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2009年7月 7日 (火)

『一人50万円の定額給付金』をマニフェストに入れれば衆議院選に勝てる(小野盛司)

     (日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第178弾です)

 静岡県知事選で与党が敗れ、これで大型地方選4連敗となった。僅差で敗れたように見えるが、実際は民主党は分裂選挙だったわけで、与党vs野党で票読みをすると大差で敗れたことになる。東京都議会議員選でも大差で与党が敗れるのは間違いないし、衆議院選でも同様だ。

 与党が逆転を考えるなら、国民がびっくりするような事を考えなければ不可能だ。起死回生の一手はある。それは政策の大転換だ。まず国民の支持を失ったのは何が原因かを考えなければならない。消えた年金問題とかかんぽの宿とか色々あったが、やはり根本的な原因はデフレ脱却に失敗し、生活がどんどん苦しくなってきた、しかも将来不安が募る一方だということだろう。過去にもロッキード事件とか、不祥事は色々あったが、国民が自民党を見放さなかったのは、経済がそれなりに好調で、暮らしに安心感があったからだ。今の与党は日本経済をここまで没落させているのに、復活のための有効な政策を全く打ち出していない。これでは、国民にそっぽを向かれるのも無理はない。与党の起死回生の一手を次に提案する。

○国民全員に一人50万円の定額給付金を支給する。

 財源は赤字国債でよい。市中消化が難しければ、市中から日銀が必要額を買い上げれば何の問題もない。日銀券ルールに抵触すると思うかもしれないが、これは口約束であり、いつでも変えられる。日銀が協力しないとなれば、政府が直接貨幣を発行する「政府貨幣発行」という手段を使えばよい。具体的には1兆円札を60枚刷って、日銀に持ち込み、それを国庫に入れることで財源を得ることができるようにする。日銀が政府に協力しないという異常事態を作り出すのであれば日銀の存在意義が無くなる。そんな日銀などいらない。

 重要なのは、これによって何が起きるかを計量経済学で徹底的に分析して国民に示すことだ。ただし結果はすでに分かっている。内閣府試算で、前回の定額給付金では2兆円の規模であり、その経済効果は0.15%だけGDPを押し上げるということだった。この30倍の規模だからGDP押し上げ効果は4.5%だ。昨年と今年で会わせて6.6%GDPを下げた。その下げた分を取り返すにはまだ力不足ではあるので、本当は更に大きな刺激が必要なのだが、日本の政治家は勇気がない。その臆病な政治家でも受け入れられるよう控えめの提案にしておこうということで、「一人50万円の定額給付金」という提案にした。

 一人1万2千円の定額給付金をもらってどうするのか、それより母子加算とか色々つかうところはあるではないかという議論はあった。母子加算等も復活させればよい。国民が望むことを徹底して応じればよい。それに加えて「一人50万円の定額給付金」をやればよいのだ。

 このような政策に国民はどう考えるだろう。定額給付金も1.2万円程度ならどうってことはないけど50万円なら話は別だ。5人家族なら250万円だ。それなら民主党のちょこまかした政策とは桁が違う。票をカネで買うのかと批判する人がいるだろう。しかし、このカネが消費を喚起し日本経済を復活させると知ったら、国民も国の経済危機を救うためであれば「いやいやながらも?」受け取ってくれるに違いない。かつては国のためなら命さえも捧げた日本人だ。国のためにこのくらいの協力をする覚悟はあるはずだ。もちろん、どうしても定額給付金は反対だという人は受け取らなければよい。そんな連中は日本経済を復活させたくない亡国論者だ。

 これは日銀がお金を刷って国民に渡すという提案だ。お金は何回でも刷れる。なぜそんなことをするかと言えば、デフレで国民一人当たり千数百万円ものお金が消えてしまったから、それを取り返すための第一歩にするためだ。返す必要のないお金であり、日本経済復活のためには、この程度のお金で足りるわけがないから、本格的に経済が回復するまで、あらゆる手段で国民にお金を渡すとうい政策を断行する。その第一歩が50万円定額給付金だ。消費税増税の話は完全に撤回するとよい。それが与党の最後の生きる道だ。そんな無責任な政策でなく、消えた一人当たり千数百万円のお金を復活させることに全力を挙げることだ。

 刷るのを止めるのは、完全にデフレ脱却できたときだ。クルーグマンの言うようにインフレ率4%を目指すのがよい。中途半端でお金を刷るのを止めると、あっという間にデフレに逆戻りするというのが歴史の証明するところだ。与党の議員達よ、今が最後のチャンスだ。日本経済を救うために政治生命を掛けよ。

 もちろん、この提案は与党に限らない。民主党でもこの案をマニフェストに入れれば大勝利間違いなしだ。

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コメント

お話の骨子は”制御されたインフレ”を実行するというお話だと理解しましたが,これで間違いないでしょうか?
日本に関しては徐々にインフレを起こしていかなければならないというのはおそらく正しいと感じます.
それは日本は外国に対する借金が少ないため,国内の貨幣価値が下がることによって,相対的に財政赤字分を縮小することもできると考えるからです.
しかし,個人的な意見としては単純にお札を刷るという行為でインフレを制御できるものなのかと思います.
徐々にインフレをおこすには,30年,50年のスパンで経済成長によるインフレを起こすべきではないでしょうか?

ですので,単純に給付金で一瞬だけのインフレを起こすだけでは,しかもそれを継続するというのは,財政を圧迫するだけで,将来的な破綻は避け得ないと感じます.

であるからこそ,自分は給付金を受け取りませんでしたし,おそらく50万円の給付金も受け取らないと思います.

投稿: tody | 2009年7月26日 (日) 16時11分

JAXVNさん、こんにちは。

 おっしゃること、私もまったく同じ気持ちです。

>この件については、いつか小野会長、丹羽春喜氏
>と植草氏との討論の機会があると良いのですが

 三者の討論を聞いてみたいのもですね。植草さ
んが万事、身辺に落ち着きを取り戻したら、私が
小野会長に頼んでみます。三者討論会を。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2009年7月10日 (金) 00時40分

びっくりモグラ様

 ご意見ありがとうございます。
>「経済学」が社会「sc[science]であるかどうか、の論議はずいぶん以前からなさ
>れております。科学を科学たらしめる必要条件の一つはーー釈迦に説法ですが
>ーー仮説を実験によって検証し、その真偽を明確に結論づけること、必定とさ
>れておりますが、実際、ポットでの「初々しい」金融工学はまだその試練に
>立たされる前に、すでに一部から、そのまやかしが証明されつつあるようです。。

経済学が社会科学であることは私もそう思いますが、決定要因や独立変数が
あまりにも多くて、わずかな条件の変化、外乱で解が大きく変わってしまう
学問であることはたしかでしょう。多変量解析というんですか。よくわかり
ませんが、数学的にも、社会の在り方をどう捉えるか、人間の欲望に基づく
行動心理をどう捉えるのか、そういうことを綿密に考え、どういう条件をいくつ
勘案して、どういう方程式を立てたかということである傾向は出るかもしれま
せんが、それが現実を捉えているかと言えば私は疑問です。経済の有様をシミュ
レーションする場合、いくつかの初期条件があると思いますが、想定した変数の
どれかが間違っていれば全体が予測できない変わり方をすることは充分考えら
れると思います。この辺は計算能力のスピードではなく、人間の洞察でしょうか。
経済のダイナミクスはニュートン力学ではなく、複雑系の科学に近いと思って
います。ブライアン・アーサーなどが初期から展開した「収穫逓増」などは
物凄い概念だと思いますが、こういう科学はたしかシカゴ大学ですよね。シカゴ
大学と言えば、新自由主義理論発祥のメッカですか。そういうことを考えると
私自身が複雑な思いに駆られます。金融工学もたしかここから出たように聞いて
います。

>今回の「50万円支給」が、インフレターゲット論」の主張とほぼ同じと考えてさし
>つかえないでしょうか?政府発行紙幣が日銀発行紙幣の紙幣とバックボーンが違う
>と盛んに言われますが、そもそもインフレ率を予期して(プラス2~4パーセント
>の直前で止める芸当)よい加減に匙加減をして、好況を招来できるとお考えでしょうか?

これにつきましては、管理人の知識では手に余るので、小野会長に直接聞いてみます。お忙しい方
ですのですぐには返事をもらえないかもしれませんが。

 ご期待に添えなくて申し訳ありません。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2009年7月10日 (金) 00時37分

たびたび失礼します。
植草氏はこの「政府紙幣発行政策」についてはご自身のブログでも否定的でしたが、「売国者の末路」でもやはり否定的な考えを述べておられました。私は、「改革派」高橋洋一氏の提唱について否定的と思っていたのですが、本を読むと小野会長の主張とほぼ同じである丹羽春喜氏の主張についても否定的に語っておられました。その主張の根拠は「モラルハザードを起こす」という事のようですが、植草氏は以前「日本経済復活の会」でも講演しておられましたし、当然大型財政出動で財政が健全化するシミュレーションもご存知のはずだと思うのですが。この件については、いつか小野会長、丹羽春喜氏と植草氏との討論の機会があると良いのですが。

投稿: JAXVN | 2009年7月 9日 (木) 20時33分

何かというと、テレビに、専門家という人がでてきて
解説をしますが、私たち、それについての素人は、専
門家のいうことだからと信じてしまいます。しかし、
このごろ、それは違うのでは、と思うことが多くなり
ました。物事が、すべて、専門化、細分化され過ぎて
全体を見たい、知りたいという欲求に応えてもらえな
いことに苛立つのです。

投稿: 一葉 | 2009年7月 8日 (水) 00時44分

>まず国民の支持を失ったのは何が原因かを考えなければならない。

支持を失わせるよう 仕向けた連中 は誰かなのかを考えなくてはならない
「消えた年金問題」を出されれば確かにその通りだと思うし
この問題に関与した役人官僚政治家は極刑にしても甘いと思うが
定額給付金やエコポイントも日本の真似を他の国もやりだしている事を考えると無駄や失策では
無いように見えるがいかがか?

確かドイツの車の売り上げがドイツの政府が日本の様に補助金をだして伸びているいうニュースが
あたような・・・

投稿: 45 | 2009年7月 7日 (火) 22時56分

まず、お断りしておきます。私は未だに「金融工学」の出自の必然性についてさっぱり理解できない阿呆モグラでございます。金融工学は、言ってみれば、近代経済学の極致、、すなわち、高度な数式を展開していかにも「科学」としての装い十分な化粧を凝らし、偏差値の高い支持者のプライドを満足させる内容になっております。「経済学」が社会「sc[science]であるかどうか、の論議はずいぶん以前からなされております。科学を科学たらしめる必要条件の一つはーー釈迦に説法ですがーー仮説を実験によって検証し、その真偽を明確に結論づけること、必定とされておりますが、実際、ポットでの「初々しい」金融工学はまだその試練に立たされる前に、すでに一部から、そのまやかしが証明されつつあるようです。。
 当然、該博な神州の神様はこの点に関してご存じだろうと思われます。失礼ながら、今回の「50万円支給」が、インフレターゲット論」の主張とほぼ同じと考えてさしつかえないでしょうか?政府発行紙幣が日銀発行紙幣の紙幣とバックボーンが違うと盛んに言われますが、そもそもインフレ率を予期して(プラス2~4パーセントの直前で止める芸当)よい加減に匙加減をして、好況を招来できるとお考えでしょうか?
 デフレの要因だけでも社会「科学」のみでなく、人文「科学」その他の援用がなけ
れ場簡単には探り当てることは難しと思います。その点で、「さとし」様の率直このな疑問はわかるような気がします。私にはこの主張のみ、「金融工学的」な発想の影響がみられると思いますが、高橋洋一氏はさておき、植草先生もこの論に賛成なのでしょうか?
 一知半解で、ものをいう御無礼をお許しください。

 

投稿: びっくりモグラ | 2009年7月 7日 (火) 21時18分

本日、早朝ブログランキングをみたとき
植草一秀教授が週間INで180,000台(詳細な数値は忘れましたが18万台は間違いありません)
で一位になっていましたが
今見ましたら178,720で二位になっていました。
週間INが減る事ってあるのでしょうか?

投稿: ぶぅりん | 2009年7月 7日 (火) 20時35分

私はこの方の言ってることに賛同しかねます。
こんな事をすれば、今以上に国民の頭は劣化するでしょう。
将来待っているのは心の崩壊です。
そんなことより質の高い教育を国民に与えることが一番の改革だと思います。
質が高く、心のある教育が、未来の子どもたちの志をも育てると考えるからです。

投稿: さとし | 2009年7月 7日 (火) 18時56分

二万円よりは増しかもしれないがさほど景気には効果が無いと思う。
実際、二万円配って景気が良くなったかな?
根本的な問題を解決しないでお金だけで解決しようなんて一時凌ぎにしかならないし、更に悪化する可能性が高い。国家は国民に対して将来の不安を取り除き安心してお金を使える環境を造らなければならない。

投稿: 無職の男 | 2009年7月 7日 (火) 14時32分

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