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2009年7月11日 (土)

ロボット技術開発に関する質問主意書と答弁書(小野盛司)

日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第180弾です)

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(※小野盛司会長 関連書籍案内

 かつて日本が高度成長をしていたときは、間もなく世界一の経済大国になると多くの人が思っていた。もちろん、世界一人口が多い国になるとは誰も考えなかっただろう。人口は少なくても、豊かになれるのだと信じていた。しかし、バブル崩壊後には悲観論が台頭した。日本は今後人口が減るのだから、経済は成長しないという論理だ。

 しかし、それは違う。人口が多くても貧乏な国は貧乏だし、人口が少なくても、お金を刷って設備投資をして生産性を向上させれば、いくらでも豊かになれる。産業革命だってそうだろう。手工業のはた織り機を自動織機に変えたら飛躍的に生産性が向上にGDPが拡大し、豊かになった。今の日本も人口減少を心配しなくてもよい。お金を刷って、適切な投資をすれば、間違いなくGDPが拡大し豊かになれる。人が欲しいと思う物やサービスをどれだけ作り出せるかがGDPであり、効率を高めればいくらでも作り出せる、つまりいくらでも豊かになれる。

 一つの例がロボットへの投資だ。ロボット技術に関しては日本は世界一だ。ここで思い切った投資をすれば、ロボットが人間に替わって労働を行うことができるようになる。ロボットは高価だというイメージがあるが、将来ロボットはロボットによって作られるようになるから、いくらでも安くなる。最も重要なのは、政府がロボット技術を伸ばすためにどれだけ投資するかだ。そこで質問主意書で聞いてみたのだが、答弁書が来たので紹介する。政府を説得する第一歩と考えて頂きたい。

質問主意書

日本のロボット技術を世界標準にするための政府の支援に関する質問主意書

 日本のロボット技術は世界の最先端を行くものであり、日本の経済発展に今後も大きく貢献していくことが期待されている。その点、政府が「未来開拓戦略(平成二十一年四月十七日 内閣府・経済産業省)」(以下、「未来開拓戦略」という。)等において、生活支援ロボット等の実用化について策定していることは評価したい。それをより確実なものにしていくには、日本のロボット技術を世界標準(デファクト・スタンダード)にしていく努力が不可欠である。

 過去において、TRONを日本の学校教育用のパソコンに採用しようとしていたことがあった。日米経済摩擦の時期と重なって、TRONはどの会社に対してもオープンソースで無料公開されていたものであったにもかかわらず、米国政府は米国企業に対してTRONは不平等な扱いをしたという不当な主張をし、スーパー三〇一条を悪用しTRONの採用を阻止した。これが結果的にマイクロソフト社のMS―DOSやWindowsの独占を支援することとなり、米国は莫大な利益を得た。現在ロボット技術において微妙な段階にあり、放置すればTRONの失敗を繰り返すことになりかねないので質問する。

一 現在、日本のロボット技術はハード・ソフトともに世界を大きくリードしており、政府が適切な支援をすれば、日本のロボット技術が世界標準になり、日本経済の発展に計り知れないほどの寄与をするとの見解についてどう考えるか。

二 日本は、急速に少子高齢化が進んでいる。今後、生産年齢人口が減少していき、労働者不足が懸念されている。しかし、次世代ロボットが人間の行う作業を代行するようになれば、労働力不足を緩和又は解消できるとの見解についてどう考えるか。

三 例えば、人間型二足歩行ロボットは、人間との共存環境下で共同・協業作業が可能であり、医療・福祉・介護・サービス等、多岐の分野にわたって活躍することが期待される。売り切りの商品でなく、そのソフトウエアの販売会社、ハードウエアを修理する企業、利用法をコンサルティングする会社、ロボット関係保険等が必要となり、自動車産業と同様に、部品産業を含め関連産業の裾野の広がりが大きい基幹産業になる可能性を秘めているとの見解についてどう考えるか。

四 現状では人間型二足歩行ロボットは商品として売り出すには値段が高すぎるために市場規模が限られていて、民間企業が本格的な開発を始めるには負担が大きすぎる。しかしながら、国がある段階まで支援し開発を進めれば、爆発的な市場拡大が期待される。少子高齢化で将来への不安を抱く国民に大きな夢と希望を与えるものであることを考慮すれば、人間型二足歩行ロボットは国の最良の投資先ではないかとの見解についてどう考えるか。

五 本格的なロボット研究開発を進めるには、人間協調・自律技術開発のための次のような施設が必要であるといわれている。
(一) 人間ロボットが現在可能な軽作業を人間と行うための模擬的な施設
(二) 人間ロボットが重作業(例えばクレーンの代わりのように使える)を行える模擬的な施設
(三) 家庭内で人間と協調するロボットを進化させるための模擬的な施設
(四) 人型ロボットの具体的な応用を産学官共同で研究開発するための施設
(五) 研究用のロボットプラットホームの保守施設
(六) ロボット保守のシステム開発を行えるような施設
(七) 将来的な実用化、輸出産業化を含め、市場に出すためのアフターケアの実験場
このような施設の設立を国が検討してはどうか。

六 ロボットは人間と関わる機械としての安全技術が確立していないことに加え、安全性の評価ができる公的機関が存在しない。さらに評価する工業規格が存在していない。これらの事情がロボット開発を妨げている。「未来開拓戦略」においては、実用化に必要な対人安全技術の開発、及び五年以内に安全基準・評価手法の策定を行うこととしているが、その詳細及び実現の可能性を明らかにされたい。
また、ロボット開発を促進する関連法の整備や、このような問題の解決方法を検討してはどうか。

七 例えば、介護の現場を考えてみよう。少子高齢化は、単に生産労働人口が減るだけでなく、貴重な労働人口の多くの介護の現場に向かわせてしまい、労働力不足にさらに拍車をかける。介護ロボットにより、要介護の高齢者は自力で生活ができることで、生活の質(QOL)が大きく向上するだけでなく、介護に拘束されていた人を別な職場に回し、労働力不足解消に貢献できるのであり、日本にとって大きな利益をもたらすとの見解についてどう考えるか。

八 大量に外国者を入れると、安い労働力が原因となって、すでに下がり続けている平均賃金がさらに下がり、国民の生活を圧迫する。大量のロボットの導入であればそのような恐れはない。しかもロボット産業は有力な輸出産業に成長する事が期待され、国を豊かにするとの見解についてどう考えるか。

九 政府は、「未来開拓戦略」において、二〇一一年までに生活支援ロボット等の国際標準化提案をすることとしているが、その詳細及び実現の可能性を明らかにされたい。

十 政府は、未来開拓戦略において、ロボット市場予測が二〇二五年に六・二兆円に達するとしているが、そのとおりであれば、大変な有望市場の形成がなされることになる。この予測の根拠、詳細及び出典を明らかにされたい。

 右質問する。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
答弁書

内閣衆質一七一第六二○号
平成二十一年七月十日
内閣総理大臣臨時代理  国務大臣  河村建夫
衆議院議長 河野 洋平殿
衆議院議員滝実君提出
日本のロボット技術を世界標準にするための政府の支援に関する質問に対し、別紙答
弁書を送付する。

衆議院議員滝実君提出日本のロボツト技術を世界標準にするための政府の支援に関する質問に対する答弁書

一、三、六、八及び九について
我が国のロボット技術は、世界最高水準にあるものと承知している。
平成二十一年度から五年間実施予定の「生活支援ロボット実用化プロジエクト」においては、我が国の産学官が協力して生活支援ロボットを製作・開発し、対人安全技術の確立を目指すとともに、適切な安全基準と安全検証手法を開発するために必要となるデータを収集分析し、これらを通じて制度の在り方を検討していくこととしている。
また、国際標準化機構においては、二千十一年までに生活支援ロボット等の安全性に関する国際規格を発行することを目指して、現在、日本、英国、スウェーデン、韓国、ドイツ及びフランスを中心に作業が進められていると承知している。今後とも、これらの取組を進め、また、国内外の市場が開拓されること により、次世代ロボット産業が、部品産業などの関連産業と共に、我が国経済の発展に寄与すること になると考えている。

二及び七について
次世代産業用ロボットや生 活支援ロボット等の次世代ロボットは、我が国における将来的な労働力の不足を補う一助となると考えている。
御指摘の介護福祉分野においては、介護を要する者、介護する者双方の事情や意思を尊重することが必要ではあるが、介護に伴う様々な負担の一部が生活支援ロボットによって代替されることになれば、介護を要する者の自立促進や介護する者の負担軽減が図られ、 もって我が国の人的資源の有効な活用に資すると考えている。

四について
人間型足歩行ロボットは、足歩行時の転倒制御に必要となる膨大な量の計算を処理するため附属機器が大型化するなど、実用面での課題が少なくないと承知している。むしろ、実用化が目前である移動作業型ロボットや人間装着型ロボットの開発への支援が必要であると考えている。

五について
独立行政法人産業技術総合研究所においては、生活支援ロボットの実用化に向けて、当該ロボットが人間との協調作業を行うための模擬的な施設等が整備されることとなっている。

十について
御指摘の市場予測は、平成十三年五月に社団法人日本ロボット工業会が取りまとめた「二十一世紀におけるロボット社会創造のための技術戦略調査報告書」において算出された、二千二十五年時点での製造業分野におけるロボットの市場規模約一・四兆円と、平成十六年四月に経済産業省が取りまとめた「「次世代ロボットビジョン懇談会」 報告書」において算出した、二千二十五年時点での生活分野、医療・福祉分野及び公供分野におけるロボットの市場規模約四・八兆円を、合計して算出したものである。

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コメント

ロボットを導入したとして、その収益は個人に還元されますでしょうか。ロボットの産み出す利益は企業の懐に入り、従業員は解雇され(可処分所得総額が減り)、結局経済がポシャりそうな予感がしますが…。
それより小野さんには、消費税が今現在何%経済を押し下げているのか、政府の計算通り消費税を増税したとして、経済を何%後退させるのか計算していただきたいと願っております。餅は餅屋と申します。私にはそんな計算はできませんので、専門の方の見解に頼るしかございません。
私のカンでは、消費税増税が経済を冷え込ませるため他の税収が激減し、計算通りには財政が再建できないと思っております。

投稿: まる出し馬鹿 | 2009年7月13日 (月) 00時38分

答弁における問題点は以下です。

「国際標準化機構においては、二千十一年までに生活支援ロボット等の安全性に関する国際規格を発行することを目指して、現在、日本、英国、スウェーデン、韓国、ドイツ及びフランスを中心に作業が進められていると承知している。」

作業ロボットの安全基準をグローバル化しようとすること。日本政府がその動きに協力していこうとしていること。

経済のグローバル化を強引に推し進めた挙句の果てに、今世界は、いやこれから世界はどんな過酷な修羅場を迎えようとしているか。この現実を直視すれば、「ロボットの安全基準の国際標準化」とやらが一体何を意味するかは一目瞭然です。

政府の一部のこのような動きには注意しなければなりません。TRON の二の舞になってしまいます。日本はまたもや世界一の技術と可能性を米国に潰されてしまいます。TRON の時の文部省に代わって今度は経済産業省が投資や採用などの様々な局面で「待った!」を掛けてくる可能性があります。産業スパイ省ですから。ロケット開発は散々やられてしまいましたから。日本人の皮をかぶった「売国奴」たちはまたぞろ日本の技術の向上をぶっ潰そうとてぐすね引いて待ち構えているに違いありません。

そのためにも早くから国会などで問題にしていけばいいのですね。国民がこのような状況を知り、この産業を国民が応援し守っていこうとする意識を高めていかなければならないのですね。

ようやく神州先生がこの本を取り上げた意図が合点できました。

やはり日本は「ガラパゴス」と揶揄されようと、世界に向けてイイカッコせず、コツコツとこの世界一の技術を高めていくことが大事なんですね。そうすれば、世界の方から日本に擦り寄ってくるはずです。自動車からロボットへ。ソニーもトヨタも既に軸足を移しているように思われますが。

(最後のシャシャリです。長い間ありがとうございました。)

投稿: NE | 2009年7月12日 (日) 14時08分

ロボットは将来、自動車の次の巨大産業になるだろう。
ペットとと同じで一家に一台は常識になると思う。
家事、介護、遊び相手、恋人、配偶者の代わりに活躍してくれるだろう。
また、軍事用に開発すれば無敵の兵士も造れるだろう。
ロボット産業がお金を生んで豊かな社会が出来るかも知れない。
でも、行き着くところは??????????

投稿: 無職の男 | 2009年7月11日 (土) 23時20分

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