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2009年7月14日 (火)

植草さんのレクチャーの何が小泉純一郎氏を激怒させたのか!?

 植草案件は小泉政権以降の自民党にとって、依然として国政を左右する大きな象徴となっている。ただ、多くの国民はこの事実を知らないと思う。マスコミが徹底して封じているからだ。今この時期に植草さんがもうすぐ収監されることの政治的な意味を考えれば、そのことがよくわかる。植草さんは今日の記事で、情報発信が絶たれることへの憤懣を表している。

「決戦の総選挙が行なわれ、選挙後に新政権が発足する最も重要な時期に、発言を封じられることに、激しい憤怒の念を拭えないが、政権交代を希求する多くの国民が賢明な選択を示してくれることを私は確信している」

 先月(6月)25日、最高裁の近藤崇晴裁判長は、植草さん側の上告を棄却、懲役4月の実刑を出した1、2審判決が確定したが、収監の時期が刻一刻と近づいている。裁判官の主文は以下の通りであるから、120日(懲役4月)から未決拘置日数の60日を差し引いて、実効的に収監される日数は60日(2ヵ月)だと思われる。

    【主文】
 1 被告人を懲役4月に処する。
 2 未決拘置日数中60日をその刑に算入する。
 3 訴訟費用は被告人の負担とする。

  13日、麻生太郎首相は衆院解散総選挙に関し、「今月21日の週に解散、8月30日投開票」とすることを決めた。今までの麻生政権のダッチロール(迷走)状況を見れば、8月の解散総選挙はある程度予想されていたと考えても不思議ではない。現権力側は、この時期を睨んで植草さんの強制収監を決めたものと見える。もとより、植草事件は二度とも、小泉官邸主導(独裁)政治の謀略であり、典型的な言論弾圧事件である。

(1)2004年4月の国策捜査事件 : 品川手鏡事件、非番警察官の付け狙ったかのような不自然な追尾、官憲側によって、モニター証拠画像が故意に消去隠滅された。

(2)2006年9月の国策捜査事件 : 一審第二回公判に検察側が用意した目撃証人が現れたが、その信憑性はきわめて低いものだった。管理人もこの公判を傍聴しているが、この証人は植草さんを取り押さえた一人を「車両の前方の方から私服の男性があらわれて、女子高生に話しかけました 」と言っている。(第二回公判速記録の481参照)

 (※ 2006年の事件では、確度の高い情報によれば、電車の中で異常な膂力(りょりょく=腕力)の人間が植草さんを押さえつけながら駅員室に連れて行く途中、その片方の者が、携帯電話で警察署に直接電話している風景を複数の駅員たちが目撃しているのだ。一般人による逮捕事例ならほとんどあり得ないできごとだと言ってよい)

 事件について詳しいことは、植草さんの赤いデザインの著書「知られざる真実ー勾留地にてー」やその他にも書かれている。管理人は、植草さんが2006年9月13日に、2回目の国策捜査事件に遭遇した翌日、14日から植草事件について調べてきた。権力側は植草さんの性癖論を固定化するためにメディアを使い、本人が抗弁できない環境で、警察が一方的に垂れ流した「国策報道」を怒涛(どとう)のように報道した。

 植草事件を仕掛けたのが官憲であることはほぼ推測が付くが、それを指揮命令した大元の人物(個人か複数)が政治中枢にいたことは間違いない。仕組んだ者は、小泉・竹中構造改革路線をマクロ政策として定め、それについて、きわめて大きな決定権を持つ人物であることだけは間違いない。警察、検察、裁判官を、己(おのれ)の描くストーリーどおりに動くことを命令し、事件直後、京浜急行電鉄にいきなり緘口令(かんこうれい)を敷いた存在が何者であるかを考えた時、この事件の巨大な政治的背景を想起しないほうがおかしいのである。

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 植草さんが糾弾した小泉政権の対象は実は二つある。一つは小泉政権のマクロ政策への批判であり、もう一つはりそな銀行の破たん処理に絡む大掛かりな政府金融犯罪の疑惑である。植草さんは、第一次小泉内閣発足の一年前に、日経新聞社長・杉田亮毅氏の仲介で小泉純一郎氏へ進講(レクチャー)に行った。この時、小泉氏と一緒にいたのが中川秀直氏であった。あまり知られていない話だが、小泉政権の官邸主導政治を確立した人物が中川秀直氏である。中川秀直氏と言えば、竹中平蔵氏とは別な意味で最もラディカルに小泉構造改革を推進した人物である。郵政民営化反対議員の復党問題の時、安倍元首相の権限を越権して「踏み絵」を行ったのもこの人物だ。

 この時、小泉氏は植草さんのレクチャーをまともに受けず、怒って遮り、自論を滔々(とうとう)と述べたらしい。管理人の直感だが、この時、小泉氏が植草さんが行ったレクチャーの何に怒り狂ったのか、かなり自信を持って言えることがある。それは、おそらく双方の緊縮財政政策への見解の相違からではない。植草さんが郵政民営化改革について、小泉純一郎氏の逆鱗に触れることを意識せずに語ったからだ。

 植草さんはこの時、小泉氏に二つの意見を言っている。その一つが1990年代の日本経済と経済政策の相関関係の説明である。経済の安定成長を重視しないと税収回復も中長期的な財政再建も難しいということ、やみくもに緊縮財政を行うと実体経済も駄目になるということを言った。小泉氏の意に沿わなかったようだが、マクロ政策の一つの提言であるから、政治家たるものは反対でも黙って聞く度量を持つべきである。

 さて、管理人は小泉氏が怒り狂った真の理由は、植草さんの次の正論を聞いたからだと確信する。それは、「政府が郵貯や簡保の資金を集めて、それを道路公団や政策金融機関、あるいは公益法人に流すという巨大な財政投融資の仕組みがある。ここに日本の非効率があるという点については私も同意する。しかし資金の『入り口』である郵貯・簡保より、『出口』である事業実施機関や特殊法人、公益法人のほうに無駄がある。だから改革をするなら、入り口よりも出口の方が大事だ」 (「売国者たちの末路」P86から)

 植草さんは、すでに2000年(?)のこの時点で、郵政民営化について、至極まっとうな方向性を示唆していた。もし民営化するなら、郵政資金を管理する金庫をどうするかではなく、運用先の改革、健全化こそが本質だと言っているのだ。ところが小泉純一郎氏はこれに著しく機嫌を損ねたようだ。その理由は管理人が何度か最近の弊ブログで指摘したことと大いに関係がある。賢明な読者さんならもうお気づきだと思うが、それこそが『四分社化』なのだ。

 小泉純一郎氏の頭の中には、国民のための郵政民営化という視点などはまったくなかった。彼の頭の中にある民営化構想は、『出口』改革は皆無であり、『入り口』だけだったと思う。340兆円に及ぶ莫大な郵政資金が収納されている『郵政三事業一体』をばらす(分社化)ことで、金庫の扉を開けることを頭に描いていたからだ。

 野中広務氏は、鳩山邦夫氏とのテレビ対談の中で、(小泉政権は)郵政公社法案をこれ以上の改革はしないと決めておいて、いきなり民営化の方向に走ってしまったわけだから、そこにはどんな変化があったのか、アメリカの動きと対比して検証する必要があると言っている。これは管理人の言い方をするなら、郵政公社という三事業一体経営から、民営化と称して四分社に移行した経緯が、理由や必然性を含めて不明瞭だということになる。竹中平蔵氏は四分社化の理由を『リスク遮断』で押し切った。誰がこんな詐欺まがいの理由で納得するというのか。

 四分社化は故・吉川元忠氏が断言したように、分社化することによって、外資がM&Aをやり易くすることが目的なのである。日本郵政株式会社の経営権さえ掌握すれば、郵政グループが抱える国有財産(国民の共有財産)はどうにでもできる。あと恐ろしいのは、郵貯・簡保が蓄えている膨大な個人情報が米系外資に筒抜けになることだ。(国富消尽P98参照)

 政権交代直前のこの重要な時期に、植草さんに情報発信させないように、今このタイミングで植草さんを牢獄に閉じ込めることは、政権を奪取した民主党が小泉政権の悪を暴露する時、植草さんが最も有力な人物となることをよく知っているからだ。彼ら(偽装CHANGE勢力)にとって、植草さんは真相を暴露する最も厄介な存在と言っていいだろう。

 植草さんと竹中平蔵氏の関係も書く予定だったが、長くなったので別記事に書きたい。

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コメント

小泉氏は自民党総裁になるまでは、猫をかぶっていたと思われる。加藤氏、山崎氏も、小泉氏の本姓を知らなかったのではないだろうか?最高権力を握ったとたんに、本姓をむき出して、行ったのが構造改革という名の下に、日本の制度をアメリカ型にすること、アメリカの要請によって、しゃりむり郵政民営化を強行したこと。それも冷酷非情な手段で行ったことは、それまでの小泉氏を知るものに取って予想だにしてなかったと思います。そらが数々の権力を行使しての反対者の粛清おも生み出したのではないでしょうか。
正に、日本も恐ろしい人物を総理大臣までにしたものである。その反動が、今の自民党の凋落を生んでいるものではないでしょうか。

投稿: | 2009年7月15日 (水) 16時21分

故山本七平氏が戦後日本の復興期を少年、高度成長期を青年、安定成長期を中年に例えたが、バブル崩壊後の日本は老年、小泉竹中改革はそのお年寄りたちを騙してカネを巻き上げる詐欺師の集団だったのだろう。
しかし、国民も今回の都議選では目がさめていた。自民党や大手マスコミは、いつまでもIQの低いB層に劇場を見せていれば騙せると思っていたら思わぬしっぺ返しを食らった。
民主党が政権をとったら、まず老人を相手にした郵政振り込め詐欺の一味の悪を暴き、カタをつけるところから始めなければならない。

投稿: キビノコーイチ | 2009年7月14日 (火) 22時42分

この度の都議選結果は国の騙しに都民(国民)が気づき始めたからの事と思う。テレビも、新聞も、ネットも、嘘には無理があり、真実というものはやはりわかる。真実を訴えられ、捏造事件で有罪との判決は到底受け入れられるものでない。

投稿: ななし | 2009年7月14日 (火) 21時45分

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