首相の所信表明演説感想!!
鳩山首相の所信表明演説をyoutubeで、じっくりと聴きながら、同時に最後に記してあるニュース・リンクの活字を追ってみた。内政的な指針に関しては、植草さんが「無血革命成功」と言うほど素晴らしい演説であり、大いに納得した。首相は、小泉政権が強く導入し、安倍、福田、麻生政権に受け継がれた、暴力的で極端な市場原理主義一辺倒路線からの離脱を表明した。小泉政権以降の日本は、アメリカ主導の新自由主義路線によって、とことん傷つき、見る影もないほど社会の活力が疲弊した。
デフレ脱却がままならず、中小零細企業は経営が極端に困難になった。自殺者は年間3万人を下らない。大企業や外資系企業の優先、国民無視、人間無視の非道な政治路線は、国民に静かな怒りを持たせ、ついには自公政権に“ノー”が突きつけられた。政治は政策出力がすべてである。すなわち結果で判断される。小泉政権やその継承政権が生み出した結果は、格差社会を生み、再配分の極端な不平等性が国民を苦しめている。
小泉純一郎元首相の威勢のよいワン・フレーズ・ポリティクスは国民を幻惑し、竹中平蔵元経済財政・郵政民営化担当相は、その場しのぎの饒舌で国民を煙に巻いた。彼らの政治路線は、特に弱いもの、小さいものをとことん痛めつけた。新自由主義の蔓延は、セーフティネットの急速な破壊をもたらし、国民生活をどんどん不毛な方向へ押しやっていた。これが国民の我慢を臨界点に導いた。
鳩山首相は演説の中でこう言っている。
「かつて、多くの政治家は、『政治は弱者のためにある』と断言してまいりました。大きな政府とか小さな政府とか申し上げるその前に、政治には弱い立場の人々、少数の人々の視点が尊重されなければならない。」
「障害を持った方たちも、あるいは高齢者も、難病の患者さんも、人間は、人に評価され、感謝され、必要とされてこそ幸せを感じるということを、この逸話は物語っているのではないでしょうか。」
「私が尊敬するアインシュタイン博士も、次のように述べています。『人は他人のために存在する。何よりもまず、その人の笑顔や喜びがそのまま自分の幸せである人たちのために。そして、共感という絆(きずな)で結ばれている無数にいる見知らぬ人たちのために。』」
鳩山首相は、『人間のための経済』や、『いのちと文化』ということを強調する。その方向性は絶対に必要である。政治は少数者や弱者をいかに人間らしく扱うか、万民幸福の願いが基本にあってほしいと思う。国民の命や財産を守り、明日への希望を持続させることが政治の役目だと思う。国民を無視して大企業や一部の富裕階級だけ優遇し、階級格差社会を固定化するような政策は論外である。小泉政権が敷いたそういう方向性は、非人間的な搾取政治であり、日本全体を脆弱化するだけである。
とにかく今は、傷ついた国民や小さな企業を回復して、ネオリベ政策によって荒廃した社会を建て直すことだ。格差を是正して早めに国民の不満を除かないと、大変なことになる。その意味では鳩山首相の人間回復の経済や生活重視の展望は時宜を得たものであり、不退転で優先してもらいたい。内政に絞って言うなら、小泉政権は国民疎外の売国金融資本主義政権であり、その象徴的人物は竹中平蔵氏やホリエモンである。
一方、鳩山政権を象徴する人物は福田えりこ氏だと思う。薬害肝炎被害者は、弱肉強食の小泉政権から見れば、最も早く社会からボイコットされる存在である。その福田氏が現政権では民主党の衆議院議員となっている。福田氏は立候補の動機を「悪しき政治によって命が奪われることはあるが、政治が正しく機能すれば多くの命を救えるのではないか、それこそが政治の本来の使命なのだと気がついた」と語っている。私も全面的に賛同する。悪しき政治の端的な事例は小泉・竹中構造改革路線だ。大企業や外資系企業の営利主体だけを優遇し、肝心の人間を犠牲にする悪政の典型だ。
特に小泉政権は、アメリカの犬に成り下がり、株価の誘導操作(りそな救済)を行う、後期高齢者医療制度という姥捨て法案、障害者から搾取する障害者自立支援法、母子加算手当ての廃止、思いっきり胡散臭い裁判員制度、そして郵政民営化というインフラ破壊兼売国法案を生み出した。国民を苦しめ、国民を重税で搾取し、若者や老人の希望まで奪い去った極悪政権だった。
小泉政権は、いろいろな社会学的視点で分析できると思うが、こういう捉え方もあるかと思う。あの政権は、物事の価値観を市場原理のみに特化し、他のすべての価値観や人間の属性を捨象した社会ダーウィニズムである。弱肉強食の金銭至上主義である。強い者、ずる賢い者が金銭的利益を得るためなら、他者の健康も幸福も顧みず、社会の安全も関係ない、自分だけの利益のみで物事を進めていく。社会の健全性保持に不可欠な公益精神が破壊される。文化も、他者の生命も、環境もないがしろにして恥じない自意識を持たざるを得ないように強いられるのが新自由主義社会だ。
私の知る限り、政権交代を「無血革命」なる言葉で表現した人は植草さんが始めだったように思う。鳩山首相の演説は非常に説得力があり、人間のための国政を志向していることには大いに感動した。確かに首相は国民を守ろうとしている。だが気になることもあった。外に対しては、明確な国防概念が語られていなかった。国民を守ることは二重の要素がある。一つは、国内的に政治と経済の適切な運用で国民益をもたらすことであり、もう一つは外国からの脅威に対して有効な防衛策を講じることだ。
国内と国外の二重の防衛を果たしてこその国政である。首相には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という、空念仏のような憲法前文に惑わされないでもらいたい。国際社会は冷徹である。
下記リンクは所信表明演説の全文である。
産経 所信表明(1)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091026/plc0910261442009-n1.htm
産経 所信表明(2)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091026/plc0910261452010-n1.htm
産経 所信表明(3)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091026/plc0910261456011-n1.htm
産経 所信表明(4)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091026/plc0910261503012-n1.htm
産経 所信表明(5)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091026/plc0910261514013-n1.htm
産経 所信表明(6完)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091026/plc0910261517014-n1.htm
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コメント
帽子をかぶる頭であり、理容店に行く頭でもあります。あたまがなかったら理容店に行ってもしようがないですから。
投稿: | 2009年10月28日 (水) 22時33分
バカマスゴミは、「脱官僚」と郵政民営化見直しの区分すら出来ぬらしい。
それとも、敢えてしないのか?
でも、多分前者の真性の馬鹿が跋扈している世界のようなので、頭の整理をしておくべきでしょう(バカマスゴミの馬鹿な従業員はこのブログのような真実を追求するものは避けようとするでしょうが、なかにはまともなひともいるでしょう)。
「脱官僚」というのは、政策協議、法案審議の場において、本来は「選挙」によって選ばれた国会議員が主体となってこれらを進めることであり、ここに官僚の(保身的)介入を許さない、ということです。
一方、郵政民営化見直しというのは、政策協議とか法案審議のステージではなく、どのように国民財産を守るか、国民同士の通信手段を保ち続けるかを模索する「行政現場」の話です。
ちょっと考えればわかることでしょうけど。やつらの頭は帽子をかぶるためだけにあるんでしょうかね。
とくに、よみうりテレビは、郵政民営化見直しは「脱官僚」に反するんじゃないの~? とさまざまな情報番組でいちゃもんつけています。あそこはウェークアップとかたかじんとか低俗・卑俗な情報番組ばかりです。
(半ば冗談ですが)よみうりテレビだけ、電波割り当てにおいてつまはじきにしてはどうでしょう。あんなテレビ局およびその看板解説委員はつぶれて食いっぱぐれろ!! そうなったら、絶対に「おれたちを助けろ~」とか叫ぶにきまっているんですから。
投稿: ろくぶんぎ | 2009年10月28日 (水) 15時18分
ろくぶんぎさま、かっちょさま、大変尤もなご意見でした、同感。
投稿: | 2009年10月28日 (水) 12時07分
管理人様
首相の演説、これで肯定的な評価を知ったのは3人目です。政治ブログの見出しやヤフーの新聞の見出しも弟さんの「酷評」が強調されており、そんなに変だったのかとがっかりしていた次第です。
でも、お三方の評価を聞いてよかったと少し元気になりました。
お念仏にならないように国民が見張り役を努める必要があります。引き続きお導きの方をよろしくお願いします。
また国防に関しては本日28日の「田中 宇」」の「世界のニュース」をお読みくださいませ。
投稿: おばさん | 2009年10月28日 (水) 09時49分
鳩山総理の所信表明演説全文を読み、前の記事では最も心に打たれた演説の部分についてコメントさせていただきましたが、まさに大きな政府とか小さな政府とか言う前に弱者や少数者の視点が政治において尊重されなければならない、という総理の熱のこもった演説を読んだ際に、涙があふれてきました。
そしてこれは直接的ではないにせよ、小泉鈍一郎・竹馬鹿平蔵により主導された新自由主義政治の否定です。
個人的には、もう少し「祖国日本の独自の歴史とこれに裏打ちされた伝統・慣習」という視点を演説に盛り込んで頂きたかったのですが、これを差し引いても、新自由主義の人間ポイ捨て政治は否定するぞ、平成維新を断行するぞ、という強い意志は伝わってまいりました。
日本郵政後継役員人事が発表されましたが、官僚経験者で固めることに対して、マスゴミが「民営化の流れに反していますね~、脱官僚はどこにいったんでしょうか~」とかいったバカなコメントを垂れ流し、国家国民を一身を賭して守ろうとされている亀井大臣の足を引っ張る報道ぶりでした。
これからは、返済猶予法案、日本郵政株式売却凍結法案等が臨時国会に提出されますが、これらの審議と並行して、是非、小泉鈍一郎・竹馬鹿平蔵の証人喚問を行い、奴らが嘘吐き売国奴であることを国民の記憶と記録に明記しなければならないと思います。これこそが自公腐敗売国政権の所業を総括することになるのですから。
鳩山総理は「無血の平成維新」といわれましたが、「無血」はありえません。
国民をだまし、愚弄し続けてきた小泉鈍一郎・竹馬鹿平蔵・宮内義彦・人買いの奥谷禮子・労働者ポイ捨てマンセーの奥田碩・御手洗の証人喚問を行い、彼らの売国性を曝露し、二度と彼らが社会的地位を回復できないようにする必要があります。奴らの血は流れなければならないのです。
そして、忘れてはならないのは、先の記事のコメントにも書かせていただきましたが、創価学会名誉会長池田大作および衛星政党公明党の諸幹部の証人喚問も忘れてはいけません。
この団体は、人の苦境に付け込んで宗勢を拡げてきただけでなく、政界にも公明党という衛星団体を作って侵出し、政権や行政各所に影響力を浸透させてきました。そして「生活を守る」とか言いながら、国民生活の破壊という売国行為に協力してきたのです。そりゃそうですよね、貧しい人が増えればそれだけ奴らは付け入ることのできる先が増えますから。そして「清く正しく美しく、そして貧しく」を逆手にとっているわけです。
それに公明党は本来の母体は、異論は邪宗と断じて天文法華の乱とか戦争ばかりしかけててきた、法華宗(日蓮宗:日蓮の系統でいくつか宗派があることは承知していますが、ここはあえてひとくくりにします。母体が、異論を邪宗として聞く耳もたず戦争を仕掛けることもいとわない性質の日蓮であるからです)であり、このような団体は、日本の伝統にそぐいません。また民衆政治の基本にも反しています。彼らをみてヴォルテールは何と言うのでしょうか。
投稿: ろくぶんぎ | 2009年10月28日 (水) 09時02分
新聞で全文を読みましたが、政治が変わっていくのかも!!?と期待を感じさせてくれる名文でした!!
『国民のいのちと生活を守る』友愛を基調とする政治姿勢を表明し、支えあって生きていく日本!!の実現を目標とすることを宣言し、経済政策においては、自由競争ばかりに偏った弱肉強食の市場原理主義から、『人間のための経済』への転換を宣言しました。
しかし、青森遊説での逸話~ボクも新聞記事を切り抜いて保存していたのですが~息子が職に就けず自殺した年配の女性が、絶望の中で握手した鳩山氏の手を離さなかったという話の最中に、自民党席から叫ばれた野次=「そんなものどこにでもいるよ!」
あまりに酷い!とネット上でも大ひんしゅくですが、企業目線の自民の体質なればこその暴言に、開いた口がふさがりませんでした!!そんな人間が国会議員であることの寂しさ、そんな人間を代表として選んだ選挙民の民度の低さにがっかりしました!!
そして、注目芸能人の初公判を首相の所信表明の日に合わせて設定するあたり、司法権の内部にも悪徳ペンタゴンの影響力がおよんでいるんだ!と実感させてくれました!!(-_-#)それを大きく報道するテレビ局!よっぽど鳩山演説を国民に見られたくないんだな!と、彼らの大きな意図を感じずにはいられませんでした!!!
また感動の鳩山演説をスタンディングオベーションで迎えた与党議員の喝采に対し《ナチスのヒットラー礼賛》になぞらえる下品さにはあきれました!!
しかし、崇高な友愛政治を現実のものにしていくためには、非常に大きな困難を乗り越えていかなければならず、険しい道のりだと言わざるを得ません!
何よりどん底状態の経済をどうやって回復させるか?すばらしい理想を掲げられても、仕事をなくし明日の生活が不安なままでは支持は長続きしません。まして外資・大資本に依拠するメディアは些事を大きく取り上げ攻勢一方!宗主国は巧みな甘言で従順な骨抜き政権にしようと画策してくるでしょう!!
1億2千万人が住む大国日本を、マニフェスト通りに簡単に短期間で方向転換できるわけないと考えます。マスゴミの性急な攻撃に屈せず、崇高な理想に向かって時間をかけて少しづつ方向を変えていっていただくことを期待しています。そして4年後には、多くの国民が明日への希望を持てる社会になっていることを望みます!
投稿: かっちょ | 2009年10月28日 (水) 09時02分