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2009年7月17日 (金)

民主党政権樹立に見えるアメリカの焦燥感

 ●小沢一郎氏「第七艦隊」発言の余波
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米国務次官補、「核の傘」で日米定期協議 「同盟揺るがず」

 来日中のカート・キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は16日、都内で日本経済新聞と会見し、米国が日本に提供している「核抑止力」の強化方法を巡り、日米政府間で定期的に協議していく考えを明らかにした。18日に開催する日米安全保障高級事務レベル協議で初めて公式議題として取り上げる。日本の政局については「日本国民、政治システムを深く信頼している」と述べ、いずれの政党が政権与党となっても日米同盟の基盤は揺らがないとの認識を示した。

 いわゆる「核の傘(拡大抑止力)」を巡る問題について、キャンベル氏は「(日本への)核抑止力を保証するためにできることは何でもやる」と言明。     http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090717AT2M1603A16072009.html  より一部引用

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 このニュースには、政権交代で民主党政権が樹立することに対して、米国の強い憂慮感がありありと見て取れる。戦後、一貫して対米従属関係を維持していた我が国にとって、今の時期に米国務次官補がこのように対日関係に言及したことは非常に重要である。これは米国が日本に対して、日米安全保障条約という対日属国条約は不変であるから、その事実は絶対に忘れるなよと威嚇的なテコ入れをしているのである。

 アングロサクソン諸国が普通に敷いている二大政党政治体制から言えば、日本が自民党から民主党へ政権交代することは、その国家理念から言っても歓迎すべきことであるはずだが、米国は日本の政権交代に対して強い焦燥感を持っている。その理由は実に明白であり、米国は日本を自分たちの支配する属国であり、米国政府の意に沿わない政権与党が実現することに大きな警戒感を有している。普通なら、日本が民主党の支配体制になっても、今までのように従順に言うことを聞いてくれるなら、米国にとっては何ら問題は生じないところだったが、民主党には小沢一郎という米国にとって未知の因子が控えている。

 第一次湾岸戦争の頃は、小沢一郎氏と米国は宗主国と属国関係の轍を外さない関係にあったと思うが、その後、小沢氏は米国に対して立ち位置を変えたと思われる。その明白な証左が2月に小沢氏の語った「第七艦隊発言」である。以下はその要旨である。

「米国もこの時代に前線に部隊を置いておく意味はあまりない。軍事戦略的に米国の極東におけるプレゼンス(存在)は第7艦隊で十分だ」と述べ、将来的に日本に駐留する米軍は海軍関係だけで十分との認識を明らかにした。「あとは日本が自らの安全保障と極東での役割をしっかり担っていくことで話がつくと思う」とし、政権交代した場合、国連活動への協力などを通じて在日米軍基地の整理、縮小に取り組む考えも示唆した。小沢氏は「米国に唯々諾々と従うのではなく、私たちもきちんとした世界戦略を持ち、少なくとも日本に関係する事柄についてはもっと役割を分担すべきだ。そうすれば米国の役割は減る」と強調した」(2月25日産経ニュースより)

  これは国際的に見ても、実に理路整然とした正論である。しかし、属国根性にどっぷりと浸かった自民党員からは「馬鹿げている」とか「間違っている」とか痛烈な罵声を浴びせられたが、この小沢発言こそ、戦後の従属国家から脱却する重要な発言だと思う。アメリカは民主党政権が樹立した時、小沢氏の影響力の強い政権では、民主党が経済的にも軍事的にも属国政治から浮上して、米国に対等的な関係を求めてくることを懸念していると思える。

 日本が独立志向を持つと、米国は日本から収奪ができなくなる。何よりもせっかく、何年も綿密な計画を実行して仕掛けた対日内政干渉の労苦が無駄になる。郵政民営化収奪も含めて日本国富の刈り取りを寸前に控えていて、小沢一郎氏の考える自立志向の強い政権が立ち上がったら、困るのはアメリカである。だからこそ、アメリカは今まで露骨に日本には言わなかった「アメリカの核の傘下」という現実を日本人に再確認させているのだ。

 はっきり言って、日本がアメリカの核の傘下の外に出たら中国の核攻撃が現実になるぞと脅しているのだ。日本人の踏ん張りどころはここである。アメリカの核の傘下は実にありがたいが、そのために国民生活を逼迫させる膨大な資金をアメリカに用立てるのは、すでに限界に来ている。これ以上、国富がアメリカに移転したら、核攻撃に遭わずとも日本は壊滅状態になる。というか、金融危機の波がこれから襲来するアメリカに日本が巻き込まれて、心中するわけにも行かない。具体的には、これ以上米国債をドル建てで買うのは国家の自殺行為に等しい。従って、日本は日米安全保障条約を対等的に持っていくことで、従属の位置から脱却するという姿勢を示すことは肝要だと思う。

 年次改革要望書も、郵政民営化も、基本のところでアメリカの言いなりになってしまうのは日米安全保障条約の非対象性に問題があるからだ。これを正常な形に持って行かずして、日本の自立化、脱属国化はない。小沢氏の第七艦隊発言は、当然の帰結として日米同盟の対等的締結を志向する。今の日米条約のままで日本が憲法第九条を改憲して交戦権を付与した場合、日本は独立どころか米国の傭兵国家になる。だから管理人は現状の九条改正には絶対に反対である。真に日本自立のために九条改正を行うなら、日米同盟の対等性を確保してから行うべきだ。

 民主党政権になっても、小沢一郎氏の脱米志向が政策に反映しなければ、日本は恒久的にアメリカの財布として使われ、下手すればアメリカの犯罪的な戦争に若者が借り出されてしまうことになる。こんな状況で国民の幸福は実現するわけがない。管理人は小沢一郎氏の豪腕に期待する。日本を本当に思って国政を運営するなら、アメリカの桎梏から離れた国家のあり方を模索するべき時に来ている。アメリカに頼る気持を捨てたら、日本は中国軍と堂々と対峙できるまともな国家になる。中国や半島が日本に居丈高になるのは、日本がアメリカへの従属体制に甘んじているからだ。

「米国が日本に提供している「核抑止力」の強化方法を巡り、日米政府間で定期的に協議していく考え」とは、米国が日本人対して、対米従属構造にあることを徹底的に再教育するぞということにほかならない。

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コメント

一葉さん

 こんにちは。

>麻生首相は、少なくともアメリカに抵抗を試みら
>れたのです。そして、田中元首相と同じく、アメ
>リカの虎の尾を踏んでしまわれたのではないので
>すか。

そうなんですね。今記事を書いていますが、麻生
氏のブレの本質は傍目で見られているように彼の
脆弱な指導力というものではなく、アメリカに対
する命がけの抵抗だった可能性が高い。そうとう
強い力が働いたというのが、あの迷走の真実でし
ょう。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2009年7月18日 (土) 13時15分

反麻生の会合に、鳩山邦夫さんが出席されているのを見て、
私は、とても悲しくなりました。たとえ、裏切られたとして
も、いったん、支えようと思った人を、すぐに、批判したり、
反対行動に出るのではなく、最低、沈黙するという選択をし
てほしかったと思うからです。

麻生首相は、少なくともアメリカに抵抗を試みられたのです。
そして、田中元首相と同じく、アメリカの虎の尾を踏んでしま
われたのではないのですか。それに対するアメリカの怒りが、
どれほど凄まじいものかを、田中元首相の秘書をしておられた
鳩山さんは、お分かりにならなかったのでしょうか。(あの事件
を、自分の中で、どのように総括されているのでしょう)また、
最も近いところにいて、首相の苦悩を感じられることはなかった
のでしょうか。

昨晩、「鬼平犯科帳」を見ていて、当時の日本人は、義理や人情
のために、簡単に死ねたんだと思って感動しました。(感動の殆
どは、羨望ですが)

今回の自民党の醜い内乱劇で、「惻隠の情」や「武士の情け」や
「男の友情」といった「情」の片鱗でもないかと、目を凝らして
いましたが、何も映りませんでした。鳩山さんが、沈黙を守るか、
首相を庇うような発言をされていたら、私は、唯一そこに、「日本
人の情」を見ることができたのに、残念でした。
鳩山さん、男を下げましたね。

投稿: 一葉 | 2009年7月18日 (土) 10時01分

ほぼ、管理人に同調します。
仕組まれた太平洋戦争から日本の植民地化が始まっています。
当時の対米大使は日本の宣戦布告をわざと伝えないで日本を卑怯な国に米国民にアピールのきっかけを作りました。
その当時の宣戦布告の連絡を遅らせた本人は外務省で立身出世したそうです。
そして現在まで米国の売国奴になった人達は例外なく権力の中枢に着いているのです。
小沢さんはこの流れを徐々に変えて行くのかも知れません。
滅亡寸前の米国よりこれからは近くのアジアの国々と一緒に発展していく方向が現実的に理想と思います。

投稿: 無職の男 | 2009年7月17日 (金) 20時26分

へえ、中国軍に対峙する国家になるのですか。素晴らしいですね。
だとすれば日本も独自に軍事力の強化、核武装の議論もしなければなりませんね。

投稿: R2 | 2009年7月17日 (金) 20時03分

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