革の本丸、郵政民営化が実行されたのは、戦後の日米関係が以上のような関係にシフトしていた状況で起きたのである。多くの人は、最近の麻生首相のブレや鳩山前総務大臣との対立を見て、アホウ総理だとか揶揄(やゆ)して無能者扱いをしているが、私には単純にそのようには見えないのである。なぜなら、麻生氏がほんとうに無能・役立たずの宰相ならば、アメリカに真っ向から楯突くような発言は絶対にしないからだ。つまり、総理の座にしがみついて、保身だけを考えるような宰相ならば、郵政民営化の見直しに直結するような言動は絶対に取らないと思うからだ。

 私が上記で長々とアメリカの戦略の恐ろしさを述べたのは、アメリカの日本に対する改造計画が、いかに綿密に長期的に行われているかの一端を示したものであり、その流れの中で日本の宰相が、郵政民営化の本質である「四分社化」の見直しに言及した意味はすこぶる大きいと思う。この発言だけでも麻生太郎という人間は見直したほうがいいと思う。もちろん、鳩山邦夫氏の「かんぽの宿」問題の追及も、この文脈において超弩級(ちょうどきゅう)の効果を持っているが、総務大臣にそれを言わせた麻生首相の胆力は並大抵ではない。

○麻生首相の変節を推測する

 こう言うと、じゃあなぜ麻生首相は見事に寝返って、アメリカの傀儡政権である自公政権の存続に力を注いでいるのかという話になるが、私はこう思っている。中川秀直氏や武部勤氏、あるいは小泉純一郎氏に連なる小泉一家に脅されたせいで麻生氏が寝返ったとは到底思えない。麻生氏が彼らに怯える胆力の持ち主なら、たったの一度でも四分社化の見直し論は吐かないし、郵政株式の凍結も口には出さない。これは確信を持って言える。

 麻生首相に何があったのか、もちろん分からないが、小泉一家の脅しとは比較にならないくらいの強い圧力があったと考えるべきだ。日本の宰相になって、はじめて対峙する強大なケモノの咆哮(ほうこう)があるかもしれない。私はそれを横田幕府の介入だと想像している。戦後の日本では、宰相になった場合、アメリカには決して逆らわないという不文律があるのではないのか。これに歯向かった宰相は、汚名を蒙るか、死が待っているような気がする。そう思った場合、何名かの宰相の顔が思い浮かぶ。つまり麻生氏の変節には、このレベルのことが起きたとしか思えないのである。

 感情を抜きにして、アメリカの経済戦略を眺めれば、長期的にも効率的にも用意周到な計画性を有していて、実に奸智に長けた緻密な構想を練っている。日本人は大きなところで、アメリカの日本支配を意識し、隷属精神から早く脱却する必要がある。

さて、麻生太郎首相が今後、野党の不信任を突きつけられて沈んでしまっても、自民党内の麻生降ろしで、降りてしまっても、今後、郵政民営化の見直しが行われ、ゴールドマン・サックスの郵政資金収奪計画がお釈迦になったとすれば、麻生氏が言挙(ことあ)げした、「日本郵政株式の株式売却を凍結する」と「四分社形態見直し」は、日本の戦後史に燦然と輝く金字塔になるかもしれない。・・・まあ、わからないが・・。

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2009年6月20日 (土)

質問主意書に対する麻生総理の答弁書(小野盛司)

  (日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第175弾です)

 6月9日に提出した質問主意書に対する答弁書が返ってきたので紹介する。内容はひどい。こんな連中が国の経済財政を取り仕切っているのでは、日本経済は絶対よくならないと思う。マスコミは農水省が53人の処分を発表したと報じている。農家に行って調べてこなかったのに、その義務を果たさず嘘の報告をした等の事に対する処分だ。しかし、この答弁書は、国の財政政策に関して国会に対する説明責任を全く果たしていないということであり、その責任は農水省職員の不作為に比べ、1000倍以上罪が重い。マスコミよ、なぜこちらを取り上げないのだ!!

 読んでいただければすぐ分かる。例えばクラウディングアウトだ。国の借金が増えれば金利が上がると政府は信じている。しかし図2を見ていただきたい。金利は逆に下がっている。この図を示されて、なんと政府は、「それでも金利は上がっていないとは言えない」という。馬鹿かと言いたい。小学生でも下がっているか、上がっているかを間違いなく答えられるだろう。これじゃあ、とても経済財政政策を担当することなど無理だと言わざるを得ない。

 1997年には513兆円だったGDPが経済政策の失敗で2008年には496兆円にまで下がってしまったことも、これでよかったのだと言う。経済苦で多数の人を自殺に追い込んでしまったこの政策がよかったのだそうだ。こんな政府のこんな無茶な政策をこのまま続けさせてよいのか、今我々は真剣に考える必要がある。

 この大不況の真っ最中に再来年からの消費税増税や、社会保障費等の削減を公約にしていたら、与党は今度の衆議院選で大敗するのは間違いない。今が経済縮小路線に決別する最後のチャンスだ。

第36回質問主意書

補正予算に関する政府の説明責任に関する再質問主意書

前回の質問主意書に対する答弁書(内閣衆質一七一第四三七号、以下「答弁書」という)に対して再度質問する。

一、答弁書の四についてで、「経済政策を行う に当たっては、クラウディングアウト効果についても考慮する必要があると考えている。」との説明があった。クラウディングアウトとは、国債を多く発行すると金利が上がるというものである。図1は国債発行残高、図2は金利のグラフである。この2つのグラブを比べれば、日本ではクラウディングアウトは全く起きていないということが明らかだと思うが同意するか。

二、これまで、政府はクラウディングアウトを恐れて大規模な財政出動を避けてきたがこれは間違いであったことを認めるか。

三、1997年度の名目GDPは513兆円であったが、2008年度は496兆円まで下がっている。このように10年以上も前のGDPよりも減ってしまった国は日本以外にはどこにもない。これは経済政策の失敗が原因なのではないだろうか。政治家が経済政策を間違えた理由は経済モデルが正しくなかったことが原因ではないかと危惧するのである。例えば今年1月16日に内閣府で発表された「経済財政の中長期方針と10年展望」では、公共投資を実質GDPの1%相当継続的に増やすと長期金利は初年度で0.27%、2年目で0.41%上昇するようになっている。つまりクラウディングアウトが起きることになっているが、図1、図2で示したように、これは現実とは完全に矛盾している。つまりこのモデルで日本経済を記述することは全く不可能であると考えるが同意するか。

四、答弁書の二についてで、「公債等残高対G D P 比も含め、「経済危機対策」等を踏まえた中長期の経済財政の姿の試算については、現在作業を進めているところである。」とあった。現在作業を進めている試算の発表は、いつどのような形で行われ、発表される結果には、前回質問主意書で要求した「09年度補正により公債等残高GDP比が増えるのか、減るのか」という質問に答えるものになっているのか。

五、以下は「財政赤字等のマクロ的な比較評価」について6月2日の朝日新聞等に書いた記事の一部である。

 国民が知りたい情報の1つは、各党のマニフェストに盛り込まれた政策を実施した結果、財政収支がどうなるのか、税負担がどうなるのか、経済成長率や失業率がどうなるか、といったマクロ的な分析である。こうした評価を行っているのがオランダである。オランダでは、政府機関として、経済政策分析局(CPB)という機関があり、政府の経済財政見通し等の分析を行っている。CPBは、政府機関であるものの、政治的に強い独立性が与えられている。CPBは選挙前に経済財政見通しを発表するが、全ての政党は、この見通しを政策提案の前提として使うことになっている。

 各政党は、選挙前に、CPBに対して、彼らの政策提言を提出する。これを受けて、CPBは、そのコストや経済に与えるインパクトを分析するとともに、しばしば、政党の政策提言の矛盾点を指摘する。その比較分析は、歳出・歳入・財政収支、税・社会保険料の負担、消費者物価上昇率、失業率、GDP成長率等、マクロ経済指標を広範にカバーするものであり、各党の政策のインパクトは一目瞭然である。

 これは素晴らしい制度であり、同様な制度を日本でも導入してはどうか。特に公債等残高対G D P 比の値がどうなるのかを、各政党のマニュフェストに基づいて計算し、どの政党が国の財政危機に対して最も真剣に取り組んでいるかを国民に示していただきたい。

六、政府はこれまでクラウディングアウトを恐れ、大規模な財政出動を避けてきた。しかし、本当に金利が上がりそうになれば、日銀が大量に国債を買うことにより金利上昇を抑えることもできたはずである。それに対して諸外国は国債買い入れ等を大規模に行ったために主要中央銀行の資産は前年比で約1.5倍になっている。具体的にはFRBは2.3倍、ユーロ圏は26%増、イギリス中央銀行は2.2倍、カナダ中央銀行は32%増であるが日銀は僅か8%増えたにすぎない。その結果日本円は独歩高となり、輸出が激減し、日本経済は世界で最も悪い状態に陥っている。このように日本経済が苦境に追い込まれたのは、日本の景気対策が小規模すぎたためだと思うがどうか。

七、政府はクラウディングアウトを恐れているが、確かにこれだけの大不況で金利が上がると、経済は壊滅的な打撃を被る。一刻も早く大規模な財政出動を行い、金利上昇にも耐えうる経済に戻していく努力をしなければならない。世界の中で日本だけが極端に低い金利(特に長期金利)を続けていると次のような害がある。

①貯金に利子がほとんどつかないから、本来得られるべき利子収入が無く、消費の増大に繋がらないし、タンス預金も増え、お金が流れず経済は停滞した。

②危険な円キャリートレードにより巨額の資金が流れ出て、世界経済にバブルを発生させ、その崩壊によって世界経済に深刻な打撃を与えた。それを証明するかのように、今回の世界経済危機発生と同時に資金が逆流し、一気に円高が進み輸出企業に深刻な打撃を与えた。

③本来景気刺激は財政出動でなく、政策金利の引き下げによって行われるべきであるが、事実上のゼロ金利が続いているために、金利の上げ下げによる機能が失われていて、財政出動をせざるを得なくなっている。そのために国の借金が増える一方である。

 このような弊害を考えると、大規模な景気対策で一気に経済を良くして、日本経済を金利上昇でも耐えうる健全な状態に一刻も早く戻すべきである。そうしないと、いつまで経っても、企業や家計といった民間部門が、財政支出に頼らず、生産・所得・支出の好循環によって成長する状態にはならないと思うが同意するか。

図1
出所 財務省
Photo

図2
出所 日銀
Photo_2 

______________________________

第36回答弁書

内閣衆質171第515号
  平成21年6月19日
                           内閣総理大臣 麻生太郎
衆議院議長  河野洋平殿
衆議院議員滝実君提出
 補正予算に関する政府の説明責任に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
  衆議院議員滝実君提出補正予算に関する政府の説明責任に関する再質問に対する答弁書

一について
 お尋ねの「日本ではクラウディングあるとは全く起きていないということが明らかではないか」という点については、ご指摘の国債発行残高と長期金利のグラフのみでは、一概に判断することはできないものと考えている。

二、三、六及び七について
 経済政策を行うに当たっては、様々な経済指標を参考にしつつ、お尋ねのクラウディングアウトの観点も含めて、その時々の経済状況を十分踏まえて総合的に判断することが必要であると考えている。

 政府は、1990年代の深刻な景気後退に対しては、累次の経済対策を含む大胆な政策運営を行うとともに、金融機関の不良債権処理、企業の過剰債務解消に向け、抜本的な対策を講じ、こうした政策努力の成果もあり、我が国経済は「債務、雇用、設備の三つの過剰」を克服し、その後の景気回復が実現したと認識している。

 また、現下の厳しい経済金融情勢に対しては、平成20年8月以降、三次にわたる経済政策をとりまとめ、その速やかな実施に全力を挙げてきたところであり、これらの対策は一定の景気下支え効果があったと考えている。さらに、昨年末以降、世界金融危機と世界同時不況が深刻度を増し、景気が急速に悪化したことから、こうした状況に対応して、先般、「経済危機対策」(平成21年4月10日「経済危機対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定)を取りまとめたところであり、これにより、「景気の底割れ」を防ぎつつ、国民の安心を確保し、本来の成長率強化につなげ、民間経済の自律的回復を促すこととしている。

四について
「経済危機対策」等を踏まえた中長期の経済財政の姿の試算については、平成21年6月9日、経済財政諮問会議の有識者議員が同会議に参考資料として提出しており、同資料においては、公債等残高対GDP比の数値も示されているところである。

五について
 政府としては、経済財政運営の方針等を踏まえた様々な前提に基づき、公債等残高対GDP比も含め、中長期の経済財政の姿の試算を行っているところであるが、ご指摘の「各党マニュフェストに盛り込まれた政策」を踏まえた前提に基づく試算については、各党各会派において御議論いたたくべき問題であると考えている。

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2009年6月19日 (金)

徹底した外資優遇政策の中で郵政民営化法案は成立した

 国民や中小零細企業を不幸のどん底に陥れた小泉政権が2006年に終焉し、安倍政権、福田政権という、二代に渡るその継承政権が続いた。安倍政権も、福田政権も、その表層における掛け声は違っていたが、本流の政策内実は小泉政権が打ち立てた売国構造改悪そのものだった。

 麻生内閣は福田内閣の後を継いで、2008年(平成20年)9月24日に成立した。その5日後の29日、衆議院本会議場で彼は所信表明演説を行った。私は彼が小泉・竹中構造改革全体の見直し、あるいは郵政民営化を見直す意思を表明をするのではないかと、密かに強い期待を抱いていた。ところが麻生首相はそれにはまったく触れずに、最後の方で構造改革を推進すると言ったので、「ああ、この男もやっぱりインチキ構造改革派なのか!!」と期待を打ち砕かれ、しばらくは憔悴した気分を回復できなかった。

 それから2ヵ月も経たない11月19日、驚くべきことに麻生首相は、郵政民営化にともなって売却することになっていた「日本郵政グループの株式」について、「(売却)は凍結した方がいい」と、突然言い出した。当時の読売新聞記事を参照すれば、麻生首相は、「こんなに株が下がっている時に、しゃにむに売らなくちゃいけない話があるか。株は高くなった時に売るのが当たり前だ」と述べ、株式市場の低迷を売却凍結の理由に挙げた。だが、おそらくこれは彼の本音ではない。

 麻生氏の本音は郵政民営化の抜本的な見直しにあったと確信する。つまり、彼は小泉政治の根本的な否定の上に、米国の傀儡政治を軌道修正しようとしていたのではないだろうか。その計画に同志として参加したのが鳩山邦夫氏だった。私は鳩山邦夫氏が麻生太郎氏の総理総裁実現に尽力した真意には、単なる盟友関係以上のものがあったと思う。それは、小泉政治によって疲労困憊した日本の政治風土を、もとの修正資本主義に戻したいという壮大な計画だったのではないだろうか。

 なぜなら、ここ八ヶ月間、この二人は要所要所で郵政民営化の根幹に触れざるをえない重大な発言をしているからである。麻生首相は「四分社化見直し」を、鳩山前総務省は「かんぽの宿」一括売却譲渡問題を鋭意指弾していた。二人は意を合わせて、小泉構造改革の本丸である郵政民営化にまつわる抜本的な見直しを計画していたに違いない。しかし、二人とも民営化そのものには否定的言及はしていないが、そこに郵政民営化見直し計画の大きな苦悩がある。

 なぜなら、構造改革と郵政民営化は自民党の最大党是であり、既定路線であるから、見直しや民営化の逆行に行き着く考え方は、党そのものの否定に繋がるからである。しかし、それでもこの二人は意を決して小泉構造改革の軌道修正をしようとしていたのではないだろうか。

 今年の2月9日、麻生首相は衆院予算委員会で「(05年9月の総選挙で)問うたのは郵政民営化。四分社化ではない」と発言。また翌10日、「多くの国民の中で四分社化を知っていた方は、ほとんどおられない」と述べている。

   http://www.asahi.com/politics/update/0210/TKY200902100326.html

 私は何度もこのブログで書いているが、小泉・竹中構造改革の最大の疑問点であり、最大の政策的瑕疵は、外資の経済侵略(金融的侵略)に何の手も打たないばかりか、そういう防衛法案の萌芽を徹底して故意に潰してきたことだ。特に小泉元首相はひどかった。国会討論で、何人かの議員が「外資脅威論」について質問しても、小泉元総理は厚顔にも外資必要論や外資神風(かみかぜ)論を説いていたように思う。つまり小泉氏は、外資が日本市場に来てくれることこそ、経済の活況に繋がるという言い方に徹していたように思う。

 私は企業買収にはほとんど無知な一民間人だが、それでも郵政民営化関連法案が審議される過程には、大きな不信感が拭いきれなかった。それは企業の合併・買収(M&A)には、スケール・メリット(規模の経済性)という肯定的な面もあるが、敵対的買収という乗っ取り買収があることも知っていて、これには企業価値や企業財産を、乗り込んできた資本の収奪から防御するために、適宜な対策を講じる必要があることは常識だと思っていた。

 私が郵政民営化法案の審議について、経済の素人なりに心配していたことは、130年の長き伝統を持つ郵政国営事業が、民営化というまったく異なった事業形態に組織替えされる時、その組織解体の間隙を衝いて、国家が管理していた国民の財産を、外国資本が好き勝手に食い荒らすようなことがないだろうかという疑念だった。この時期、経済に詳しい私の知人は、アメリカには国家防衛的な見地からの外資買収に対する防衛策があるということを教えてくれた。それは通称でエクソンフロリオ条項と言う。

 エクソンフロリオ条項(Exon-Florio provision)
「米国は外国からの米国内直接投資(FDI)を歓迎するとともに、外国投資家を公正かつ同等に扱う。ただ、国家安全保障を保護するための例外はある。エクソン・フロリオ条項の目的は、FDIを規制するのではなく、外国からの投資内容を精査し、米市場をできる限り公開するというもの。しかし、投資内容が米安全保障にかかわるものと大統領が判断した場合には、エクソン・フロリオ条項が適用され、FDIが規制される。」

 私は素人の無知な大らかさで、日本には当然、このような国家防衛的な法律が以前からきちんと整備されているものだと思っていた。基本にそういう思いがあったから、郵政民営化法案に関する質疑応答には、当然、その法律が出てきて、然るべき外資防衛論議が交わされると思っていた。ところが、テレビを見ても、新聞を見ても、郵政民営化に対してそれがまったくと言っていいほど出てこないのが不思議であり、だんだん不安になっていた。

 国会質疑、またはテレビ・新聞などのマスメディアには、郵便事業のユニバーサル・サービスが低下することはないのかとか、収益が見込めない過疎地域の郵便局は民営化で消滅するのではないかとか、いわゆる機能性とか、収益性とか、地域インフラの変化とかが主に論議されていたように思う。それはそれでとても重要なテーマであったが、私が憂慮していたことは、郵政グループ会社を統括するヘッドクォーターの株式会社(現日本郵政株式会社のこと)の株式が、貪欲で巨大な外国投資会社に半分以上買われた場合、郵貯・簡保にストックされている340兆円に及ぶ莫大な郵政資金は、日本人以外の者に自由に運用されてしまうということになり、それは最終的にどこへ行ってしまうのかという疑問だった。

 もし実際に外資がこの郵政資金を収奪する場合は、色々な金融商品を介在させて、多分マネーロンダリングのように、外部からは不明瞭な形になるのではないかという想像が働く。かれらは金融工学という高度な詐欺テクニックを磨いている。こういうふうに海外投資会社から来る収奪的M&Aに対して、日本には防衛方策が存在しないのだ。なぜ、そういい切れるのかと言うと、これ以降は吉川元忠・関岡英之の共著「国富消尽」を参照するが、2005年に工作機械と工業用ロボットの専門メーカーであるファナックが、6月の株主総会で買収防衛策の導入を否決されるという事態が起きた。

 その原因は、米国の議決権行使助言会社ISS(=Institutional Shareholder Services,Inc.)の日本子会社である「ISSジャパン」が、敵対的M&Aに対する事前防衛策を導入しようとする日本企業の議案に、株主総会で反対票を投じるように、海外の投資家に呼びかけていたそうである。同時期、横川電機も東京エレクトロンも同様のことが起きていた。また2006年の5月には会社法の改正によって、敵対的M&A対抗策としてポイズン・ピル(劇薬)という条項が制定された。

 敵対的買収者が一定の議決権割合を取得した時点に、時価以下で新株を購入できる新株予約権を、既存株主に対して予め発行しておく方法で、買収側の持ち株比率や株式価値を低下させる仕組のことである。ところが東京証券取引所や金融庁はこの動きを抑制する方向に舵を切っている。つまり外資の露骨な優遇である。経済産業省は日本企業が買収防衛策導入に歯止めをかけるガイドラインを作成した。東京地裁は防衛策導入に指し止め命令を出している。

 以上から、郵政民営化法案が成立した前後は、アメリカの議決権行使会社が暗躍し、外資のM&Aに有利になるような強烈なトレンドが進行していた。経産省も、金融庁も、東京証券取引所も、完全にこのトレンドをバックアップしていたのである。この傾向は現在も同じである。外国資本の進出を一方的に優遇していた趨勢の中で、郵政民営化は議論されていたが、政府も敵対的M&Aに対する防衛策については、まったくといいほど議論しなかったし、マスコミもそのことを国民に啓蒙していないのだ。

 私のような素人が考えても、郵政民営化論の最も重要な論点が、敵対的外資の防衛策がどうなっているのかだったのに、それが全然出てこなかったことに強い違和感を覚えていたのだった。ましてや、郵政民営化にアメリカのエクソンフロリオ条項を参考にするなどという話は微塵も出ていなかった。そして、ここに城内実さんが、2005年6月7日の「衆議員-郵政民営化に関する特別委員会」で竹中平蔵氏に質問した内容が重要になってくる。

 実は、城内実さんはこの特別委員会で、ずばり根幹の問題点を質問している。

「こういった買収防止策が進んでいると言われているアメリカですら、成功率が三五%、そして失敗率が四〇%という非常に愕然たる数字なんですが、我が国においてはまだまだこういった実例もございませんし、先般のライブドアとニッポン放送、フジテレビをめぐる争いでも、裁判をやると負けてしまう、こういう状況でございますので、私は本当に、外資がどっと入ってきて、さんざん買いたたいて、利益だけ吸い取って後去っていくというようなことが非常に心配なわけでございます。」

  城内さんは言う。驚くべきことに、敵対的買収に防衛策を充分に講じているアメリカでさえ、その敵対的買収の成功率が35%もあるというのに、我が国はそれに対する防御がないから外資に喰われ放題になるのではないのかと言っている。この質問の中で城内さんは、竹中平蔵氏に2004年の4月から約一年間に、米国の官民関係者と何回会っているか?と質問したが、これに竹中氏は17回だと答えている。

  竹中平蔵氏が、アメリカの政府及び民間保険会社の関係者と17回も秘密裏に会っているということは、郵政民営化には根本的に公にできない後ろ暗い内実があるということになる。そのメインこそが敵対的M&A計画であっただろう。その目的は運用名目で行われる、ゆうちょ・かんぽ資金の収奪である。アメリカは既に2002年の段階で、やがては分割民営化される日本郵政株式会社の社長に西川善文氏を据えて、ゆうちょ・かんぽ資金の収奪を遂行する計画を立てていると考えるべき動きがあった。これが成功するためには、日本人にM&A防衛策を取らせないことと、郵政三事業の解体、すなわち四分社化が絶対条件になっていたのである。加えて、西川氏の社長継続も既定路線だと思う。
 
 エクソンフロリオ条項をネットで検索しても、異常なほどにその内容が出てこないのは、日本が外資脅威論を設定して、その防衛策を考えることを、米国が最も恐れているからにほかならない。しかし、米国の隷属状況に馴らされてしまった日本人には、その重大さを認識しない。郵政民営化とは、とどのつまりは日米問題なのである。けっして内政問題ではない。しかし、これに食いついた売国日本人にとっては、郵政私物化・利権化なのである。

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2009年6月18日 (木)

民主党の言う埋蔵金の中身を調べてみました(小野盛司)

日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第174弾です)

 昨日(6月11日)の党首討論には、全く失望させられました。両党首共、どうやって日本経済を立て直すのかという視点が全く見られない。消費税増税か無駄のカットかの選択ですか。これだけ経済が落ち込んでいるときに議論することだろうか。景気底入れ宣言なんてとんでもない。大不況はこれからだ。

 消費税12%という案が骨太方針2009に入るか入らないかは知らないが、麻生首相の消費税増税には、正直頭に来た。これほどの経済危機で経済を立て直す見込みすら立たない時期に大幅な消費税増税を言い出すなど言語道断だ。もはや民主党に期待をするしかないのか。民主党のばらまき予告はすごい。すべて足し合わせると毎年30兆円の歳出増になるそうだから、頼もしい。お金を刷ってこれだけやるというなら素晴らしい。

 しかし、公務員の首切りや公共投資のカットで財源を確保するというなら、無理なのは明らかだ。そういうわけで、民主党のホームページをのぞいて、経済緊急対策を読んでみた。「生活を良くすれば、経済がよくなる」とあり、全く同感だ。様々な経済対策が書いてある。民主党の最大の問題点は財源だ。彼らは埋蔵金を使いたいらしい。彼らが言うのは埋蔵金残高としては

「財政投融資特別会計」=6.5兆円
「外国為替資金特別会計」=19.6兆円
だそう。

 そこで財務省に電話して、本当にそんな金があるのか聞いてみた。まず、「財政投融資特別会計」について聞くと、確かに6.5兆円あったのだが、09年度の補正予算で3.1兆円使ったから残りは3.4兆円だそうだ。民主党さん、3.4兆円と書き替えて下さい。この埋蔵金について色々話を聞いたのだが、要するに国債の一種の財投債を売って資金を得ていたということ。もともと郵貯の資金は旧大蔵省が預託運用し、そこから住宅金融公庫や国民金融公庫、道路公団などの政府関係機関に融資されていた。

 ところが、郵貯改革でこの制度が廃止され、郵貯は自主運用、政府関係機関は国が財投債を発行して得た資金を活用することになった。財政特別会計は国債発行で資金を得て、これを中小企業、教育、社会福祉関係等に融資する。その際赤字になるか黒字になるか分からない。苦しい中小零細企業の経営を考えると、むしろ赤字にしてでも中小企業を助けた方がよいかも知れない。その意味での準備金6.5兆円は持っていた方がよかったのかもしれないが、政府与党は今回の景気対策で半分使ってしまった。民主党は残りの半分までも使ってしまおうとしているのか。

 こんな金に手を出さなくてもよいような気もするのだが。弱者を救うための資金ではないか。ここで発行された国債を国の借金と言ってよいだろうか。金持ちから集めた金を中小零細企業に貸しただけ。これって、国の借金だから将来国民が税金で返さねばならぬのか!?中小企業に貸した金は中小企業から返ってくるのだから、国の借金とは言えない。国債を一概に国の借金と言うのは止めた方がよい。

 次に、外国為替資金特別会計の方も聞いてみた。これは財務省国際局為替市場課だ。19.6兆円は確かにある。こちらは、仕組みがちょっと複雑だが、調べると驚くべき中身が見えてくる。

 皆さんご存じと思うが、現在日本は外貨準備として約100兆円も外貨(大半は米国債)を持っている。平成15年に政府は約30兆円の為替介入を行ったことを覚えているだろうか。要するに、円高になると日本の商品は高くなりすぎて売れなくなり、輸出企業が衰退し、国内企業も海外に逃げていってしまう。政府が円を売ってドルを買うと円安になるから日本経済が救われるというわけだ。

 この際、ドルを買うための資金はどうするかと言えば短期国債(主に3ヶ月ものの政府短期証券)を発行して調達するのだ。要するにドル買い介入をすれば国の借金が増える仕組みだ。ちょっと待ってくれ。その借金も将来税金で返すのか。今度逆に円安になりすぎて、円買い介入をするときは、ドルを売って円を買えば、国の借金は消える。やはりここでも国債は国の借金という表現はおかしい。しかもその額100兆円だ。国の借金が増えたから財政が厳しい。増税させてくれと政府は言う。だが、借金の実態は本来借金というべきでないものも入っているという一つの証拠だ。

 米国債の運用益は、半分は更に米国債を買って残高を増やすのに使われ、残りの半分は一般会計に組み込まれる。その際に、ドルを円に換えて一般会計に組み込まれるのではない。なぜなら、そうすることは円高に向かわせることになるからだ。外貨建ての資産と円建ての負債をつり合わさなければならない仕組みだから、ドル建ての運用益が発生すると、新たに短期国債を発行し円資金を手に入れ、それを一般会計に組み込む。つまり米国債で儲かれば儲かるほど、国債残高(国の借金)は増える。やはりこれを国の借金というべきでない。

 それで、民主党が言う埋蔵金とは何かというと、外貨建て資産(主に米国債)が目減りしたときの準備金だそう。米国債は価格が変動するから、損することもあり、それを手当てするのがこの19.6兆円の目的で、景気対策などに使われては困るという。1$=99円で丁度バランスするそうだから、現在1$=96円だからこの準備金があっても、損は出ている。確か少し前には1$=90円程度まで円高が進んでいたから、その頃はもっと大きく目減りしていただろう。

 外貨準備が約100兆円ある替わりに、それとほぼ同額の短期国債の残高がある。少なくとも平成15年以降、為替介入は無いので、100兆円の短期国債の残高は動かない。奇妙なのは、何年も動かないのに、これが3ヶ月物の国債で運用されているということだ。一月にすれば33兆円もの短期国債をずっと財務省は売り続け、証券会社や銀行がこれだけの国債を買い続けている。年間の国税に近いくらいの額の短期国債を証券会社や銀行が買っているというのは驚くべきことだ。全国の銀行の年間の差益の合計が10兆円程度だそうだから、これに比べても大変な額だ。しかもこの短期国債の利率がわずか0.17%だそうだ。

 なぜ、短期国債なのか。ずっと長期に持ち続ける外貨準備なのだから長期国債のほうがよいではないかと思うのだが、財務省は「為替介入は売ったり買ったりするのだから短期のほうがよい」という。だけど実際は平成15年にドル買い介入をやった後、売買はない。円買い介入などいつのことやら。

 それはともかくとして、わずか0.17%の金利で100兆円ものカネを金融機関が国に貸している(国債を買っている)というのは驚くべきことだ。日本の金融機関はそんなに金持ちなのか。国がりそなに2兆円の資本注入を行って大問題になったのだが、100兆円もの余裕資金を持っているのなら、金融機関同士で融通できなかったのかなどと思ってしまう。それも一時的でなく、何年も貸しているのだ。もっと良い条件の投資先はいくらでもありそうな気がするのだが。第一預金者から預かったお金を、こんな低利で貸し出していて、十分利ざやが稼げるのだろうか。

 そこでもう一度財務省に電話した。今度は理財局だ。答は、他にもっとよい投資先がないから仕方なく、確実な投資先として国債が使われているとのこと。十分買う人がいなかったら、金利は上がるはずだという。

 この奇妙な現象はつぎのように理解すべきだろう。諸悪の根源は日本には、投資して確実に利益が出せる投資先が極めて少ないということだ。優良投資先は、すでにとっくに大手銀行に取られている。下手にそれ以外のところに融資をすれば、新銀行東京のように大赤字となってしまう。しかし、預金者は将来の安全を考えて現金を銀行に預けている。とすると大量の資金が金融機関で眠っている。しかも日銀も超低金利政策(昨年12月に政策金利を0.1%に下げた)を維持するため、大量の資金を金融機関に流していることも、その傾向に拍車がかかっている。金融機関としては信頼できる所に貸すか、さもなければ超低金利でも短期国債を買っておいた方が得ということになる。短期国債より長期国債のほうが利率が高い。

 利率の高いほうにお金が流れないのはなぜか。これは私の推測なのだが、国債は国債市場特別参加者制度というのが関係しているのではないか。金融機関の組合のようなもので、会員になると政府から買えと言われた国債をきちんと買わなければならないが、様々な特典があり黙ってても儲かるような仕組みになっている。

 要するに日銀が刷ったお金をただ同然で使わせてもらって、それを運用すれば確実に儲かる仕組みになっているのだと思う。そうでなければ100兆円もの資金を0.17%の利率で長期に政府に貸すなど、誰もやるわけがない。しかし、刷ったお金を金融機関だけが使うというシステムでよいのか。刷ったお金は国民全体を豊かにするために使ったほうがよい。

 そこで民主党に提案したい。埋蔵金の金額は小さいし、それなりの役割があり、使ってしまうのは余り良くない。もとはと言えば、埋蔵金も日銀が刷ったお金なのだが。そんなちっぽけなカネに気を取られて、本当に重要なことを見逃すべきではない。外貨準備のために発行された短期国債だけで100兆円だ。全体の国債発行額はその何倍もある。国民から預かったお金や日銀が刷ったお金を、国の経済の発展のために使うというのが、金融機関の本来の姿だ。

 しかし、今はそれが十分行われておらず、多くのカネが国債を購入することに使われており、経済がいつまで経っても発展できない。発展しない経済においては、企業も金融機関も思い切った投資ができない。そのため、日本は「失われた25年」に入りつつある。唯一日本経済を救うことができるのは、政府が思い切った投資をすることだ。日本銀行で刷ったお金を銀行で滞留させ通貨の役割を果たせなくするのでなく、思い切って政府が使うことだ。そうすれば、お金が流れ出し、やがて回るようになる。民主党の30兆円歳出拡大案を、刷ったお金(要するに赤字国債発行)を財源として断行していただきたい。

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小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス

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6月20日 ワールドフォーラム6月総会プログラム

      ご案内

 2009年度のワールド・フォーラム総会に併わせて、第2部では、戦後に日本国は独立したはずにも拘わらず、長年に亘り米国政府から日本政府に毎年つきつけられ、日本政府の政策を縛ってきた米国の「 年次改革要望書 」について、かねてから問題提起をしてこられた前衆議院議員 小林 興起 氏 をお招きし、ワールド・フォーラムは、行動するシンクタンク「王道日本の会」代表 佐野 雄二 氏 との共催で、米国の年次改革要望書の歴史的意味や以下のテーマで、お話し戴きます。

○2009年度 ワールド・フォーラム総会 13:00-13:30

○第一部 「年次改革要望書」の歴史的意味

  講演 小林 興起 氏 13:30-14:30

○第二部 人類史7000年のヒミツ、必要な経済政策は何か?反グローバリズム

  講演
佐野 雄二 氏 14:40-15:40

質疑応答 15:40-17:00

 戦後65年もの期間が経過し独立国になってから半世紀以上経過してもなお、毎年、米国大使館からの内政干渉とも解される、具体的な改革という名の政策の指示文書を受け取り、その指示通りに国政のあり方を作り直さねばならないという未だに「属国」の地位にある日本国の実態が暴露され、独立国に相応しい実態の国になるのかについて、議論してみたいと思います。皆様におかれましては、大変お忙しいとは存じますが、お誘い合せの上お越し下さいますようお願い申し上げます。

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プロフィール 

Photo_2  小林 興起 氏      

昭和19年1月1日、東京都練馬区生まれ。東京大学法学部卒。通産省入省。ペンシルバニア大学院修士修了(MBA)。昭和57年退官後、衆院選立候補、以来当選4回。その間、自民党税制調査会副会長、自民党東京都連政務調査会長、財務副大臣、衆議員安全保障委員会委員長等要職を歴任。郵政民営化を問うた2005.9.11の郵政選挙で、筋を通して郵政民営化に反対して刺客小池百合子を立てられ落選。捲土重来を期している。現在、無所属。
http://www.kobachan.jp/

 

Photo_5  佐野 雄二 

 
昭和24年北海道美瑛町生まれ。中央大学法学部卒。宇宙論や超古代史、人類史について独自に研究。ビッグバン宇宙論の否定など、その大胆な仮説の斬新さと定説に囚われずに真実を見抜く洞察力、統合力には定評があり、主著「誰も知らない本当の宇宙」「日本人の脳と血液型のヒミツ」(以上、たま出版)の講演や、昨年11月「聖書は日本神話の続きだった」(ハギジン出版)を出版、日本とユダヤの古代史の繋がりの謎を追及。ユダヤに対抗し日本の人類史に果たすべき役割を訴え、日本の現状を憂い「日本の再建」と「日本型文明」の推進の為の「行動するシンクタンク『王道日本』」会  (URL:http://ameblo.jp/ohdoh/ )を設立。

日時・場所・詳細

日時 : 2009年6月20日(土) 13:00 - 17:00

場所 : 宮崎県東京ビル 1階会議室(60名)
千代田区九段南 4-8-2  TEL.(03)3263-5756

交通 : JR & 東京メトロ「市ヶ谷駅」 徒歩5分

地図 : 宮崎県東京ビルへの地図

参加費 : 4,000円(予約前払の場合:3,000円) 

振込先 : 三菱東京UFJ銀行 高田馬場支店/普通/0017342/名義 (有)王美  [(ユウ)オウビ] 

連絡先

ワールド・フォーラム例会にご出席いただける方は、下記宛にご連絡下さい。

ワールド・フォーラム代表幹事 : 佐宗邦皇
FAX : 03(3353)6499
携帯 : 090(7234)9792

E-mail : sasokunio2009@hotmail.co.jp

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2009年6月17日 (水)

郵政民営化とは、日本たたき売りの本軸である

_72_2   2005年10月14日、郵政民営化法案が成立したが、その成立過程は異常である。これは通常国会衆議院本会議で、わずか5票の僅差で可決、同参議院では17票の大差で否決され、同日、即解散した。そして9月11日の解散総選挙で小泉自民党は地すべり的な勝利を手にした。森田実さんや紺谷典子さんは、この解散を憲法違反の疑いが濃厚だと言っていた。小泉氏は「郵政民営化は構造改革の本丸だ」と連呼したが、その真の意味は「郵政民営化は日本企業を外資に叩き売る構造改悪の本丸だ」ということだった。

 現在では、心あるかなりの人が、郵政民営化が純然たる国内問題ではなく、実は「年次改革要望書」に基づいた、アメリカによる凶悪な対日収奪計画であることに気付いている。この対日要望書が発動したのは1994年からであるが、小泉元首相が郵政民営化を提起していたのは1992年であった。この先行性を以って小泉氏は彼の自論としてそれを掲げていたと言ったが、アメリカの対日収奪計画が要望書発動以前からできあがっていたことを思えば、小泉氏も竹中平蔵氏と同様に、宮沢政権時代に米国のエージェント化していた可能性は高い。

 小泉氏がエルビス・プレスリー宅前で、国辱的なパフォーマンスをしたことを思えば、彼がアメリカ好きの上、早くから郵政民営化を唱導していたことを、米国は目ざとく見つけて早くから接触していた可能性は高い。関岡英之さんは、竹中平蔵氏のように、外国のエージェントになって国内で買弁作業を行う連中をドメスティック・アライズ(domestic allies=国内の同盟者)と呼んでいた。

  我々が、聖域なき構造改革だ、りそな破綻だ、郵政民営化だと幻惑されていた裏で、外資は着実に日本の優良企業に浸透して行った。 「東京ライフスタイル」さんというブログを参照すると、著名企業に対する外資の持株比率、つまり外資の浸透度合いがよくわかる。

キヤノン47.3% 三菱UFJ銀行33.7% 三井住友銀行39.4% 新生銀行73.3% 武田薬品43.7% 花王49.5% HOYA54.3% ローム51.6% 富士フイルム51.1% 塩野義製薬41.5% アステラス製薬47.3% TDK44.6% ソニー50.1% ヒロセ電機39.3% メイテック44.1% コマツ35.6% 東京エレクトロン49.8% SMC49.3% 任天堂41.1% 村田製作所37.8% パイオニア37.8% 小野薬品35.0% エーザイ33.6% 日立製作所39.5% 三菱地所38.3% 三井不動産45.0% 大和證券37.1% 野村證券43.6% セコム43.3% 栗田工業37.3% 第一三共32.3% コニカミノルタ41.4% リコー39.0% 参天製薬36.3% コナミ30.0% 日東電工55.9% 信越化学36.3% ヤマト運輸31.2% JR東日本30.6% KDDI31.4% 三井化学29.7% 積水化学33.6% 日産自動車66.7% ホンダ35.5% スズキ35.7% ヤマハ発動機31.9% 京セラ34.8% 東京ガス32.7% オリンパス34.7% 大日本印刷34.2% NEC29.3%(共同通信 2007/10/31)

  このデータ時には外国人持株比率は平均28%、その後はサブプライムローン問題によって一時的に株価暴落があり、外国人投資家による日本株の性急な売りがあったが、それでも2008年3月時点の保有状況は約30%程度に増えていた。「株のブログ カブログ」さんを参照すると、この時期、外国人の持ち株比率が50%を超えていた主な企業は,日産自動車,ソニー(52.6%),HOYA,富士フィルム,ローム,日東電工などがある。

 
 キャノンの御手洗氏は経団連会長だ。発言力の大きな日本経団連(財界)の長が、外資比率半分以上のキヤノンを率いる時期もあるわけだ。恐ろしい話だ。この事実は日本人以外の外国人、特に米系外資が大企業の支配権を掌握し、会社法改正の規制緩和なども相まって、企業コード(コーポレート・ガバナンス)が「向こう側」の考え方に変えられているということだ。当然、それは会社の持続的発展や健全性を無視して株主配当が最優先になり、労働分配率の急激な変化をもたらした。もちろん国益志向など微塵もない。それまで日本人の努力の契機にもなっていた温情主義の要素はすべて消滅する殺伐たる雰囲気になっている。これは下請け企業にも浴びせられ、苛酷な要望が課せられている。新自由主義とは奴隷経済なのだ。

 「企業・団体献金の外資規制を緩和する政治資金規正法改正」(2006年12月成立)によって、これまで規制されていた外資比率が50%を超える企業からの政治献金が可能になり、キャノンやソニーのような外資比率の大きな大企業からの政治献金が増えた。恐ろしいことは、日本が新自由主義になる以前に跋扈していた「族議員」がほとんど消えて、その代わりに出現した“外資族議員”というハゲタカの御用聞きが増えていることだ。

 悪徳ペンタゴンの中に、こういう強力なニュータイプの“族議員”が出現し始めている事実は、これから日本経済を恒常的に蚕食し続ける直接の元凶的存在になるということだ。私が日本政治や経済を刷新するためには、小泉政権の本質を徹底的に見直す必要があると前から言っているのは、以上の強い理由があるからだ。

 小泉純一郎氏、竹中平蔵氏、宮内義彦氏、御手洗経団連会長などが主導した“聖域なき構造改革”の本質は、日本の優良企業や優良資産を抵抗なく外資に叩き売る最悪の国政だったということを日本人は悟るべきである。アメリカの隠然たる圧力に押されて実行した、この大きな社会改悪の流れの中で、郵政民営化という巨大な国家構造の改竄行為が行われた。

 郵政民営化こそ国家改悪の総本山である。西川善文日本郵政社長は、今日、社長続投の決意を表明した。これだけの不祥事があからさまになっているのに、この人物が堂々と続投意志を披瀝するのは、米国筋の強い後押しがあるからだ。西川氏が日本郵政という、二大ギガバンクを統括する権力を持つポジションに収まり続けるのは、アメリカの日本国富収奪計画を具現化する最前線にいるからなのだ。だから彼はこのポジションを降板できないのである。この事実を良く見極めた方がいい。

 国民は郵政民営化を見直すというよりも、なるべく早くこの売国計画を中止するように声を上げるべきだ。ゆうちょ銀行、かんぽ生命、郵政グループの持つ諸々の資産は国民の財産である。これが奪われようとしている。静観する時間はない。

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2009年6月16日 (火)

クルーグマンが消費税12%への引き上げを「実に危険な考え」と批判(小野盛司)

日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第173弾です)

 6月27日付けの週刊現代のインタビューでクルーグマン(昨年のノーベル経済学賞受賞者)は次のように述べている。(質問の順番は変えてある)

【記者】与謝野馨財務・金融・経済財政大臣は、消費税の引き上げを視野に入れています。「骨太の方針2009」の素案では、2011年から段階的に1%づつ消費税率を引き上げ、現在5%の消費税を最終的に12%にする。

【クルーグマン】実に危険な考えですね。消費税アップは、効果としては金融引き締めそのものです。これほど景気が悪い状況で実施するのは、バカげている。日本は'97年にも同じことをして手痛い目に遭ったのに、まったく教訓を得ていないようですね。いまは断じて消費税を引き上げるべき時ではありません。

コメント:全くクルーグマンの言うとおりだ。1997年、消費税率が2%だけ引き上げられた後には消費が減り景気が悪化した。当時の首相である橋本龍太郎は2001年の自民党総裁選において、消費税率引き上げは失敗であったとコメントしている。麻生さん、もっと経済を勉強して下さい。

【記者】麻生政権が行った一連の経済政策を、"通りすがりの被害者"を救済するものとしてどう評価されますか?3月から実施した定額給付金では、一人あたり1万2000円~2万円を各世帯に支給しました。

【クルーグマン】米国の犯した過ちを繰り返した点で、まったく理解できない政策です。米国では昨年、税金を払い戻す形での景気刺激策を実施しましたが、そのほとんどが貯蓄に回されました。実際に使用されるかどうか分からないおカネを細分化して配るより、まとまった大きな額でインフラ整備をしたほうが、景気対策としては結果は常に良好です。

コメント:前回、クルーグマンが定額給付金の評価を0点と言ったことが、マスコミでは、クルーグマンがあたかも景気対策に反対しているような印象を与えるように報道されていた。しかし、この発言ではっきり分かる。2兆円など小さすぎる。もっと大きな額で公共事業をやれと言っているのである。乗数効果は公共投資のほうがはるかに大きいので景気回復には、はるかに効果的だ。環境エネルギー政策、電柱の地下化、ハブ空港の建設、大都市のまわりの環状道路の建設など、緊急にやらねばならぬことをどんどん進めればよいではないか。

【記者】「日本は真の意味で復興の好機を逸した」ともおしゃっていますね。

【クルーグマン】ええ。'02年から'07年にかけての景気回復の最中に、日本は二つの側面でチャンスを逸したと捉えています。
 一つは、好調な輸出に引っ張られる形での好景気にあぐらをかいて、国内経済の基盤を盤石なものとする努力を怠ったことです。日本では'07年10月まで続いた景気回復を"戦後最長"ともてはやしていた時期があるそうですが、その実質はあくまで外需依存の輸出頼み。この時期にしっかりと内需を高め、他国の"財布"に頼らずにすむ状況を築いておくべきでした。

【記者】もう一つは?

【クルーグマン】デフレからの完全な脱却に失敗したことです。'06年3月の量的緩和政策終了、同7月のゼロ金利解除はまったくの失政で、日銀は通貨流通量を増やす政策を継続すべきでした。この時期に、すくなくとも2%程度のインフレ率を達成しておけば、日本はいま、まったく違った状況に置かれていたはずです。

 ・・・以下は筆者のコメント・・・
 全くクルーグマンの言うとおりである。02年から'07年にかけて輸出が激増した。
Photo

 これは一時的であり、朝鮮戦争の時の朝鮮特需に匹敵する平成特需とでも呼ぶべき状況であった。数十兆円もの外需拡大は、数十兆円の景気対策をやったのと同じ効果があった。だから景気がよくなるのは当たり前だったのだが、小泉・安倍・福田の3氏は構造改革だと称し、なんと最大限の歳出削減を行って、日本がデフレから脱却するのを阻止した。これは歴史的な大失政であり、本来なら歳出を思い切って拡大し、クルーグマンの言うように2%のインフレ率にまで持って行き、デフレ脱却をしておけばよかったのだ。参考までに朝鮮特需の際の輸出額と比べてみよう。

Photo_2

 これで分かるように、朝鮮特需も平成特需も同じようなものだ。朝鮮特需の際には、政府は歳出を最大限削減するなどという愚かな経済政策はとらず、特需が終わった後にも景気は拡大し、高度成長期へと続いていった。一方、平成特需が終わった後、馬鹿な首相は消費税の大増税を考えている。これだけ危険な政策は無い。多くの中小企業は潰れ、経済的に困った多くの国民を自殺に追い込む政策だ。

 平成特需は年間40兆円程度あったわけで、これが消えたのであれば、政府はそれに替わる40兆円レベルの景気対策をしなければならない。いや、この程度やってもまだデフレ脱却も難しい。それにプラスアルファが必要だということだ。これをやれるのは、国民新党か清和会しかいない。経済を理解している議員達よ、立ち上がれ!政界再編で団結せよ!このままではクルーグマンが言うとおり失われた25年になってしまう。

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小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス

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2009年6月15日 (月)

日本郵政社長は郵政グループの総司令官である

 日本郵政社長の西川善文氏の人事問題は、単なる民間会社の取締役社長の適任・不適任問題ではない。国民は国営だった郵政事業が、民営化で四事業に分割されているということに目くらましされて、肝心なことを見落としているような気がする。

 それはこういうことだ。今回俎上に上げられ、鳩山総務大臣の罷免にまで発展した西川人事問題は、悪徳ペンタゴンに属している人々を除き、ほとんどの人は会社の最高責任者の経営責任を総務大臣が問いかけていたという見方をしている。表層的にはその通りなのだが、実は、この日本郵政の人事問題の属性はとても巨大な内実を含んでいる。

 ところが、この巨大は内実を伴った背景は、小泉純一郎氏や竹中平蔵氏、その他、経済諮問会議の数名の怪しいごり押しによって実現した「四分社形態」によって、人々の目から完全に逸らされている。下図は郵政民営化の概念図であるが、これを見れば日本郵政株式会社の位置がよくわかる。

350pxpostal_service_privatization_2

 日本郵政株式会社とは、郵便局株式会社・郵便事業株式会社・株式会社ゆうちょ銀行・株式会社かんぽ生命保険などからなる日本郵政グループの持株会社である。国営だった郵政三事業が四つの会社に分離されたが、この四会社をすべてを統括する位置にいるのが日本郵政である。日本郵政グループの持株会社ということは、これら郵政グループ会社すべての社内ガバナンスも日本郵政が統括しているということだ。

 言い方を換えれば、日本郵政とは、郵便局、郵便事業、ゆうちょ銀行、かんぽ生命を完全に掌握するヘッドクォーター(headquarters=司令部)なのである。例えは不適切かもしれないが、日本郵政はGHQ(General Headquarters=連合国最高司令官総司令部)に似ていて、これらの四会社を統括できる支配権を持っている。国民が意識していないことはその部分である。

 つまり、西川善文氏の位置は、民営化され、分割化された郵政グループの総司令官であり、GHQのマッカーサーの位置にある。問題はこの四つの会社の中にある、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の二つの金融会社である。西川氏が総帥であるということは、彼の権力範囲が、合わせて340兆円という莫大な資金を持つこの二つの会社も支配しているということになる。郵政民営化を企んだ米国政府や米系国際金融資本(主にゴールドマン・サックス)は、この巨大金融会社二社が株式上場され、それが外国資本に51%以上ずつ円滑に売買されるまで責任を持って見守る役目を負わされていると考えることが合理的である。

 2007年の郵政民営化の始動とほぼ時を同じにして、行われたのが会社法改正としての「三角合併解禁」である。郵政民営化のスタートは2007年10月であったが、もともとは4月の予定であった。三角合併解禁は同年の5月である。これが何を意味するかと言えば、ゆうちょ資金とかんぽ資金を狙う外国資本のために道を整備することである。四分社形態は経営効率のためではなく、外国資本が参入するための絶対条件だった。あとは西川社長がなるべく早く株式の上場を実現すれば、収奪計画を遂行する舞台が完璧に整うわけである。

_72_2  現在は株式上場をいつやるかという最終ステージにいたっている。だからこそ、鳩山邦夫総務相が結論付けていた西川氏更迭は、外資や悪徳ペンタゴンにとって、あと一歩でゴールのところを邪魔された形になったわけである。これに怒った横田幕府(日本総督府)は麻生首相を脅かしたというのが真相だと私は思っている。

 この文脈以外に、悪徳ペンタゴンが西川氏続投に必死にこだわる理由を思い当たるだろうか。今の段階では、政権交代をして民主党に権力を与え、国民新党がかねてから提案している郵政株の凍結を急いで行うことである。解散総選挙前に西川社長が株式上場を強引にやるとは思えないが、こういう情勢下では何が起こるかわからないから、国民は西川氏の行動を睨みつけておく必要がある。

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鳩山総務相更迭には正当性がない。党内世論はコンプライアンスを放棄した

 6月12日、鳩山総務相が辞任したが、これは事実上の罷免である。内閣総理大臣の罷免権行使だ。12日午前、麻生首相は鳩山邦夫総務相を呼びつけて会談し、鳩山総務相は存念をすべて述べたそうだ。同日の午後、鳩山氏は辞任を表明し首相はこれを受理した。首相は西川氏に謝罪させるから、それで手を打ってみてはどうかと打診したようだが、鳩山総務相は 、「謝罪するのは私にではなく、国民に対してだ」、また、(「かんぽの宿」の破格安値一括譲渡問題に関し、)「国民共有の財産が棄損されることを絶対許してはならない」と、一貫した態度でそれをはねつけたらしい。

 表のマスコミは、そこで麻生首相は泣いて馬謖(ばしょく)を斬ったという感じで伝えている。党内意見の不一致を、これ以上助長するわけにはいかんという話だ。「泣いて馬謖を斬る」というのは、かの有名な「三国志」の故事から出ているが、その意味は、信頼している部下でも、掟(おきて)や規律を破ったら私情を挟まずに罰することが肝要だという意味だ。メディアが鳩山総務相辞任のニュースを流す時、盟友の麻生氏が“党内正義のために泣いて馬謖を斬った”というイメージ付けが為されている。

 その意味づけは、郵政民営化という「不変の党是」を否定する党内反乱分子を鎮めたということだが、実はその文脈から鳩山総務相を罷免する正当性はあり得ない。なぜなら、鳩山総務相のやっていた西川糾弾は、総務大臣としてごく当然のルーティンワークに沿ってやっていただけのことだったからだ。鳩山氏は自分は民営化に反対した覚えはないと言っている。彼がやっていたことは、西川氏の「かんぽの宿」不正運用疑惑や、東京中央郵便局の取り扱い問題、障害者郵便割引不正問題などで、日本郵政社長の適性不適性を追及していたのだが、彼の指弾根拠はまっとうであり、きちんと「日本郵政株式会社法」に則ってやっていただけだった。

 ところが、これに対する構造改革推進派の党内世論は、鳩山総務相が民営化に逆行する動きをしていると言って、本質を外れた批判をした。鳩山氏を批判していた構造改革派(清和会系党員)こそ憲政、つまり立憲政治の常道を逸脱した不逞のやからだということになる。マスメディアはこの事実を伝えず、党内意見の不一致を総理権限で解消したという文脈で報道している。

 この自民党の動きを、国民が少し冷静になってみれば、こういうことがわかる。鳩山氏は日本郵政株式会社法に明確に謳われる、監督官庁の長として、西川氏の運営様態に疑問を呈して追及した。ところが、党内世論はこれを、民営化を逆行させる動きととらえて、一方的に押しつぶした。鳩山氏の言った正義を貫くという姿勢は、日本郵政株式会社法に準拠する正当なものである。ところが、自民党がこれにとった態度は、郵政民営化は問題や不正が生じても、けっして見直しもしないし不正も追及しない不可触領域なのだと断言したようなものである。

 そんな馬鹿な話があっていいのだろうか?この現象を子供にどうやって説明するというのだろう。法律に基づいて総務大臣が然るべき調査をした結果、日本郵政の社長は留任させないという結論に至った。それを遂行しようとした矢先、郵政民営化推進派は、日本郵政株式会社法の効力は完全に無視したまま、鳩山大臣を罷免させる方向に動いた。すると国民はこの件に対して、素直にこう思うだろう。

 曰く、郵政民営化とは、「日本郵政株式会社法」という、それを規程している法律を守らなくても正当性が保てる“超法規的構造改革”なのか、郵政公社を民営化に移行していく段階で、どんな悪事が露見しても、見直しもできないし、民営化した会社の社長を解任することもできない。日本郵政株式会社の西川社長に対し、監督官庁の最高責任者が「日本郵政株式会社法」の九条にはっきりと規程される監督権限を行使しようとしたら、自民党の党内力学は、総理を動かして監督官庁の大臣をいきなり罷免した。

(取締役等の選任等の決議)
第九条  会社の取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない

  麻生首相が記者団に語ったことは、「政府と郵政会社の間に混乱が生じたような印象を与えたのははなはだ遺憾だ。早急に解決されてしかるべきだった」と説明したが、この問題は日本郵政と政府間のパーセプション・ギャップではなく、総務大臣の法に基づいた権限行使を、党と総理大臣がよってたかって無効化してしまったという由々しき事態を示している。つまり、自民党と麻生首相が法の遵守を無視したということになる。

 鳩山邦夫氏を総務大臣に任命したのは麻生首相である。その総務大臣を解任できるのも麻生総理の権限であるが、それには然るべき理由がなければスジが通らない。「政府と日本郵政の間に混乱が生じたような印象を与えた?」というのはまったく説明になっていない。混乱が起きたのは鳩山総務相の指弾姿勢に由来しているのではなく、日本郵政側と自民党主力勢力が、鳩山総務相の正当な追及にゆえなく反駁したからである。

 問題は、鳩山氏を非難した構造改革派勢力に、西川氏更迭の反対理由がないからだ。西川氏を更迭すると、郵政民営化が逆行、ないしは遅滞するという理由は筋違いであり、まったく理由になっていない。どんな悪事が露見しても、郵政民営化は休まず弛(たゆ)まずに前進することが最優先される、だから西川社長は解任できないなど、まったく理由になっていない。

 何度も言うが、鳩山氏は日本郵政株式会社法に依拠して大臣の任務を遂行していただけだ。郵政会社の監督、認可権は監督官庁大臣の専権事項であるから、不審なことを発見した場合は監督権を行使するのは当たり前だ。それをしないと大臣ポストに就いた意味がない。

 この一連の自民党の動きに、良識ある国民が「ああ、なるほどな、そうなることはよくわかる」などと納得するはずがない。つまり、今回の鳩山総務相罷免の件は、総理大臣が超法規的措置を講じて、日本郵政の悪を見て見ぬふりをしたことになる。そんなことを敢行しなければならない理由も正当性もない。法に準拠した鳩山総務相と、何の理由も提示できない総理大臣では政治行為の妥当性に天地の差があるのだ。

 国民は鳩山総務相に百パーセント正当性があることを見抜いていると思う。「かんぽの宿」問題は、総務相権限でまだ追及途上だったわけだから、これを間違った党内世論を真に受けて強引に潰してしまったというのが、麻生首相の政治判断だったことになる。郵政民営化のペテン性を初期から見抜き、果敢に追及してきた城内実さんは、今回の鳩山総務相罷免には財界の圧力があったからだとブログで書いている。政治家の情報が入る城内さんの情報であるから信憑性は高い。しかし、財界スジであろうと、アメリカスジであろうと、今回の総務大臣罷免は完全に無理スジの動きである。

  泣いて馬謖(ばしょく)を斬ると言うが、この件では鳩山氏には非はない。間違っているのは麻生首相や自民党にほかならない。首相は、西川善文氏が鳩山邦夫氏に謝罪することによって、西川氏の続投を確保し、盟友・鳩山氏の閣僚身分を守ろうとしたのだろうが、この設定自体がありえない話だ。麻生首相の打開策は、客観的にみて完全に的外れであり、およそ正常な政治的行為を逸脱していた。上述のように、麻生氏が取りうる唯一の正しい政治判断は、西川氏を鳩山氏の意向に沿って総理権限で糾弾するという選択肢しかなかった。

 元来、盟友というのは政治的考え方がベースにおいて等しい間柄を言う。政治の志(こころざし)の部分で共有感覚を持っている同志の意味合いが強い。本来、盟友は堅く誓い合った友を言う。麻生氏と鳩山氏の場合は、鳩山邦夫氏が麻生首相の実現に尽力したこともあり、政治への取り組み方も、かなり共通した仲間と言えるだろう。そのことは、鳩山氏の「かんぽの宿」譲渡問題の追及や、麻生氏の四分社化見直し発言に明瞭に見て取れた。明らかに彼らは意を合わせて郵政民営化を基本のところで見直すところまで持って行きたい様子が見えていた。

 2月初めから中旬頃まで、この二人は強力なコラボ体勢をとって党内世論を自分たちに引きつけたが、いつの間にかそれは影を潜め、3月に至っては完全に揉み消し状態になっていた。ところが、この沈黙を破って鳩山総務相は再び西川氏を糾弾し始めていた。そしてまた鳩山氏の正義の糾弾は潰された形になっている。しかし、鳩山氏の功績は人々が考えている以上にはるかに大きい。

 悪徳ペンタゴンの勢力はマスメディアをフル動員して、「かんぽの宿」問題を国民の目から逸らし続けていた。しかし、国民がこの誘導報道、洗脳報道にすっかり取り込まれそうになった時に、鳩山氏は再び「かんぽの宿」問題に国民の目を向けたのである。この覚醒効果はそうとうに大きいと見ている。少なくとも、自民党のある勢力が、国民から隠したい大きな悪事が、郵政民営化には内包されているのではないかという、一つの大きな疑念を国民が抱き始めたことは確実だ。「正しいか、正しくないか」ということに、党内多数決原理を適用し、結果的に正しくないことが是認された形になってしまった。こんなことは狂気染みている。

 何度も言うが、西川義文氏が超法規的措置で守られてまでも、日本郵政の最高ポストに居座り続けなければならない理由とはいったい何であろうか?

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2009年6月13日 (土)

国民はいつまで「政府試算」に騙され続けるのか(小野盛司)

日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第172弾です)

 今週の火曜日(6月9日)の新聞には骨太09素案として、財政再建2020年に先送りという記事が踊った。これを見て、マスコミは本当に馬鹿だな、いつまであのデタラメな政府試算(=大本営発表)に騙され続けるのだろうとため息が出てしまった。

 中川秀直元自民党幹事長も日本経済復活の会の会合で言っておられた。内閣府の試算は当たった試しがないと。多くの人は内閣府試算が、全くのデタラメだと知っている。我々は、あの試算の嘘を暴くために、当時の経済財政担当大臣の太田弘子氏に公開討論会を申し込み当時の福田首相も了承したのに、討論会当日になって、太田氏は逃げてしまった。彼女は学者だから、あの試算がインチキだとよく知っているから逃げたのだ。

 今回の内閣府の試算に、またまたマスコミがすっかり騙されている。骨太06方針では、2011年度には基礎的財政収支が黒字化し、財政が健全化の第一段階が完了することになっていた。これは2006年1月の内閣府試算『改革と展望』で示された試算に基づく国家目標となり歳出は最大限削減され、国民はひどい目にあった。しかし、あの試算を専門家が見れば全くのデタラメであり、緊縮財政でデフレを続けたままで2011年に基礎的財政収支の黒字化など、絶対にあり得ないことは一目瞭然だったのだ。逆に積極財政で景気の本格回復を図れば黒字化は容易に達成できたことは、多くのエコノミストによるモデル計算で示されている。

 残念ながら小泉首相やマスコミや多くの政治家達が、あのインチキ試算に騙されて骨太06方針を国家目標として、デフレ下で財政支出を最大限削減するという無謀な政策を強行した。世界の景気が予想以上に悪くなったので、日本の財政も悪化して予想がはずれたのでは決してない。2007年頃には、世界の景気はこの30年で最もよいとまで言われ、輸出が2倍くらいまで伸びたのだから、普通の政策をやっていたら、デフレ脱却どころか、財政収支などあっという間に黒字化したはずなのだ。いかに内閣府の経済モデルがデタラメかということは、毎年大幅下方修正を行っていることから良く分かる。

 2011年度の基礎的財政収支はどうなるのかについての予想が毎年下方修正が繰り返されてしまったかをまとめてみよう。

①2006年1月  黒字化可能と発表
②2007年1月  黒字化は不可能、しかし14.3兆円の歳出削減を行えば0.2%の黒字にできる。
③2008年1月  14.3兆円の歳出削減を行っても、0.1%の赤字になる。
④2009年1月  2011年度の基礎的財政収支は2.9%の赤字
           消費税を12%にすれば、2020年度に黒字になる。

 3年連続で大幅下方修正となった。要するに計算は全く正しくなかったということだ。デフレ脱却できなければ財政再建などあり得ないことがはっきり示された。今回の発表で財政再建が2020年に先送りされたかのようにマスコミは報じている。このインチキ試算に、また騙されてしまうのだろうか。

 インチキ試算をこれだけ毎年見せられて、まだこれを信用しようという馬鹿な連中がいるのが不思議でならない。人間は3回騙されれば、そろそろ次もまた騙されるのではないかと気付くのが普通だ。内閣府が騙したのは3回だけではない。毎年だ。例えば2002年の試算(改革と展望)では2年後の2004年の名目成長率は2.6%と予測したが、実際は0.9%だった。

 2003年度は2年度の名目成長率を1.5%と予測したが、実際は1.06%、2004年度は2年後の名目成長率を2.1%と予測し、実際は1.66%、2005年度は2年後の名目成長率を2.6%と予測し、実際は0.56%、2006年は2年後の成長率を3.7%と予測、実際はマイナス3.6%だった。6年連続下方修正ということは、このような試算は全くデタラメで意味を持たないということだ。

 天気予報でも、雨が降っているとき、明日は晴れると6日連続で言って、それが全部はずれなら、誰も信用しなくなるだろう。こんな馬鹿な「見通し」をやるくらいなら、「2年後の成長率は昨年の成長率と同じ」と言った方が的中精度は飛躍的に上がることになる。

 今度またこの試算に基づいて「骨太方針09」を作るのだそうだ。2020年までこんな馬鹿な試算に騙され続けようと言うのですかと言いたい。今度出された試算(経済財政の中長期試算)は消費税を12%にして2020年度に基礎的財政収支を黒字化しようというものだが、一見して、国民を騙そうとしているのが分かる。笑ってしまうのは消費税を上げれば上げるほど経済成長率が上がると結論づけていることだ。

 この試算の9頁の表を見ていただきたい。2020年度の実質成長率は消費税引き上げ幅が3%なら1.0%、5%なら1.1%、7%なら1.3%だ。こんなに素晴らしい結果になるなら、消費税を1000%くらいししたら、ものすごい成長率になるに違いない。

 国民を騙すにもほどほどにしてもらいたいものだ。景気が少し良くなったからと言って、橋本さんが消費税を2%上げたら、景気は急降下したことを覚えているだろうか。消費税が上がれば、それだけ可処分所得が下がり、買いたい物が買えなくなるから消費は落ち込み景気は悪くなる。消費税を上げたら、景気がよくなるという経済モデルがあったら、それは使いものにならないということだ。デフレで売上が伸びす、中小企業は大変苦しんでいる。利益が出て、その中から法人税を持って行かれるなら仕方がない。しかし、消費税は赤字でもかかる。消費税が5%が12%に引き上げられたら、どれだけの中小企業が生き残ることができるだろうか。デフレ下の現在、利益の何割かではなく、売上の12%も持って行かれたらかなりの中小企業は潰れる。

 内閣府は何を血迷っているのか、私は内閣府に電話して聞いた。そうしたら驚くべき答が返ってきた。消費税を上げた替わりに社会保障費を増やしているから、逆に景気はよくなるのだそうだ。それなら「消費税を何%上げたとき社会保障費を何兆円増やす」と書いておかねばならないはずだ。これを隠して、あたかも消費税を上げたら景気がよくなり、財政も健全化するかのごとく発表するのは、まさに国民を騙そうとしているとしか言いようがない。

 こんな欺瞞的な試算に騙され続けるのを、皆さん我慢できますか。この試算で、2020年までの日本経済の運命が決まってしまうのですよ。

 経団連が消費税を上げることに固執するのには理由がある。輸出企業は消費税が上がれば上がるほど儲かる税の仕組みがあるからだ。知り合いから、そのことを説明したホームページのアドレスを教えてもらったので紹介する。
http://sun.ap.teacup.com/souun/148.html

 このことは、私は何年もまえから政治家達にも話している。政治家も知らない。経団連の会長がトヨタやキャノンの社長なら、当然消費税増税に大賛成でしょう。

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小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス

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2009年6月12日 (金)

西川氏続投は、ゴールドマン・サックスの郵政資金収奪プロジェクトの中心にある!!

○急進的構造改革派による鳩山大臣排撃の動き

  自民党の中川秀直元幹事長は、政府が日本郵政の西川善文社長の続投を認めなかった場合、「そうなれば本気で戦わなくてはならない」、「鳩山さんが政治信念を持ってやるなら堂々と内閣を去るべきだ」と強硬である。また武部勤元幹事長も、「西川社長をクビにするなら、自民党の中のマグマが爆発する。経済界もそうだ。国民が支持した平成17年の郵政選挙が否定されるようなことは許されない。(更迭なら)そこで何か起こる感じがする」と言ったそうだ。二人の言い草は穏やかではない。

 両者の言い分にも呆れるが、開いた口が塞がらないのは、自民党の大島理森国会対策委員長だ。彼は鳩山総務相が西川氏の続投に反対していることに、「『私が正義』と、あまりにこの問題を個人的な問題にしすぎている。そういう言は慎むべきだ。ステレオタイプ化した単純な政治はもうやめるべきだ」と述べた。これが国体委員長を務めるような政治家の言うことだろうか。西川社長更迭問題を鳩山大臣のスタンドプレー(個人的範囲)だとして矮小化することは異様だ。

 今、問われていることは、日本郵政の総帥が社会ルールや法律上で、どのような不祥事を起こしたのかなのである。それについて言えば、たとえば日本郵政株式会社法の第九条に、「会社の取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない」など、ざっと目を通しただけでも総務大臣の監督権、認可権が書かれている。こういう強力な監督権を有する鳩山総務大臣が、西川氏の経営様態に疑念を感じたとしたら、徹底的に調査した上で然るべき命令を下すことができる。鳩山大臣はそれを忠実に実行しているだけである。

  ○彼らが西川氏続投に強硬にこだわる理由とは!?

 それにしても奇妙である。西川社長の更迭問題は、社長が経営上の不始末をしでかしたかどうかを問題視するものであって、不正なことがあれば最高責任者を新しい人物に取り替えるだけの話だと思う。西川氏は社長とは言っても、純然たる民間会社の社長ではなく、郵政関連株が百パーセント政府所有であるから、経営的には国営会社の社長である。だから、監督官庁の鳩山大臣の監督権限は絶対である。その意味では、西川氏に担当大臣による解任権の行使を無視することはできないはずである。

 それでも、西川氏本人はいたって強気で留任する気でいるが、これも奇妙なことだ。彼が小泉純一郎一家の信任を得て現在のポジションに就いていることは周知の事実であり、構造改革派のバックアップがあるから強気でいられると一般には思われている。しかし、それだけではないはずだ。彼はゴールドマン・サックスと太いパイプができているから、そのポジションに就いたと私は考えている。小泉政権では米国政府が隠然たる力を持って竹中平蔵氏をバックアップしたのと同様に、西川義文氏も米国政府のお眼鏡に叶った人物だということである。彼の現在の強気は、構造改革派だけではなく米国の後押しがあるからだろう。

○西川氏続投は郵政民営化収奪プロジェクトの必須遂行条件である

 さて、中川秀直氏も、武部勤氏も、西川氏の更迭を死に物狂いで阻止しようとしているが、両氏が共通して表現していることは、西川氏を更迭することは郵政民営化改革の後退であるというイメージだ。しかし、彼らの本音は別にあると見なければならない。彼らが異常なほど西川氏の続投にこだわる理由は何だろうか。そのことは、西川氏が抜けた後に、構造改革派の彼らにとって、何か非常に困る事態が生じることを強く暗示しているとしか思えない。その困る事態とは何であろうか。そこで、私の大胆な推測を述べてみよう。それは西川善文氏の過去の来歴から容易に導き出されることである。

 西川善文氏は1961年に住友銀行に入社し、1997年には頭取になった。住友銀行一筋のバンカーであった。2001年にはさくら銀行を合併してできた三井住友銀行の初代頭取になり、三井住友フィナンシャル・グループの社長でもあった。2005年に退任した。西川善文氏の著書「挑戦ー日本郵政が目指すもの」を読んでみたら、68ページから70ページにかけて、きわめて興味深い話が書いてあった。この話はジャーナリストの佐々木実氏が、月刊現代2009年1月号に書いてあった「小泉改革とは何であったのか」に書いていた重要なエピソードと見事に附合するものだ。上記著書を参考にすると、

 2003年3月、ゴールドマン・サックスは三井住友フィナンシャル・グループへの巨額増資を引き受けた。ゴールドマン・サックスと住友銀行は長年にわたり親密な関係を保ってきた。

 西川氏は言う。2002年の夏ごろから彼は、ゴールドマン・サックスと交渉を始め、1500億円の第三者割当増資と、海外公募による3500億円の増資を、都合5000億円をいずれも優先株の形で引き受けてもらうことを頼んだ。交渉がまとまった時は、ゴールドマンサックスのCEO(最高経営責任者)のヘンリー・ポールソンと、COO(最高執行責任者)で、ニューヨーク証券取引所を運営するNYSE グループCEOのジョン・セインの二氏が西川氏のもとに来て、「西川さんを信じてゴールドマン・サックスは増資に応じるのです」と言ったそうだ。

 ポールソンは当時のブッシュ政権の財務長官であり、セインは後にニューヨーク証券取引所のCEOになったそうである。この二人はブッシュ政権と繋がっていたウォール街の金融エスタブリッシュメントである。西川氏はこの時のことを、「厳しい取引を行う米国のインベストメント・バンカーがこういう判断をするものだろうかと、この時のことは大変印象に残っている」と書いている。あとで理由を述べるが、西川氏のこの感想は嘘だろう。

 さて、この記述は月刊現代の佐々木実氏の記述と完全にオーバーラップする。ただ、重要なことは、ここに竹中平蔵氏の存在はいっさい出てこない。西川氏がゴールドマン・サックスのCEOとCOOの二名と、2002年の夏ごろから翌年の1月にかけて数回会ったとして、その中の12月11日の会合には竹中平蔵氏が加わっていたということである。月刊現代の佐々木実氏の記事を参照すれば、「竹中平蔵・三井住友銀行・米系国際金融資本のトップ二者」という三者密談が行われたことになる。竹中氏がそのほかにもその会合に加わったかどうかはわからないが、この三者は何を話し合っていたのだろうか。

 ○巨大な見返りを見込んだ5000億円増資

 ゴールドマン・サックスと言えば世界最大級の投資銀行である。そこの最高経営責任者が、西川氏といくら長い親交があったとは言え、非人間性を常とする地獄の国際金融業界(ビジネス)において、西川氏の人柄を見込んで5000億円の増資に応じるなどという話があるはずがない。5000億円と言えば0.5兆円だ。この時期に、そのような大金をアメリカの国際金融資本が融資するはずがない。2003年の3月と言えば、3月危機と言われ、日経平均株価が8000円を割り込んだ時期であり、りそなショックが至近距離に近づいた時期でもある。

 その最悪の株式市況で、世界最大の国際金融資本が何の目算もなく5000億円の投資をするはずがない。この融資には、その数十倍、数百倍の見返りを確実に見込んだ裏の計画が進行していたことは明白だ。

 ではその巨大な見返りとは何だろうか。それこそが日本の郵政民営化であり、340兆円のゆうちょ・かんぽ資金の市場開放プロジェクトであった。ここで、竹中平蔵氏の存在が重要になってくる。これ以降は私の推測であるが、「竹中平蔵・三井住友銀行・ゴールドマン・サックスのトップ二者」の密談では、西川善文氏を日本郵政株式会社のトップに据え、四分社化によるゆうちょ株式会社と、かんぽ生命の株式上場までの道のりを整えて置くことが話し合われたに違いない。

 ここで竹中平蔵氏の役割は、2007年の4月に四分社化を実現して、郵政民営化を無事にスタートさせることであった(実際は生田正治氏の抵抗によって10月に延びたが)。一方、西川善文・三井住友銀行頭取の役割は、分割民営化された郵政事業を統括する日本郵政のトップに収まり、「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の株式をそれぞれ半分以上、つまりゴールドマン・サックスが経営支配権を持つまで買わせる計画ではないだろうか。それまではその計画が円滑に行くように、西川氏が日本郵政の舵取りをする必要があるのだろう。

 2002年夏から、2003年1月にかけて行われた、西川氏とゴールドマン・サックス二名の三者の会談、及びそれに竹名平蔵氏を加担させた四者の会談では、四分社化と株式上場までの基本計画がじっくりと話し合われたと思う。郵政三事業を、いったんバラバラにしたうえで、アメリカの垂涎の的である郵貯と簡保は、全株を市場に放出する形に持って行く必要があったわけである。

  ○日本郵政に巣食う売国プロジェクト・チーム

 参考までに、「岸田コラム」というブログを見ると、2004年当時、小泉純一郎氏に四分社化を迫ったのは、竹中平蔵氏と経済財政諮問会議の四人の民間議員だったと言う。詳細はそのサイトをご覧になってもらいたいが、その四人は経済財政諮問会議の民間議員である、牛尾治郎(ウシオ電機会長)、奥田碩(トヨタ自動車会長)、本間正明(大阪大大学院教授)、吉川洋(東大大学院教授)である。この四人は小泉政権の終焉とともに退陣したが、この中から二人は日本郵政の役員になっている。それは牛尾治郎氏と奥田碩氏だ。

 となると、牛尾氏と奥田氏は、2004年当時、竹中氏とともに四分社化を小泉元首相に強く進言しているから、西川善文氏と気脈を通じる売国プロジェクト・チームのメンバーと考えて間違いないだろう。これに取締役兼代表執行役副社長の高木祥吉氏が加わる。日本郵政の役員の中には、まだゴールドマン・サックスの走狗がいると思われるが、彼らを統括しているのが西川善文氏と考えて間違いないだろう。

  ○最後に

 ここまで説明すれば、冒頭に書いた急進的構造改革派が、どうして西川氏の続投に熾烈に固執するのか、その理由がわかったと思う。ゴールドマン・サックスから直接、郵政資金の収奪計画をもたらされた西川氏が抜けると、この売国チームは上手く機能しなくなる可能性があるからだ。中心人物の降板は、郵政民営化の裏の計画遂行が狂わされることになりかねない。

 西川氏更迭は、国際金融資本による郵政資金の収奪計画が挫折する危険を孕んでいる。ここから導き出される結論は、彼らが真に恐れることは、郵政改革の後退などではなく、ずばり「四分社形態の見直し」と「株式の相互持ち合い復活」なのである。これをやられたら収奪計画が挫折してしまうのだ。だからこそ、売国プロジェクトチームは、麻生首相の四分社化見直し発言に強く反応したのだ。

 鳩山総務相の西川社長糾弾は、想像以上に爆弾的パワーを秘めている。「かんぽの宿」一括譲渡問題を究明していくと、最終的には、郵政民営化の根幹の問題を暴き出してしまう可能性を孕んでいる。それはとりもなおざず、小泉・竹中構造改革の是非論が問われることであり、郵政民営化という国家構造の激変を伴った組織替えが、果たして、国家的にどういう意味があったのかを国民に問いかけることになる。国民はこれ以上、悪徳ペンタゴンの姦計に騙されないように、目をしっかり見開いて、日本を売り渡す売国奴たちを糾弾しなければならない。

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2009年6月11日 (木)

基礎収支黒字化、消費税12%が前提。そんな馬鹿な!!(小野盛司)

  (日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第171弾です) 

 本日(6月10日)の新聞各紙に消費税12%としての内閣府の試算が載った。何と2011年度から1%ずつ上げるという暴挙だ。内閣府から発表があったので、その試算結果を少し紹介しよう。色々前提を変えて計算してあるので、最も標準的なものとして①世界経済順調回復シナリオで14.3兆円歳出削減のケースでの名目GDPの推移を次に示す。

Gdp

 2007年度に515兆円あったGDPだが、2008年度に496兆円、2009年度に481兆円、2010年度に479兆円と、断崖を滑り落ちるかごとく日本経済は縮小していくという恐ろしいものだ。これまでの経験では内閣府のモデルは、大本営発表であり、実際の経済はこれより必ず悪くなった。それを考えると、恐ろしい結果だ。

 これで分かるように、2010年度はまだマイナス成長が続いており、どん底の状態であるという予想だ。内閣府に電話で聞いてみたら、2008年1月には需給ギャップ(経済の供給力と現実の需要との間の乖離を指す。需給ギャップが大きいほど厳しい不況を意味する)は2%程度だったが、2009年、2010年は7~8%に達するほどの大不況だ。

 もちろん、2010年度と言えば、2011年3月までだから、2010年度のGDPが発表になるのは2011年の中頃だ。2011年度から消費税増税ということは、2010年には準備しておかねばならない。このような試算を出すということは、政府は大不況のまっただ中に消費税増税に踏み切ろうというのか。

 グラフから分かるように、GDPが2007年度の水準に戻るのは、実に7年後の2014年度だ。いや騙されてはいけない。消費税を上乗せすれば見かけの取引は消費税分だけ多くなる。だから本当に元の水準に戻ったと言えるか疑問だ。平均賃金はピークだった1997年に比べ随分減っている。もしも消費税増税となれば、更に生活は苦しくなる。どんなに消費税を増やしても、国の借金は返せるわけがない。やるべきことはその逆だ。お金を刷って国民に配る、つまり減税だ。それで需要を伸ばし、国民を豊かにすれば、国も豊かになってくる。

Photo

 基礎的財政収支を2011年に黒字化するという馬鹿な目標を立てたために、日本経済は一気に縮小し、日本は貧乏になってしまい、国の借金は減りはしなかった。日本は同じ間違いをまた繰り返すのだろうか。

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2009年6月10日 (水)

郵政民営化は根本から見直さないと国家崩壊の引き金になる

 今から思えば、2004年、あるいは2005年当時、どの政治家が郵政民営化の危険性や、国民を毀損するその悪質なペテン性を語っていたか、思い出す。かなりヘビーに指摘していたのは荒井広幸議員だった。2005年9月11日総選挙直前に、荒井氏がテレビのインタビューやニュース番組に呼ばれた時、彼が最も言いたかった内容を喋らせてもらえなかった場面は、今も印象に強い。彼も徹底的にピエロ扱いを受けていた。唯一、小泉バンザイで電波太鼓もちの山本一太議員だけが、異常な憎悪を荒井議員に向けていた。

 実は、荒井氏は当時、郵政民営化の危険性を真っ向から俎上に上げていた。テレビや新聞等の大手メディアが相当要注意人物にしていたようだった。当時、荒井広幸氏や小林興起氏に、郵政民営化の問題点を思う存分テレビや新聞が伝えていたなら、あの選挙の結果は違っていたと思う。悪徳ペンタゴンのメディア戦略がいかに凄まじかったか、それがいかに奏功したか、当時の報道状況を思い起こせば戦慄が走る。

 荒井氏は郵政民営化の危険性について、二つの大きな懸念から説明していた。一つはユニバーサル・サービス低下や地方局存続問題など、地域インフラ崩壊の心配、もう一つは郵政が保有する350兆円の郵貯・簡保資金の市場への露出が外資の格好のエサになる危惧である。テレビや新聞が徹底して討論させたのは、地域インフラとしての郵政民営化であった。それはテクニカルタームとしての話であり、充分本質的な論議がなされたとは思えないが、とにかく郵政問題を地域サービスの問題に矮小化していることが露骨に見えていた。

 荒井氏はこの時点で本質的な問題点を提起していた。郵政民営化にあたり、郵便貯金法と簡易保険法が廃止され、郵貯は銀行法に、簡保は保険業法に組み込まれることは、郵貯・簡保資金を米国に差し向けることだと断言している。郵政事業の適用法律体系の変更、竹中平蔵氏はこれを「イコール・フッティング」だと言っていたが、これこそが年次改革要望書に謳われるアメリカの本音であった。三事業一体とは、具体的には郵貯、簡保、郵便という三事業が会計的に有機的に接続・連携していることである。四分社化とは、その一体化会計が各自独立することによって、バラバラに完全分離することである。

(A)ここで、経済に詳しくない私のような者でも容易に想像できることがある。三種類の異業種が互いに歩み寄って、一つ屋根の下で協働して事業活動をしていた。彼らはそれぞれに会計をオープンにして一体化し、三事業一体会計でひとつの営利活動を行い、それぞれが補完的に助け合うことで全体としてよい営業活動が行われていた。当然株式の持ち合いもしっかりと組み込まれていた。会計の一体化と株式の持ち合いがあるところに、外部の会社は乗っ取りを企んでも入り込むことはできない。

(B)郵政民営化論者は言う。郵便事業、郵便貯金事業、簡易保険事業という、いわゆる郵政三事業の一体化が非効率で肥大化し、民業(銀行、保険会社、宅配業者?)を圧迫するなどの弊害もあり、将来的には経営が行き詰る可能性が高い。だから今のうちに国営の郵政事業を民営化してダウンサイジングを行い、同時に膨大な郵政資金を市場経済にゆだねることで、経営的フットワークを軽快にする。

 もうおわかりだろうが、(A)は郵政民営化に懸念を持つ者の基礎認識であり、(B)は郵政民営化推進論者の民営化理由である。問題は郵政民営化を論じるなら、この両者を両論併記によって、等分に論じるべきであるが、小泉氏や竹中氏が主導し、メディアが報道した郵政民営化は、いきなり(B)の論法を強調して、(A)の懸念を徹底的に封印していたのだ。この非対称性は現在も継続しており、彼ら民営化推進派は、「かんぽの宿」問題を一貫して追及し続けている鳩山総務相の言動に、日毎に神経を尖らせている。

 その理由は、今まで国民を洗脳して郵政民営化の真の目的を封印してきたが、ここに至って、麻生首相の「四分社化見直し」不規則発言や、鳩山総務相の「かんぽの宿」一括譲渡問題の追及が、上記の(A)論理に国民の関心を向ける懸念を持っているからだ。特に鳩山総務相の果敢な追及姿勢は、悪徳ペンタゴンにとって、最も迷惑この上ないものになっている。今の事態は、郵政民営化の目的が、実は国益ではなく、米国国益を目的としたペテン的構造改悪であったことを、国民が気付いてしまう可能性を孕んでいるのだ。

 郵政民営化問題の核心は、郵貯と簡保が蓄える膨大な国民財産が、外から入ってくる金融資本に対して安全かどうかである。メディアはこの部分が国民の関心を招かないように徹底的に誘導し、民営化の負の部分を封印してきたが、獅子身中の虫として、鳩山・麻生ラインが反乱を起こしたというのが、最近の自民党内で起きている際だった政治的現象なのである。参考までに中川秀直氏が今、どれほど慌てているかご覧になっていただきたい。  http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090610/stt0906101013001-n1.htm

                                                                                                    _72_3 日本にはアメリカ合衆国のような国防的外資規制の法律が存在しない。つまり日本式エクソン・フロリオ条項が存在しないのである。だからこそ、上記に記した三事業一体化と株式の持合は、外側からの乗っ取り脅威に対して有効なのである。この部分で四分社化が如何に危険な形態かもうお分かりだろうと思う。

 ふと思い出したが、中川昭一前大臣は、たしか、知財法に関してエクソンフロリオ条項の重要性を指摘していた数少ない政治家の一人である。当然中川氏は郵政民営化についても、その方面からの防衛意識はある御仁だと思う。

 日本国民は、この辺で悪徳ペンタゴンの悪辣な姦計を見抜き、洗脳から覚醒して郵政民営化の巨大な詐術を見抜いて欲しいと思う。かんぽ生命とゆうちょ銀行の株式が上場される前に国民が真相に気付かないと、日本は本当に極貧三流国に転落してしまうのだ。


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鳩山邦夫総務大臣がやっている突破行動の物凄さ

  西川善文・日本郵政社長の更迭問題を、永田町騒動や党内抗争という、政局がらみの文脈に位置づけて矮小化することはおかしい。メディアは鳩山総務大臣の西川善文指弾を、駄々っ子扱いのように報道し、まるで一人芝居のピエロを演じているかのように、面白おかしくとらえようとする。麻生総理や郵政民営化推進派との齟齬を、身内のささやかな争いのように強調している。

 しかし、この問題はそういう表層的な次元でとらえる話ではなく、2001年から今日まで、政権与党が行ってきた総合的な国策、すなわち小泉・竹中構造改革路線の正当性が問いかけられる本質を有している。平たく言えば、西川更迭問題を掘り下げることで、小泉・竹中構造改革路線が巨大なペテン国策だったという構図が浮かび上がってしまうことになる。郵政民営化は、その中核に位置している。

 特に、西川氏の更迭問題に飛び火した「かんぽの宿」の破格値一括譲渡安売りの件は、その背景にさらに物凄い闇を抱えている。それは、郵政民営化そのものが、実は巨大なペテンによる「国策利権」ではなかったのかという疑いが国民に徐々に生まれつつあるからである。りそな銀行の国庫救済に、政府絡みの金融操作疑惑を指摘した有識者は、植草一秀さんただ一人だけあるが、そのために彼は二度も国策捜査に嵌められている。小泉政権が進めた構造改革を批判した有識者は幾人かいたが、植草さんだけがあらぬ罪を着せられて不当な汚名を蒙(こうむ)ったのは、彼の指摘した「りそなインサイダー取引疑惑」が、ズバッと真実を衝いていたからにほかならない。

  今回の鳩山総務大臣による「かんぽの宿」疑惑は、これを妥協なしに追求していけば、郵政民営化の全貌が、国民を詐術して強行した、巨大な「国策利権」の解明に到達する可能性がある。鳩山大臣の妥協なしの追求によって、小泉一家が今まで必死に隠蔽してきた「郵政民営化の闇」が暴かれる局面が生じようとしている。鳩山大臣の造反に、清和会を中心とする郵政民営化推進派(=構造改革推進派)と米系外国資本、それに追従する大手メディアは、この問題が郵政民営化の国策利権の追求まで飛び火するのではないかと、戦々恐々としているに違いない。

 文藝評論家の山崎行太郎さんも、メディアが西川氏続投問題を意識的に回避し、問題を矮小化するのは、その背後に広がる郵政民営化利権の巨大な全貌から国民の関心を逸らしているように見えると言っている。この部分は私とまったく同じ見解である。これに関連して、さっきのニュースでは、永田町から小泉純一郎氏が再登板するかもしれないという噂が出てきたそうである。それに加えてもう一つは、今、急に内閣改造論(組閣)が浮上してきている。これらが何を意味するのかと言えば鳩山大臣の更迭である。鳩山総務大臣の郵政ツッコミが終息しないことに対する悪徳ペンタゴンの焦りである。何としても鳩山大臣の口を塞ごうというイライラである。

 小泉政権以来の自公政権は、日本史上類例を見ない悪徳権力体制である。彼らが行った政策はどれも国民を向いていないばかりか、悪徳ペンタゴンの利益に供する内実しか持たない。アメリカ政府関係者と清和会を中核とした構造改革推進派(小泉一家)が今、何を一番恐れているかと言えば、鳩山総務大臣の「かんぽの宿」疑惑糾弾の続行なのである。鳩山大臣の糾弾行動に堪忍袋の緒が切れたというところだろう。彼らは、「かんぽの宿」疑惑をこれ以上追及されることをきっかけに、国民や野党が郵政民営化全体の見直しに向かうことを心底嫌っているのだ。

 なぜなら、郵政民営化の全貌が巨大な詐術性に基づいているからだ。国民をペテンにかけた悪の巣窟は、その事実を知られたくない。実は国民は「かんぽの宿」疑惑を目の当たりに見て、もしかしたら郵政民営化とは、国民のあずかり知らぬところで、郵政私物化、利権化を構築していた疑いがあるかもしれないと思い始めている。最初に鳩山大臣が「かんぽの宿」疑惑を言い始め、2月初めには、麻生首相が四分社化の見直しに言及した。

 重要なことを言うが、今、政権与党に属する政治家が、来るべき政権交代、あるいは政界再編を睨み、郵政民営化に関する批判や見直しに言及することはまずありえない。なぜなら党是に反するからだ。郵政民営化には米国政府、及び米系外国資本による日本国富収奪計画が基底にあり、清和会を中心とする買弁勢力、すなわち悪徳ペンタゴンの睥睨が常にある。これに反する行為は謀反(むほん)にほかならない。特に政権与党に属していながら、郵政民営化に関する糾弾行為をやるのは文字通り命がけであるはずだ。

 その意味で、麻生首相の四分社化見直し発言、鳩山総務大臣の一連の「かんぽの宿」譲渡問題や、障害者郵便割引不正問題の追及などは、人気取りや票取りの意識レベルでは考えられない捨て身の行為だ。アメリカの睥睨に対抗しているわけだから、並大抵の覚悟ではできないことだ。政治家として本気でなければ、つまり、国家国民を向いていなければ、こういう糾弾行為は持続できないと思う。その意味で鳩山大臣は立派である。今回は四分社化について書くつもりだったが、そこまで行かなかった。また別記事に書こうと思う。

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2009年6月 8日 (月)

郵政四分社化形態は、実はとても怪しい

  今回は「四分社化」について、以前書いたことと重複する部分もあるが、思ったことを書いてみる。これについては私も国民の一人として不可解な思いを持つので、いくら強調してもし足りない思いである。麻生首相は、(05年9月11日の総選挙で)問うたのは郵政民営化であり、4分社化ではないと、2月9日の衆院予算委員会での答弁で語った。翌日、これについて、「多くの国民の中で四分社化を知っていた方は、ほとんどおられない」と述べたことが物議をかもした。

  http://www.asahi.com/politics/update/0210/TKY200902100326.html

 総理の「四分社化を知っていた方は、ほとんどおられないという」という発言に対し、多くの政治家や評論家は「当時の国民は四分社化を知っていた。国民を愚弄しているじゃないか」というワンパターンな反応を示している。ところで彼らの言うように、四分社化に関する麻生発言は国民を馬鹿にしていたのだろうか。そんなことはない。麻生氏の指摘は正しいと思う。当時は郵政事業の民営化が焦点になっており、四分社化が引き合いに出された記憶はまったくない。四分社化という言葉や図解のようなものだけが、いつの間にか出ていたが、国民はそれが登場した経過を知らなかったのは事実だ。

 つまり、メディアは民営化は大々的にキャンペーンを張っていたが、四分社化については、その意味も、理由も、必然性もまったく報道に載せなかったのだ。四分社化という言葉は確かに出ていたが、民営化キャンペーンの規模に比べて、その経過や理由を説明していたという記憶はない。国民のほとんどが四分社化の詳細を知らないまま、911総選挙に突入したのだ。選挙以前の法案審議や採決も、四分社化の説明はろくすっぽなされなかった。

 後で調べたら、国会では四分社化の説明は政府サイドから出ていたことはわかったが、メディアはそのことを国民レベルに周知させていなかった。四分社化が国民の目に止まった時は、すべてが決まっていて「民営化法案の策定作業をしているうちに、結果的に四分社化案」ができあがったという印象だった。おそらく国民は、この四分社形態を知った時、専門家が民営化作業の過程で、必然的に導き出した結果だろうというように、煙に包まれていた感じだったのではないだろうか。四分社形態が生まれるに至った動機や経過説明について、国民は、終始蚊帳(かや)の外に置かれていたのである。

 現在でさえ、国民はこの四分社化についてその意味を把握していないと思う。たしか、2007年度の三月期決算では、日本郵政公社は2003年に発足してから四期連続して黒字を計上していた。国民はこの状態が民営化のベースだと思っていた者も多いのではないだろうか。三事業一体化のままで、「郵政公社の民営化」なら、何の違和感も生じないで自然な展開だと思ったかもしれない。しかも、郵政から財投に怪しい資金の流れが起きていて、国民の不興を買っていた構造は、2001年の財投改革ですっかり断ち切られている。黒字化と怪しい資金還流問題の解決は、公社体制のままで民営化を模索しても充分に理があった。

 ところがである。2004年当時から、国民が知らない場所で、小泉純一郎元総理や竹中平蔵元郵政担当大臣、当時の諮問委員会のメンバーらが主導して、四分社構想を実現化しようと画策していたのだ。ここには郵政公社のまま民営化しようとする選択肢はまったくなかった。公社のままと言えば語弊があるから言い直すが、要するに、郵政三事業が一体のまま民営化を模索するという方向性はあったはずである。と言うか、常識で考えればそれが優先的に考えられてもいいはずだった。色々調べていくと、当時の多くの自民党議員はその方向性を考えていたのだ。

 2005年9月11日総選挙の直前、政府とマスコミは協働して宣撫作戦を行い、国民を詐欺にかけた。これを主導したのが竹中氏や世耕氏であった。彼らがメディア戦略でやったことは、メディア・リテラシーのまったくない層、すなわち彼らが言うB層国民を主に籠絡することだった。その手法は、ナチの宣伝担当相ゲッベルズがやったような単純でインパクトのある言葉を執拗に繰り返すことだった。竹中・世耕宣撫工作班は、その宣伝に、小泉元総理のワンフレーズ・ポリティクスを繰り返して報道させるという手法をとった。

 すなわち、「郵政民営化、是か非か?」、「民間にできることは、できるだけ民間に任せる」、「なぜ郵便局員が公務員でないといけないのか」と、まるで無意味なことを、お題目のように繰り返してテレビで流しまくった。こんな愚劣なものを公共の電波に乗せること自体、国民を愚弄しているが、彼らの宣撫工作と考えれば、見事な大衆操作だったと言うしかない。たしか、ヒトラーの書いた「我が闘争」だったと思うが、嘘も百回繰り返せば真実になるということが書かれてあった。洗脳報道だ。結果的に、国民はすっかりこの愚民化キャンペーンに乗せられてしまった感がある。

 当時はこういう状況だったから、国民は四分社化の真の意味に頭を使う状況ではなかったと思う。小泉政権のペテン性にかなり憤っていた当時の私も、「四分社化」については、まったく意識になかったのである。当時、私は、小泉・竹中構造改革と彼らの主導した民営化そのものがペテンだとは思っていたが、四分社化の怪しさには気付かなかった。この当時の政府は異常だった。国民に法案の正しい全貌を周知させるどころか、知らせなければならない部分にベールをかけて徹底的に国民の目を逸らすことをやっている。

 小泉政権は、郵政民営化に関し、ある重要な部分については、故意に説明責任を果たしていないのだ。それは郵政事業が民営化して株式会社となり、株式が上場された場合、莫大な郵貯資金と簡保資金が外国資本の支配権に委ねられることがあるのかないのか、あるとすれば、そういう敵対的乗っ取りに対して、どういう防御策が講じられるのかという側面である。国会審議も、メディアの報道も、この肝心な点については徹底的に神経質に議論を封じていた。

 これを象徴する出来事は、2005年8月31日、テレビ朝日系列「報道ステーション」で、古舘一郎司会者の奇怪な行動に表れていた。番組内でゲストの小林興起議員が、郵政民営化はアメリカ政府の要求だと話し始めた途端に、古館氏は急に態度が激変し、その話の展開を遮った事実がある。これをご覧になった人は多いと思う。以下、「kobaちゃんの徒然なるままに」というブログから該当箇所を引用させていただく。
____________________________________
       
  事の発端は郵政民営化問題で、日本共産党の市田忠義書記局長が 「民営化で喜ぶのは日本とアメリカの銀行や保険会社だけ」と指摘。 その後、新党日本の小林興起氏が「アメリカ政府の要求だ」と話し始めた時だった。

三百四十兆ものお金を外資に食われるような、 そんな愚の骨頂のようなことをだれがやるのか。ちょっと安倍さん

突然強い言葉で発言をさえぎり、自民党の安倍晋三に意見を求めようとした。 古館、小林氏、安倍の声が重なり騒然となった。 市田氏が重ねて「アメリカの要求は事実」と指摘すると、再び古舘が割って入り、「アメリカに食われるために郵政を民営化するなんて… そんなに国民の目は、だまされるほどバカじゃないんで」、 「まず入り口として郵政民営化をやらなきゃいけないって考え方がある」。 最後はほとんど絶叫調だった。

 これを見た視聴者から抗議の電話が殺到し、後日番組で謝罪した。私も番組中何度もTV朝日に電話をしたが繋がらず、結局メールで抗議文を送った。
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 私もこれは見ていた。当時はこの番組に限らず、民放各局は郵政民営化の「アメリカ策謀論」、「外資脅威論」を徹底的に封印しているのだ。つまり、郵政民営化論議中に、誰かが外資やアメリカに言及すると、司会者が考えられないような速効でその言動を排除していたのだ。私も何度か見ている。アメリカや外資というキーワードを誰かが出した途端に、司会者がすぐにその発言を制止したのだ。一つのセンテンスを言い終える間も与えなかったように思う。ゲストを招いていながら、こういう異様な司会はそれまで見たことはなかった、

 つまり、小泉政権は外資脅威論やアメリカ策謀論を徹底的に封じ込める作戦を最優先に取っていた節がある。だからこそ、郵政民営化というのは最大のペテンだと思うわけである。

 これ以降は、また別記事に書くが、私は、郵政の四分社化こそが、アメリカの最大の要望だったと見ている。このことと、2007年5月の三角合併解禁を思い合わせてみればいい。四分社化形態というのは、郵政民営化の中心的要件ではない。国民利益の観点から見た場合、四分社化の必然性はないと思う。この必然性があったのは、唯一アメリカ系ファンド、つまり国際金融資本側の論理から出ているのである。

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2009年6月 7日 (日)

郵政民営化は小泉傀儡政権が生んだ最大の売国構造改悪

 私は、国政を預かる為政者が、小泉・竹中構造改革の悪の本質をきちんと暴いた上で、それを全否定し、アメリカの院政に抵抗する政治方針を採用してくれたら、自民党でも民主党でも社民党でも強く応援する。ただし、我が国の皇統を崇敬する姿勢が第一条件だ。現今の日本政治の問題点は実にはっきりしている。米国から自立することこそ、日本の自主独立性を回復する唯一の方途である。これを成し遂げれば、半島問題や中国問題は解消する。日本人の大問題はアメリカへの隷属にあるという現実を直視できない、あるいはそれに対して思考停止状態にあることである。

 そういう米国の傀儡政治を行った政権で、最悪のものが小泉政権であった。彼らの行った悪の構造改革の本丸、それは郵政民営化である。これが小泉政権で、マスメディアを動員して強行に決められた事実をもってしても、この民営化計画が国民国家の方向を向いていないことは明白だ。なぜなら、この法案は米国の意志と、その意を受けた売国為政者、官吏、財界人、大手電波メディア(※これらは植草さんが悪徳ペンタゴンと名づけた)が仕組んだ合意的計画だったからだ。

_72  たとえば、米国大使館で公開されている年次改革要望書の2004年10月14日に書かれてある、郵政事業に関する米国の指示内容を読めばお分かりのように、明瞭に民間保険会社や宅配業者と郵政事業は競争条件を同一にしろと書いてある。そこで、竹中平蔵元郵政民営化担当大臣が、国会やメディアで何度も繰り返していた「イコールフッティング」という言葉を思い出せば、彼が年次改革要望書の具現化に邁進していたことがよくわかる。これに加えて、城内実さんが竹中氏に質問してわかったことだが、2004年4月から約一年の間、竹中氏が何度アメリカの政府関係者と会っていたかという問いに、竹中氏は17回だと答えている。郵政民営化法案が終始一貫してアメリカの指導の下で遂行されたことが見える。

 イコール・フッティングみたいなカタカタ横文字を乱舞させれば、爺さん婆さんは何のことかわからず、竹中さんは頑張って仕事をしていなさると思っていただろう。しかし、竹中氏が進めていたのは130年に及ぶ蓄積を持つ郵政事業の拙速的解体作業だった。解体の中心的課題こそ郵政三事業の「バラし」なのであった。経済学者シュンペンターは、金属疲労を起こして停滞した経済体制の新陳代謝を促し、旧弊の体制を刷新するには「創造的破壊」という経過をたどると言ったが、小泉政権は日本型修正資本主義そのものを滅茶苦茶に破壊しただけで、国民を利するものを何も創造していないのだ。

 小泉元総理は「自民党をぶっこわす」と言ったが、その真意は、日本の伝統的エレメントを根こそぎぶっ壊すという意味だった。国民はこの威勢の良い言葉に心酔し、自民党の金権利権体質や官僚主導のよくない部分を、小泉さんが見事に修正してくれるだろうと期待してしまった。つまり、小泉氏のワンフレーズ・ポリティクスは国民大衆に修正資本主義を期待させたのだ。ところが、実際に行われた政治手法は典型的な市場原理至上主義、つまりミルトン・フリードマンの考え方に基づいていた。小泉氏が採用したフリードマンの新自由主義は、元祖アメリカが採用したものよりも、ネオリベの原理原則に従っていた。

  小泉元総理は郵政民営化に関し、「民間にできることは、できるだけ民間に任せる」、あるいは「なぜ郵便局員が公務員でないといけないのか」と、お題目のように繰り返していた。そもそも私は、「民間にできることは民間に」という、その大原則なるものが巨大なインチキだと思っている。その理由は、その言い方の中に、国家(政府)の役割という概念が欠落しているからである。

 人間社会におけるすべての事業・営みが、市場原理だけで見事に機能するものならば、そういう断言も可能だろう。しかし、学校、病院、道路、港湾、工業用地、公営住宅、橋梁、鉄道路線、バス路線、上水道、下水道、電気、ガス、電話など、市場原理に馴染まないものは多々ある。市場原理に馴染まないこれらのものこそが、実は人間の生活に必要な公共性であり、社会の社会たる所以なのだ。それは社会機能の安定と秩序をもたらしている。

   インフラストラクチャーとは、国民生活や国民福祉のために必要な公共施設のことだ。これらは民間事業として成立しにくいため、中央政府や公共機関が責任を持って維持、管理を行う。重要なことは、これらの社会資本は市場原理主義(民営化)には馴染まない。それが公共性を有するという意味なのである。小泉元首相の掛け声は、日本社会から国家や公共の概念をすっかり捨象した物言いになっている。そして実行した彼の構造改革は言葉通り、公共概念や伝統的インフラの大破壊であった。つまり、日本人が長い時間をかけ、汗水たらして築き上げた立派な公共空間を破壊したわけである。右っぽい言い方をするなら、国柄(くにがら)破壊、国体破壊である。

 小泉・竹中構造改革路線の方向性には、国家の自主独立とはまったく正反対の傀儡的性格しかない。もっとはっきり言うなら、それは売国傀儡政権である。何の傀儡かと言えば、米国政府、米系国際金融資本、一部大企業である。半島系勢力もそれに加えられるかもしれない。郵政民営化もその基本性格から生じたものであり、日本にとって必然性がなかったばかりか有害無益である。その売国性は郵政事業の四分社化にあった。勘違いされては困るが、従来の郵政事業がパーフェクトだったと考えているわけじゃない。修正の必要はあったが、それをネオリベ構造改革で行う必然性はまったくなかったという話である。ましてや四分社化などに論理的整合性はまったくない。次の記事でそのことを書いてみたい。

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2009年6月 5日 (金)

悪徳ペンタゴンの真意は四分社化にあった

  森永卓郎さんによれば、昨年11月、麻生総理が「日本郵政株式会社の株式売却を凍結する」と唐突に言い出したことは、最初、とても奇妙なことだと感じたと言っている。森永さんは、麻生総理がその発言をした当時の株価低迷を心配して「郵政株凍結」を言い出したのかと思ったらしい。株式の売出しが始まるのは早くても2010年、この時期(上場時)の相場がわからないのに、現在の相場が悪いからと、郵政株式凍結を議論しても意味がないと思ったそうだ。

 だが、後に森永さんは麻生総理が四分社化の見直しを言い出したことで、「郵政株凍結」発言の真意を理解したそうである。彼は言う。「四分社化を止めようとしているのだったら、昨年11月に行った株式売却凍結宣言は意味がある。なぜなら、いったん郵貯株、簡保株を売却した後で、経営を再び統合するのはひどく困難になるからだ」。それはそうだ。株式が上場され、市場に自由に株が出てしまってからでは、この郵政二社の再統合は困難というよりも、事実上不可能になる。

 森永さんは、見直しについては、与党内にも議論が噴出しており、郵便事業会社と窓口会社を経営統合して、その下に郵貯と簡保をぶら下げるという案も示されており、そっちの方が四分社化よりもずっといいと言っている。「自民党郵政民営化に関するプロジェクトチーム」(PT、中谷元・座長)は2月26日に「四分社体制の見直し案」を発表した。

 

 この図を見てもお分かりのように、三分社化案も二分社化案も、「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」は見事にセパレートされていて、骨抜き案になっていることがわかる。見直し論の本質とは、この二大メガバンクの再統合の見直しではないのか?これを考えずして見直しの意味はないと思うのだが。もっとひどいことに、その見直し案も、最終的に提出された案は、四分社化をそのまま残すというものだった。まったく本質的な見直しの要素がない、実にひどい内容になっていた。

 そもそも経済学に詳しい人は、民営化以前の日本の郵政事業は、窓口業務、郵貯、簡保が一体となっているから、とても大きな経営メリットがあったと断言している。それを専門的には「範囲の経済性(SCOPE MERIT)」と言うらしい。このことは経済学の素人でも直感的にわかることだ。本質的には毛利元就の三本矢の故事と同じである。それは、違う業種が一体化し、経営資金的にも、業務形態的にも、互いにシナジー効果を伴ってよい状態になっていたからだ。そういう状態にあったものを、なぜバラバラに分社してしまわねばならないのか、その理由を明確に説明できる人がいるのだろうか。

 つまり、2005年当時、郵政民営化の掛け声の裏で売国奴たちが真に目論んでいたことは、四分社化の実現にあったと私は確信している。四分社化の真相はとても簡単なのではないだろうか。つまり、外資参入が簡単にできるからである。それ以外に分社化の理由が考えられるだろうか。

 麻生政権で、特に今年から起きている党内事情とは、構造改革派とアンチ構造改革派のせめぎ合いである。ただし、これは二分的にとらえられるほど単純ではない。ここには悪徳ペンタゴンの動きと、“日本総督府”の干渉があるからだ。

 私の推測では、自民党は本音ではアンチ構造改革派の方がはるかに多いが、構造改革派(郵政民営化推進派)には米国の後ろ盾があり、その睥睨によって、アンチ構造改革派はやむなく構造改革派に阿諛追従(あゆついしょう)しているという、実に情けない状態になっていると思う。

 日本郵政社長の西川善文氏の更迭問題も、以上の文脈で見る必要がある。それにしても、鳩山総務大臣は大した肝っ玉だ。彼はアメリカの睨みつけに、たった一人で対峙している。郵政のおかしなところを暴くということは、畢竟、アメリカと対決するという覚悟なのだ。この姿勢は小沢一郎氏の“第七艦隊発言”に匹敵する。

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鳩山総務相VS麻生総理の背景に・・

 
  日本郵政株式会社の西川善文社長の解任・続投問題が、麻生総理と鳩山総務相との間に強い齟齬を招いている。鳩山総務相は西川社長の続投を容認しない旨を断言し、自らの進退もかける意気込みでこれを示した。「西川氏が辞めるのは当然、続投は認めない、正義のため」と強硬である。これに対して、麻生総理は西川氏の続投容認である。自民党はまたもや泥沼化の様相を深めている。

 今、自民党内で何が起きているのか。麻生総理と鳩山総務相の西川氏更迭問題をめぐる反目に言及する前に、それまでの彼らの行動を思い起こしてみる。私も含めて日本人は忘れっぽいが、最近の8ヶ月くらいをざっと振り返ってみると、麻生総理と鳩山総務相が、郵政に関し、それまでの党是に反する予想外の際立った動きをしていたことがわかる。主にNIKKEI NETを参照して、時系列的にそれを列記する。

●麻生総理

①2008年11月    麻生総理は唐突に「日本郵政株式会社の株式売却を凍結する」と言い出している。

②2009年2月5日  麻生総理は衆院予算委員会で、郵政民営化で4分社化された経営形態を見直す考えを示すとともに、実は郵政民営化には「賛成ではなかった」と発言している。

③6月4日       麻生総理は、日本郵政株式会社・西川善文社長の続投を容認する姿勢。彼は西川社長の進退問題について、総務相、財務相、官房長官の3大臣に検討して答えを出すように丸投げ。

●鳩山邦夫総務相(2009年)

①1月6日   九州選出の自民党議員の新年会を取材していた記者たちに、鳩山氏は、突然、日本郵政株式会社が、全国に散在する「かんぽの宿」を、オリックスグループに一括して売却譲渡する計画に言及し、「李下に冠を正さずだ」と、売却関連手続きの認可を容認しない姿勢を示した。

②1月23日  「かんぽの宿」の一括売却問題を受け、総務省は日本郵政に対し、資産売却の際の情報開示ルールを整備するように求める方針を決めた。入札の過程や決定理由などを詳細に開示させ、資産売却の透明性を高めるとの理由。

③2月6日   閣議後会見、麻生太郎総理が郵政事業の見直しに言及したことに関連し、鳩山総務相は「1ホールディングス(持ち株会社)、4分社の方式がベストかを含め考えていく」と発言。

④2月26日  鳩山総務相は衆院総務委員会で、日本郵政が進める東京駅前の旧東京中央郵便局の再開発について「重要文化財の価値があるものをなくすのはトキを焼き鳥にして食べるようなもの」と述べ、開発続行に否定的な見解を示した。

⑤3月2日   鳩山総務相は、取り壊し工事が始まった旧東京中央郵便局を視察して、報道陣の前で「米国流の利益追求主義で壊してきたのは国の恥」と、声を荒らげた。

⑥3月3日   鳩山総務相は、旧東京中央郵便局の再開発中止を求めていくことについて「重要文化財として残した形での開発は正しいと思うが、世論の8割が開発利益が大事だというなら持論は引っ込める」との考えを示した。また、前身の日本郵政公社時代の不動産売却に関する詳細な報告を要請すると発表。旧公社がバルクセール(一括売却)などで不動産を安く処分したとの指摘が国会などで出ていたからだ。

⑦3月10日  鳩山総務相は旧東京中央郵便局の再開発問題で、保存部分を拡大して再開発を進めるという日本郵政の提案を「受け入れる」と表明。

⑧3月13日  鳩山総務相は、郵政民営化の見直しについて「1年半で4分社化の結論が出るとは思っていない」と述べ、経営形態の変更をすぐには検討しない考えを示した。

⑨3月30日  鳩山総務相は、日本郵政の2009年度事業計画を「認可しない」と述べた。同社が総務省に提出した事業計画で、宿泊施設「かんぽの宿」の出す年間赤字額の圧縮が不十分として、計画の一部修正を求める考えを示した。

⑩3月31日  鳩山総務相は、日本郵政と郵便事業会社の2009年度の事業計画について、条件付きで認可した。

⑪4月3日   鳩山総務相は、宿泊・保養施設「かんぽの宿」の譲渡問題を受けて、法律に基づき日本郵政に業務の改善を求める命令を出す方針を明らかにした。

⑫4月7日   鳩山総務相は、日本郵政が保有する宿泊・保養施設「かんぽの宿」の鑑定評価額に関する総務省の独自調査結果を公表。日本郵政が当初予定していた譲渡額に比べ1.7倍になったという。

⑬5月20日  「かんぽの宿」の譲渡問題の責任を巡って、日本郵政の西川善文社長と鳩山邦夫総務相が20日午前の参院予算委員会で直接戦った。西川氏は「引き続き私自身が責任を持って改革の推進に取り組んでいきたい」と述べ、引責辞任する考えがないことを強調、鳩山総務相は西川氏が説明責任を果たしていないと重ねて批判。「そのような経営をしてきた方の責任、適格性があるかどうかは厳しく判断しなければいけない」と述べ、続投を認めない可能性をにじませた。

⑭6月2日   鳩山総務相は日本郵政の西川善文社長の続投について、新しい経営目標を設けさせるといった条件付きでも認められないとの姿勢を示した。

⑮6月3日   鳩山総務相は、続投に意欲を示す日本郵政の西川善文社長について「日本郵政がメチャクチャなことをやってきた責任は社長にあり、辞めていただくのが当然だ。認可権限を行使して認可しない」と述べた。
 
⑯6月4日   鳩山総務相は「西川氏が辞めるのは当然、続投は認めない、正義のため」と、強硬に西川氏の続投を認めない意向を示している。

 ざっと、麻生総理と鳩山総務相の郵政関連に対する言動を見ると、初期に二人は意を合わせて、郵政民営化の見直しを考えていたことがよくわかる。しかし、途中から構造改革派の横槍が入って、この二人の郵政見直し論は矛先が鈍った。そして、最近ではこの二人に決定的な態度の違いが起きた。最初に郵政民営化見直し論の口火を切ったのは麻生総理だった。それをバックアプするように、鳩山邦夫総務相は日本郵政株式会社の「かんぽの宿」の一括売却問題を一貫して継続的に追求していた。

 麻生・鳩山ラインが、清和会主導の党内ガバナンスに対し、造反的に郵政民営化見直し論を提起したことは衝撃的であった。小泉・竹中路線が敷いた急進的構造改革推進の趨勢に対して、麻生総理と鳩山総務相は、構造改革路線のネジを巻き戻すかのように、郵政民営化見直し論を勇敢にもぶち上げた。多分この背景には、米国がブッシュ・ネオコン体制からオバマ新体制へ移行したことと、サブプライム問題、リーマンブラザース破綻から始まった米国の金融破たんで、米国の対日支配の手綱が一時的に緩んだせいだろう。

 米国支配の間隙を衝いて、麻生・鳩山ラインは決起した。この動きが先鋭化したのが、本年の2月初旬だったと思う。これに呼応した多くの自民党議員は、なだれ込むように郵政民営化見直し論に向かいかけた。ほんの一瞬の間だったが、党内にそういう動きは確かに起きていた。

 ところが、小泉元首相が「笑っちゃうくらいに呆れる」と、麻生総理を揶揄する発言をしたあとから、微妙に空気が変化し、特に3月になってからは、党内に広がっていた見直し論がすっかり終息していた。燃え始めた郵政見直し論が水をかけられたように萎(しぼ)んでいたのだ。それは上記に羅列した鳩山総務相関連のニュースにも現れている。これは、2月から3月の間に、郵政見直し論を潰す強烈な圧力があったことを示している。

 この力は党内の構造改革派だけの反発のみとは考えられない。この動きに気付いたアメリカは、麻生内閣の閣僚サイドに強い圧力をかけてきたものと見える。もちろん、そのことはまったくメディアには出てこない。日本には在日米国商工会議所や米国大使館があり、CIAが暗躍している。しかも、東京には“横田幕府”という恐ろしい在日米国権力が、恒常的に我が国の与党政権を睨んでいると考えるべきだ。米国大使館、在日米国商工会議所(ACCJ)、横田基地のトライアングルは“日本総督府”なのである。

 外部の強力な圧力が働いた結果、郵政民営化の本質的な見直し論は急速に消滅し、現在、唯一戦う姿勢を失わない者が鳩山邦夫総務相だったというわけである。私は以前のブログにも書いたが、これと同じことが、小泉政権時、2005年初頭に起きている。

 2004年9月、小泉純一郎首相は郵政公社の民営化に向けて二年半後の2007年4月に「四分社化」するという大枠を定めた。当時は自民党も総務省も郵政公社もこの案に反対していたのだ。小泉総理は郵政公社の生田総裁を呼びつけ、その案を提起した。生田総裁は難色を示し、「経営者としてできないことはできない」と言った。小泉氏は必死で生田氏を説得し、分社時期が遅れてもいいという含みで彼を強引に納得させた。(現実には半年遅れて10月になった)。そして、経済財政諮問会議の学者ら民間人議員が四分社化を主張した。

 この時、麻生太郎総務相と生田総裁は、民営化当初の経営形態を、最初単一会社にしておいて、徐々に(段階的に)分社化していくということを主張していたのである。ところが、小泉氏や竹中氏は、郵政公社のまま民営化を考慮する選択肢は最初から毛頭なく、何んとしても分社化に執心した。あたかも郵政民営化の最大の目的が、分社化そのものにあるかのように。そもそも郵政民営化の文脈の中で、四分社化は必然性がない。ここにアメリカの郵政民営化要望(実態は命令なのだが)の最大の目的が、分社化そのものにあったことが見えてくる。

 2004年当時、ほとんどの自民党員は、小泉・竹中路線が強硬に固執した、この四分社化が外資参入の最適条件であることがよくわかっていて反対の立場だったのだ。つまり、党内世論は分社化を完全に否定していた。ところが年が明けて2005年になったとたんに、党内世論はすっかり分社化賛成になっていたのだ。通常はありえない話である。この動きはまったく報道に出てこなかった。しかし、事実は事実。これは横田幕府、あるいは在日米国スジが自民党員に何らかの圧力を掛けたこと以外に、その理由を説明できないのである。

 これから類推できることは、今年の2月に麻生・鳩山ラインが火をつけた郵政民営化見直し論は、多くの自民党員の心を動かした。ところが、すぐに米国スジの陰険な圧力が働いて、党内世論はまたしても四年前に、四分社化を無理やり飲まされたときと同様に、今回も、見直し論を捨ててしまったと見るべきである。こういう流れの中で、麻生総理は早々と脱落し、鳩山総務相が孤軍奮闘で頑張っているというのが今の自民党である。鳩山氏は強く評価に値すると思う。だから彼はやがて来るべき政界再編の時は、小沢一郎氏と協力して徹底的に小泉構造改革の悪巧みを追求し、アメリカの陰険な支配に抵抗して欲しいと思う。

 今の自民党は完全に国民の敵になっているが、鳩山邦夫氏は敵ながらあっぱれだと言えるだろう。

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2009年6月 3日 (水)

Summertime

   私はクラシック音楽、演歌、唱歌、ジャズ、ボサノバ、黒人霊歌、懐メロ、NHKのみんなの歌等、ジャンルにかかわらず、時折音楽が聴きたくなると手当たり次第に聴くタイプである。そういうものの中に特別に好きな曲がいくつかある。今日はその中から「サマータイム(Summertime)」について語る。

 なあんだと思われるかもしれない。この曲は昔から有名で、誰でも少なからず耳にしているブルース調の曲だ。歌も多くの歌手に歌われ、インスツルメンタルな編曲も多くされてきた名曲である。あまりにもスタンダードすぎて、これを取り上げるのは少し気が引けるが、好きだから仕方がない。

 「サマータイム」が作られたのは古くて、ウィキペディアで調べてみたら、1935年に作られたオペラの一幕に子守唄として作曲された歌らしい。言われてみれば、この歌の旋律は物悲しいというか、とても哀切な調子に満ちている。物憂げな真夏の午後、音量を絞って、この曲を聴いていると、いつしか気持が鎮まってきて眠くなってくる。

 いつからこの曲を聴いたのだろうか。ラジオやテレビで、あるいはふらりと入った喫茶店で流れていたのだろうか。とにかく、この曲の旋律はいつからか耳にこびりついて、自分の中では静かな子守唄となっていた。昔の日本人が好きなマイナー調だからなのか、耳に残りやすい歌だ。曲名のせいもあるが、毎年晩夏になると、この歌の物悲しい旋律が、過ぎ行く夏のまばゆい光景をフェードアウトさせて胸の奥に浮かんでくる。

 この曲は、1920年代のアメリカ黒人の厳しい生活が背景になっているそうだ。だから、歌の歌詞にその生活感がかなり良く出ている。しかし、私が初めてこの曲を聴いた時から強く感じていたことは、この「サマータイム」の曲想は、もっと深く長い時間の流れを訴えかけてくる。この曲は黒人奴隷のスピリチュアルな鎮魂歌だと思っている。アフリカ系黒人がアメリカに無理やり連れて来られ、綿花畑で朝から晩まで苛酷な奴隷労働を強いられた。自由の真の意味を血と痛みで知った。そして、ささやかな魂の解放を信じて歌った歌が黒人霊歌である。

 がんじがらめの隷属の境遇で、彼らは空を見上げ、ジーザスに魂の苦痛を背負ってもらった。先の見えない永遠の苦痛の中で、魂のほとばしりが起こった。どの人種でも子供たちは希望の象徴である。彼らは子供たちが人生に絶望しないように、祈りを込めて子守唄を歌ってあげたに違いない。そのスピリッツが歌い継がれた。ジャズやブルースのルーツである。

 黒人がアングロサクソンの奴隷に狩り立てられていたのは、歴史的に見るとほんの最近までのことだ。人類の歴史を見れば、奴隷にされたのは黒人だけではないが、人が人を奴隷にして牛馬のようにこき使う姿は残虐である。アメリカではある日、奴隷制度をいきなり作り、傍若無人に黒人の自由を奪って苛烈な労働を強いた。黒人女性の性を搾取した。黒人の子供は生まれながらに奴隷の運命を背負わされていた。

 この悲惨さ、非道さを考えると、奴隷制度はひと言では言えない重いものがある。WASPがつい最近までそういうことをやっていたことを思えば、911テロの後、ブッシュが対テロ作戦の全体を「無限の正義作戦Operation Infinite Justice)」と名づけた感覚はよくわかる。世界の警察官を任じ、新自由主義をベースにしたグローバリズムを世界に伝播させ、戦争経済を行い、資源収奪、金融収奪をやりたい放題やってきたアメリカが、世界に何をもたらしたのか。世界中を不幸にする金融破綻である。人類を不幸にするニセモノの正義は自滅してもいいが、世界を巻き込むなよという気分である。

 話をもどすが、「サマータイム」という歌の物悲しい旋律には、自由を失った人間の自由への悲しい憧憬がある。だから、このメロディはいつの間にか、自分の中でSoul Musicとなっていたのだろう。

Mahalia_jaxson_2   私は今年57歳だから、黒人歌手のマヘリア・ジャクソンという人の名は、昔良く聞いていた。「Summertime」は色々な歌手が歌っているが、私はこの人がそれを歌っているのが一番好きである。小泉政権の悪政に疲弊した、われわれ「下々」の日本人は、絶望的になり投げやりな気分になっていることはわかるが、この歌に流れる黒人の気持を思えば、まだはるかに増しな状態だと思う。

  興味があれば、マヘリア・ジャクソンの「サマータイム」を聴いていただきたいと思う。背景を考えなくても、この歌をただ聴くだけでも癒されてくる。日本人は本来、清新な心情で生きる民族だ。売国為政者に汚されて鬱屈した日本でも、心のどこかにはその領域を保って欲しい。
 
        http://www.youtube.com/watch?v=mc2vVPV_ZTQ

   Summertime              

Summertime,              夏になった
And the living is easy          暮らしも楽になった 
Fish are jumping,            魚はとび跳ねる
And the cotton is high         綿もたくさんとれた

Oh your daddy is rich          父さんは金持ちだ
And your ma is good looking       母さんは美人だ
So hush little baby            だから坊や
Don't you cry              泣いちゃいけない

One of these mornings         いつの日か 朝が来て
you’re gonna rise up singing      おまえは歌いながら立ち上がり
Then you’ll spread your wings     自分の翼を広げ
And you’ll take to the sky       大空へ舞い上がるだろう

But till that morning           だが その朝が来るまで
Nothing will harm you          おまえを傷つけるものは誰もいない
With Daddy and Mammy        父さんと母さんが
They'll be standing by           そばについている

Sometimes                   時々
I feel like a motherless child       わたしは 母親のない子のような気持になる
Just a long way from home       家から遠く離れてしまった

  (  作詞: DuBose Heyward デュポーズ・ヘイワード  
   作曲: George Gershwin ジョージ・ガーシュウィン )

「サマータイム」という美しく切ない曲のことを書いているのに、現在の日本のことを言うのは興醒めなのだが、政治的な話で締めくくる。私は日本という祖国がアメリカの属国になっているのは、人間の魂の自由という観点からも間違っていると思う。人間は人間に対して隷属してもいけないし隷属させてもいけない。国家も同じである。隷属、属国からは幸福な状況は絶対に生まれない。日本がアメリカの属国であることから目を逸らしたら、どんなことを考え、何をやろうとも自由は得られない。

 植草一秀さんが書いた「知られざる真実ー勾留地にてー」第三章「不撓不屈」の「2、人類の歴史」の中にこういう一節がある。

「人類の歴史を振り返ると美しい世界は広がっていない。人類は支配と被支配、戦争と殺戮を繰り返す世界を背負ってきた。・・・」

 人間が人間に対して行う最も罪深いことは、殺人であるが、それに次ぐ罪深いことは他人を奴隷化する行為ではないだろうか。他者や他民族を奴隷化しようとする意志の先には戦争や殺戮が待ち受けている。奴隷化は罪深い。他者に永遠に癒されない精神的な苦痛と不幸を与え、その行き着く先は精神の死滅である。日本人は魂の自由を回復してもらいたいと私は強く願っている。

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クラウディングアウトにおびえる馬鹿な政府(小野盛司)

日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第170弾です)

 第35回目の質問主意書(滝実議員)の答弁書が返ってきた。笑ってしまう。景気対策をなぜ景気が回復可能な規模にしないかと聞いたら、クラウディングアウトが怖いのだそうだ。クラウディングアウトとは何かというと、政府が金を使うとその分だけ民間の資金が無くなり経済成長を阻害するという説。民間の資金が無くなるということは、お金を借りるにせよ、高い金利で借りなければならなくなる、つまり金利が上がるということ。

 こんな現象は、経常収支の赤字の国で発生することがあるが、日本のように経常収支が黒字の国では、国がいくらでもお金を刷れるのだから、国と民間のお金を取り合いは起こらない。実際、国債発行残高は次のようにどんどん増えている。

出所 財務省
Photo 

 クラウディングアウトが起こっているなら、これに比例して金利が上がっていなければならない。次は金利のグラフを示す。

出所 日銀
Photo_2

 金利はどんどん下がり続けていることが分かる。つまり経常収支が黒字の国ではクラウディングアウトは起こらない。国債を発行すると金利が上がるのではないかという、馬鹿な考えで景気対策が十分にできない。だからいつまでたっても景気はよくならない。もっと政府にはしっかり経済を勉強してもらいたいものだ。

 経常収支が慢性的に黒字(最近一時的に僅かに赤字になったことがあったが)ということは、日本国民と日本政府が十分お金を使っていないということで、世界経済の発展を阻害しているのである。

以下に第35回の質問主意書とその答弁書を示す。

2009年5月22日

補正予算に関する政府の説明責任に関する質問主意書

平成二十一年度の補正予算は財政支出が十五・四兆円であり、国民一人当たりに直すと約十二万円にもなる巨額なものであるから、この補正予算に関して政府は国民の疑問に対して納得いくまで説明する義務があるのは当然である。しかし、「十五・四兆円で日本経済は経済危機から脱却できるのかどうかに関する質問主意書」(以下「第一回質問」という)では、その質問主意書に対する答弁書内閣衆質一七一第三二七号(以下「第一回答弁」という)と、それに対する再質問主意書(以下「第二回質問」という)に対する答弁書内閣衆質一七一第三六五号(以下「第二回答弁」という)に書かれた説明は驚くほど不誠実で無責任なものであった。政府は補正予算に関して国民に説明責任を十分果たしていないのではないかという疑問が生じたのでこれに関して質問する。

一 第一回質問では、今回の国債を財源とする財政出動により将来世代への国債負担がむしろ軽くなることを具体的に数値を示して政府の見解を聞いた。それに対して第一回答弁では「国債を財源とする財政出動によって将来世代への国債の負担が重くなることはないとは一概にいえない」ということだった。そうであるならば、「国債を財源とする財政出動によって将来世代への国債の負担が重くなるとは一概にいえない」ということを暗に認めているのだから、これまでのように「国債発行が将来世代への負担になる」と決めつけるのを止めるべきではないかというのが第二回質問であった。驚いたことに、これに対する第二回答弁は「国債を財源とする財政出動によって将来世代への国債の負担が重くなることはないとは一概にいえない」と第一回答弁と全く同じ答弁を繰り返した。これは今回の財政出動が国民総生産を引き上げられない虞が強いことを政府自らが繰り返して認めるものであり、そのような財政出動をすることは、国民及び国権の最高機関である国会を愚弄することになるのではないか。

二 政府は従来から掲げてきた二〇一一年度の基礎的財政収支黒字化が絶望的になったことを踏まえて、新たにGDPに対する債務残高比率の引き下げを新たな目標として検討していると報道されている。そうであれば、総額五十七兆円(うち国費約十五兆円)の「経済危機対策」の効果に関する内閣府試算が発表されているのだから、それに基づいて債務のGDP比が計算できるはずであり、それを公表すべきである。この景気対策により債務のGDP比は増えるのか、減るのか、それともどちらとも言えないのか。その計算結果を明らかにされたい。

三 第一回及び第二回答弁において、この度の補正予算において「景気の底割れ」を防ぐという政府の最重要課題を示しているが、この「景気の底割れ」を防ぐという定義は、具体的な定量的目標があるはずであり、それを明らかにされたい。

四 第一回答弁によると、「需要不足のすべてを財政支出で埋め合わせることについては、過度に公需依存となり、民間経済の自律的回復をむしろ遅らせる」とある。その根拠は何か。
また、自由経済体制下の先進主義諸国がいずれも政府部門(公需)、民間部門(民需)の混合経済で成り立っているなかで、政府が示す「民間経済の自律的回復」の定義とは何かを明らかにされたい。
第二回質問においては、上記の当該第一回答弁内容が必ずしも当らないことについて、データや例示を挙げて説明を試みたにも拘らず、第二回答弁ではそれに対する回答が無かったため、上記「質問一」と同様な観点から十分な説明責任を果たすことを要求する。
さらに、上記の当該第一回答弁内容は、受取り方によっては、いわゆる「クラウディングアウト効果(政府による国債の大量発行が民間の資金調達と競合を起こし、金融市場が逼迫して金利を上昇させ、民間の資金調達が阻害される現象)」のことを指しているとも考えられるが、その通りと理解していいのか。

五 内閣府が五月二十日に発表した一―三月期の実質GDPは、年率換算でマイナス十五・二%、二〇〇八年度の実質成長率はマイナス三・五%といずれも戦後最悪であり、米国(年率マイナス六・一%)やドイツ(同マイナス十四・四%)などと比べても先進国中最悪であった。対前期比マイナス四・〇%のうち、外需寄与度がマイナス一・四%、内需寄与度が二・六%と、外需寄与度に比べて内需寄与度が約倍の大幅なマイナスになっている点を踏まえると、これは政府による景気下支え策が十分ではなかったことを意味する。
したがって、昨年十月末の緊急経済政策を始め、もっと効果的に景気下支えを行っていれば、このようなことにはならず、「需要不足のすべてを財政支出で埋め合わせることについては、過度に公需依存となり、民間経済の自律的回復をむしろ遅らせる」ということにもならなかったのではないか。

 右質問する。

内閣衆質一七一第四三七号
平成二十一年六月二日
内閣総理大臣  麻生太郎
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員滝実君提出
補正予算に関する政府の説明責任に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員滝実君提出補正予算に関する政府の説明責任に関する質問に対する答弁書

一について
総額約五十七兆円(うち国費約十五兆円)の「経済危機対策」(平成二十一年四月十日「経済危機対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定)の効果については、「平成二十一年度経済見通し暫定試算(内閣府試算)」(平成二十一年四月二十七日内閣府公表)において、同対策に盛り込まれた施策の裏付けとなる平成二十一年度第一次補正予算の着実な実施により、平成二十一年度の実質GDP 成長率を一・九パーセント程度押し上げる効果があると見込んでいるところである。

二について
公債等残高対G D P 比も含め、「経済危機対策」等を踏まえた中長期の経済財政の姿の試算については、現在作業を進めているところである。

三について
政府としては「実体経済の悪化が金融の一層の不安定化を招き、それが、さらなる実体経済の悪化を招くといった事態」を「景気の底割れ」と考えており、そうした事態を防ぐため、平成二十年八月以降、三次にわたる経済対策を取りまとめ、その速やかな実施に全力を挙げてきた。さら に、先般、「経済危機対策」を取りまとめたところであり、これにより、景気の底割れを防ぎつつ、国民の安心を確保し、未来の成長力強化につなげることとしている。
なお、経済政策を行うに当たっては、様々な経済指標を参考にしつつ、その時々の経済状況等を十分に踏まえて総合的に判断することが必要であると考えている。

四について
「民間経済の自律的回復」とは、企業や家計といった民間部門が、財政支出に頼らず、生産・所得・支出の好循環によって成長する状態であり、民間活動がその主体をなす我が国経済の持続的成長には不可欠の条件であると考えている。
なお、経済政策を行う に当たっては、クラウディングアウト効果についても考慮する必要があると考えている。

五について
政府としては、現下の厳しい経済金融情勢に対しては、平成二十年八月以降、三次にわたる経済対策を取りまとめ、その速やかな実施に全力を挙げてきたところであり、これらの対策は一定の景気下支え効果があったと考えている。さら に、昨年末以降、世界金融危機と世界同時不況が深刻度を増し、景気が急速に悪化したことから、こうした状況に対応して、先般、「経済危機対策」を取りまとめたところであり、これにより、「景気の底割れ」を防ぎつつ、国民の安心を確保し、未来の成長力強化につなげることとしている。

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2009年6月 2日 (火)

第64回日本経済復活の会・定例会のお知らせ

    
                                                        平成21年6月2日
                                                      日本経済復活の会 会長 小野盛司

○ 日時 平成21年6月22日(火)午後6:00時~午後9:00時
                 (開場5:30、講演開始6:00)

○ 場所 東京都千代田区九段北4-2-25 アルカディア市ヶ谷(私学会館) 
TEL 03-3261-9921

○ 会費 3500円(資料代や食事・飲み物の費用を含みます)

○ 講師

①川田忠裕      川田工業代表取締役社長  
 
五十棲隆勝   川田工業執行役員機械システム事業部長
 
   『次世代ロボット産業創生のための課題』

 21世紀型産業として期待されている次世代ロボットについて,一般的な産業用ロボットとの技術的差異,産業創生のための課題について,開発現場からの視点で解説します。(第一線でロボットの研究開発を行っておられる専門家に来ていただき、我が国の少子高齢化に対応する際のロボットの役割に関して議論したいと考えております。)

②小野 盛司 日本経済復活の会会長 

   会の活動報告、『日本経済復活への道 -お金がなければ刷りなさい-』

 当会合に関する一切の問い合わせと、御来会の可否は小野(03-3823-5233)宛にお願いします。メール(
sono@tek.jp)でも結構です。弁当の注文や配布物の準備等ありますので、申し込みはできるだけ早めに行って下さるよう、ご協力お願いします。

案内図

326   

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2009年6月 1日 (月)

郵政民営化利権は、その全貌が暴かれる必要がある

 郵政民営化に猛烈に反対した小林興起さんは、郵政民営化を郵政米営化(べいえいか)と称した。小林さんは本質を言い当てている。小泉元総理や竹中元郵政担当大臣は、郵政民営化は国民のためになるときれいごとを言いながら、それを強行した。各界から、かなりの疑問が投げかけられていたにもかかわらずである。マスコミをフル動員して行われた狂気の郵政民営化は、まさに世紀の大暴挙であった。これはアメリカのために行った典型的な売国政策だった。

 2007年には、郵貯・簡保が保有していた340兆円もの莫大な郵政資金は、現在は百パーセント政府の持ち株ということになっていて、表面上は株式上場されるまで動かないことになっているが、はたしてそれは大丈夫なのだろうか?と言うのも、今、更迭問題が取り沙汰されている日本郵政の西川善文社長は、国民の見えないところで何をやっているかわからないからである。城内実氏も、植草一秀さんも、『かんぽの宿』問題は戦後最大の疑獄事件に発展する可能性があると言っている。その疑惑は、規模的にはりそな銀行インサイダー取引疑惑をはるかに超えるかもしれない。

 前々記事のブログランキング急落の件とも関連するが、植草さんブログが急落した件を、植草さん自身は、今日のブログで、「私は、本ブログのランキングカウント不具合問題のきっかけになったのは、5月23日付記事『日本郵政西川善文社長続投論を覆う黒い霧』」と書いている。この黒い霧について、植草さんはメガトン級の強烈な指摘を二つ行っている。詳しくは植草さんの該当ブログを読んでもらいたいが、植草さんは次のように言っている。

___________________________________________
第一は、竹中平蔵氏と西川善文氏の個人的な接点において決定的に重要だと考えられる出来事が、2002年12月11日の密会であることだ。この日まで、西川氏は反竹中金融相の急先鋒(きゅうせんぽう)と言える存在だった。ところが、12月11日の密会を境に、西川氏は竹中氏との蜜月時代に移行した。この密会こそ、秘密を解く鍵を握る。

第二の視点は、菅義偉(すが よしひで)氏が2005年11月に総務副大臣に就任し、その後、2006年9月に総務相に就任した事実である。2005年11月は竹中氏が総務大臣に就任した時期である。竹中氏は「郵政民営化」=「郵政私物化」=「郵政米営化」プロジェクトを実行するパートナーに菅氏を選任したのだと考えられるのだ。
___________________________________________

 植草さんが日刊現代の記事をあげて、上記の動きを指摘したことが、悪徳ペンタゴンの逆鱗に触れた可能性がある。清和会、つまり悪徳ペンタゴンの牛耳る自民党は、日本郵政の幹部連中を総入れ替えできない重い事情があると植草さんは言う。「かんぽの宿」疑惑は、国民の皮相的な想像をはるかに超える深い闇が横たわっているものと思う。これを解明していけば、郵政利権の全貌が浮かび上がることになるかもしれない。

 米系外資を総本山とする、郵政民営化のまつわる全体的な利権発生の大きな疑惑は、現在の日本郵政幹部連中を外すことで、一望の下に明るみに出る可能性があるかもしれない。だからこそ、姑息と言われようが、何んとしても植草さんの言論的究明活動を阻止するために、買弁的悪徳ペンタゴンは手段を選ばず、植草さんのブログ発信を潰しにかかっているのだろう。植草さんのブログランキング急落の件は、見掛け上は些細なことかもしれないが、その干渉行為の果てには、植草さんのブログを潰しにかかる悪徳ペンタゴンの悪意が働いたと見るのが妥当だろう。

 自民党清和会は、小沢氏の率いる民主党政権の実現を異常に恐れている。そのことは、とりもなおさずキーパーソンとなっている植草さんの究明する悪徳ペンタゴンの実態がかなり暴かれることになるからではないだろうか。郵政民営化にかんするこれからのスケジュールは、

  <郵政民営化のスケジュール
●07年10月     郵政民営化 ・・・持ち株会社方式で、郵便・郵便局・貯金・保険に分社化する(これはすでに実現している)

●09年度下期にも   金融2社を株式上場
●14年度にも     金融2社を完全民営化 ・・・持ち株会社が2社の株式をすべて売却

 ネットを見たら、西川善文氏は2006年7月当時には、2011年に株式上場を行う計画だったが、そのあと当初計画を前倒しして、2009年の下期、つまり、今年の後半には金融二社を株式上場する計画だったらしい。この辺の実際のスケジュールが現在どうなっているかわからないが、こういう矢継ぎ早の急ぎ計画を見ると、西川氏の動きは国民新党の郵政株式凍結案に反して、異常に急いでいるとしか思えない。ここには、ゴールドマンサックスとか、その他の米系外資の突き上げがないと考える方が間違っているだろう。西川氏を鳩山総務相が叩かないでいたら、今頃どうなっていたかわからない。

 もしかしたら、「かんぽの宿」疑惑を突き上げられて、日本郵政の上層部連中が詳しく調べられた場合、そのことが、郵政民営化利権のとんでもない全貌を浮かび上がらせてしまうかもしれない。私は郵政民営化に尽力した元財務官僚の高橋洋一氏の失脚騒動も、これに関わっている気がしてならないのだ。西川氏を含む、現在の日本郵政上層部連中と、高橋洋一氏などから事情を聴取すれば、国民が目を剥いて驚愕するような全貌が見えてくる可能性がある。そう考えると、自民党内に起きた麻生・鳩山ラインの郵政民営化見直し論が、即座に潰されてしまった背景が見えてくる。

 ここは植草さんの非凡な知性と、洞察力をフル動員してもらいたいと思うのは私だけじゃないだろう。そういう意味では、植草さんはまたしても、とても危険なゾーンに突入していると思う。彼のブログを愛読している人々は、植草さんに災難が降りかからないように注視していて欲しい。

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