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2009年11月29日 (日)

植草一秀氏と高橋洋一氏に対するテレビの向き合い方の違い

  金曜日の夜、テレ朝の「朝まで生テレビ」を見ていた。タイトルは「激論!”官僚”がホントに悪いのか?!」、下記のゲスト論客はあるサイトから引用した。

大塚耕平(民主党・参議院議員、内閣府副大臣)
細野豪志(民主党・衆議院議員、党副幹事長)
山本一太(自民党・参議院議員、元外務副大臣)
小池晃(日本共産党・参議院議員、党政策委員長)

石川和男(元通商産業省、東京財団上席研究員)
猪瀬直樹(作家・東京都副知事)
木村盛世(厚生労働省医系技官、「厚生労働省崩壊」著者)
高橋洋一(元財務省、元内閣参事官、「さらば財務省!」著者)
中野雅至(元厚生労働省、兵庫県立大学大学院准教授、「公務員大崩落」著者)
長谷川幸洋(東京新聞・中日新聞論説委員、「日本国の正体」著者)
山田厚史(朝日新聞シニアライター)
若林亜紀(ジャーナリスト、元特殊法人勤務)

Middle_1238549837_2  特筆すべきは元財務官僚の高橋洋一氏が出ていたことだった。番組途中、司会者の田原総一郎氏がコマーシャルの直前に、高橋洋一氏に対し、(正確ではないが)「例のロッカーには、腕時計と財布がすでに置いてあったんですね?」と質問していた。高橋氏はそれに対し、さも言いにくそうに「ええ、まあ、そうですね」と答えていた。しかし、それだけでは状況がよくわからない。高橋氏は「詳しくは本に書いています」と言っていた。

 振り返ると、高橋洋一氏は、今年の3月24日午後8時ごろ、東京都練馬区の温泉施設「豊島園庭の湯」の脱衣所で、区内に住む男性会社員が使っていたロッカーから、現金約5万円が入った財布や、数十万円相当のブルガリの高級腕時計を盗んだ疑いで、書類送検されている。ロッカーは無施錠だったらしい。

 高橋氏は小泉政権下で、竹中平蔵・元総務相や中川秀直元幹事長のブレーンとして小泉構造改革や郵政民営化などの理論的支柱を担った。2008年3月には退官し、「さらば財務省!」などの著書を出した。財務官僚の大敵であるというイメージが強い。彼の窃盗事件の深層はわからないが、言論界への復帰が早いと感じている。このテレ朝の有名な討論番組に高橋洋一氏が出演し、司会の田原氏が彼の発言を積極的に引き出していた図には強い違和感を覚えた。

 高橋氏は、元財務官僚で経済学者、東洋大学元教授で金融庁顧問だった人物であり、頻繁にテレビなどのメディアで名を知られ始めていた。その人物が、今年の3月に金品窃盗容疑で捕まった時、窃盗犯容疑というセンセーショナルな事案であるにも関わらず、警察は彼を拘留せずに書類送検で済ませている。しかも、メディア報道は奇妙に抑制的であった。

Photo_2   高橋氏に対する警察の態度とメディアの報道姿勢は、エコノミストの植草さんと比較するとはっきりとした異常を示している。先ず書類送検である。植草さんの著書「知られざる真実ー勾留地にてー」第一章「偽装 7摘発される人、されない人」(P39~43)を参照すると、書類送検は事件の調書、容疑事実が、書類的に検察庁に送致されることであり、身柄の拘束を意味しない。逮捕もされないし、身柄拘束も受けないのだ。一方、植草さんは逮捕され、身柄を132日間も拘束され、非人間的で苛酷な取調べを受けている。

 しかもメディアは植草さんの弁明を無視して、一方的に検察リークのみに基づいた、土石流のような決め付け報道を行なった。一方、高橋氏は在宅で通常生活を送ってきた。これは天地の差である。

 この二人に対する国家権力の扱い、あるいはマスコミの扱いが極端に違った理由は何であろうか。それは言論人が国策を批判した時、そこに「反米」「反米国益」のファクターが強く含まれていることが決定的な条件になっている。それは戦後タブー視されてきた「閉ざされた言語空間」に斬り込む発言を行った有識者という共通項で括られるのである。江藤淳氏の「閉ざされた言語空間」で語る、「閉ざされた」というのは、米国批判を基底にする言論を言う。

 小泉政権は竹中平蔵氏や木村剛氏など、米国のエージェント化した人物に国政を仕切らせた。米国の傀儡政権である。これを強く糾弾した有識者は、その言論活動の影響力の大きさに応じて国策捜査に狙われたのである。植草さんと高橋氏の決定的な差異は、高橋氏が、郵政民営化を中心として、小泉・竹中構造改革路線を牽引した勢力の中枢にいたのに対し、植草さんはそれを徹底的に糾弾する側に立っていたことだ。別な言い方をすれば、高橋氏はアメリカの対日政策に尽力し、植草さんはアメリカの対日政策を指弾する立場に立っていた。

 テレビは高橋洋一氏の言論活動を認めた。テレ朝の「朝まで生テレビ」に出演させたのは、悪徳ペンタゴンの思惑が絡んでいるに違いない。現政権にダメージを与える言動を行うために、彼がテレ朝に起用されたと思う。私は経済のことがよくわからないが、おそらく彼が朝生で強弁していた、日銀による量的金融緩和策の推奨のことかもしれない。以前、、植草さんは、ブログで、高橋洋一氏と竹中平蔵氏は、日銀による量的金融緩和政策を強く求め、量的な金融緩和政策によってインフレを誘発する政策を強く唱えてきたと書いていた。

 高橋氏は番組で量的金融緩和策こそ、今一番必要なことだと繰り返していた。田原氏がそれを言わせていたのだ。植草さんの言論を思い浮かべれば、この背景には財務省の熱烈なインフレ待望論があるのかもしれない。植草さんなら、朝生が高橋氏に言わせたことの背景を的確に把握するだろう。とにかく、事業仕分けに財務省の意向が反映したことと、朝生に高橋洋一氏が量的金融緩和策の奨励を語ったことは無関係ではないかもしれない。もしかしたら、植草さんが睨んでいるように、高橋洋一氏は財務官僚と敵対しているように見せかけて、実は財務省と一枚岩になっている可能性もあると思う。

 あと、一つ気になったことは、数日前、郵便料金割引制度を巡る偽証明書発行事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた元厚生労働省雇用均等・児童家庭局長の村木厚子氏が、逮捕以来約5か月ぶりに保釈された。その時、木村氏はテレビの記者会見を受けており、堂々と容疑を否認していたことは記憶に新しい。これも植草さんが保釈された時と比べれば、テレビの対応の違いとしておかしいと思う。植草さんの場合は、なぜ釈明会見が設けられなかったのだろうか。

 これも米国というキーワードで考えれば合点がいく。村木氏の容疑は米国益とは無関係である。だから釈明会見ができたのだ。しかし、植草さんの場合は、メディア自体が悪徳ペンタゴンの走狗となって、国策捜査に加担したために、植草さんの釈明会見を開かなかったのである。話を高橋洋一氏に戻すが、彼がテレ朝で言論活動を再開できたのは、与党攻撃の使命を帯びていたからではないだろうか。

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コメント

管理人様、

洞察はなかなか興味深く読ませていただきました。
ただ、
高橋洋一=アメリカ対日政策派
もしくは、
高橋洋一=小泉・竹中派
という構図は間違いだと思います。
私も郵政民営化反対の立場で、小泉政権には凄く険悪感をもっていました。しかしその中でも高橋洋一は特殊な立場だったといえると思います。
彼は数学者で、”ゆうちょ”が破綻することが見えていてそれを数式で解こうとしただけだと思います。また、それだけ数字と法律の両方を扱える人間が政府にも官僚にも掛けていたため白羽の矢が立ったのだと思います。
実際、彼が支持している政府紙幣発行という考えは竹中平蔵のものと真っ向からぶつかるもので、ましてやアメリカにとってははどんな手をつかってでも阻止したい事なのです。

投稿: mao14th | 2010年3月 7日 (日) 04時23分

子さん(11月29日17時10分)>猪瀬も妊婦死亡事件のことを取り上げていたが・・

「赤ちゃんが可哀想~」とか、本当にわざとらしくて見ていて気持が悪くなりました。猪豚直樹にそんな人間らしい優しい心があるわけないです。
田原も、なりふりかまわず、テレビにしがみついていますね。なんの知識も教養も無い田原がデカイ顔する日本って、本当に情けない国です。

田原、イノセ、石原、山本一太、岡本行夫・・皆まとめてダンプカーで埋立地に廃棄したいです。
長谷川幸洋も元「小泉マンセー男」で、東京新聞のリベラルな風土を破壊しました。石川和男ってなんなんでしょう?
日本は悪いヤツラや無自覚転向組の層が厚くて、中々、清い水脈には届きません。


投稿: デカルト | 2009年12月 1日 (火) 23時06分

初めてコメントさせて頂きます
管理人さん、いつも鋭い洞察力による貴重な情報を有難うございます!

そしてsogoroさん、JAXVNさんの深い洞察力を持たれたコメントも本当に参考になりました!

皆様の情報を読ませて頂いて感じた事は、この朝生の番組は正に巧妙?(いやみえみえか?)に仕組まれた(仕込みは、十分)筋書きである程度大筋が決まっていてどうすれば民主党政権にダメージを与えられるか?悪いイメージを視聴者に与えられるかと言うその一点に集約された番組作りがされているんだな!と言う事がよ~く分かりました!

JAXVNさんは、高橋洋一氏が
~今回の「あの」田原総一郎氏の番組に出演した、という事はつまり メディア支配勢力と手打ちをした」という事ではないかと思います。~
と推察されました!
そうであろうと私も思います!
であるからこそ朝生は、高橋氏に今回の発言の要旨を言わせたのでしょう?
おそらく田原氏か又は、番組スタッフとなんらかの打ち合わせを事前にしていたのではないでしょうか?(それも入念に?)
やらせが常態化している偏向報道番組ならではの面目躍如ではありませんか?!!

私は、TVを見なくなってもう一年以上が経過します!
つまらぬ番組など見る価値は全くないし、見る気も起きないのですが
これら影響力のある偏向報道番組を監視する眼は必用であることを認識させられました!

今ネットでこうして闇に光をあてている方々が徐々にではあるけれど増えていて
心強く感じています!

投稿: dek | 2009年11月30日 (月) 07時54分

田原は必死だね。サンプロが3月までと決定してから本当にひどくなった。
輪をかけたようにひどくなった。言われたのか、自分が生き残るために市場原理主義側についているのか、あそこまでくると人間というものが本当に見苦しくなるね。石原都知事と同類項。
猪瀬も妊婦死亡事件のことを取り上げていたが、そんなに言うなら、オリンピックの150億から
病院をなんとかしてやれ。

投稿: 子 | 2009年11月29日 (日) 17時10分

Sogoro さん
本当にテレビの偏向報道はひどいですね
同感です
ぜひこれをご覧下さい
http://www.youtube.com/watch?v=2jFjsmataYc

投稿: | 2009年11月29日 (日) 14時39分

私も11月28日に放送した朝まで生テレビを視聴しました。

高橋洋一氏の登場は多くの疑問符を投げかけましたが、
管理人さんのご意見にうなずくところ多いです。

それ以外に番組を見ての感想です。

この番組を制作している人々の意図を強く感じました。
というのも、『官僚依存からの脱却』をメインテーマにしていたにもかかわらず、
番組冒頭で、鳩山総理大臣の献金疑惑について長々と糾弾することで、
番組を始めたからです。

司会である、田原総一郎氏は、
現在の日本の経済情勢が、かつて無いほどに疲弊し、経済恐慌に発展しそうな
劣悪の情勢であるにもかかわらず、
そのことを差し置いて、
個人の政治献金疑惑を、最大の問題であるかのごとき、印象操作をしていました。

1、これは明らかに、総理大臣交代をさせんがための、国民誘導でした。

2、そして郵政民営化の見直しに関しては、元事務次官の社長就任の一事を以って、旧態依然とした天下り容認だと論点をすり替え、もう一度郵政民営化を実行させんがための、
印象操作をしていました。

彼の司会進行の目的地ははっきりしていました。

米国への利益誘導です。
彼は、米国から何らかの見返りを受けており、
これらの誘導をしているものと考えます。

彼の役割は、日本の国内問題を、その源である米国の存在、意思に向かわせること無く、
原因、もしくは悪の中心を国内に見つけ出させ、
カムフラージュさせることです。
そして、郵政民営化を小泉政権下でなされた元の状態に復帰させ、
米国資本に、郵政資産を売却させることです。

米国のエージェント(代理人)ととして、彼は申し分なくいいポジションを得ています。
朝まで生テレビ、サンデープロジェクトという、
影響力の大きい番組を名実ともに取り仕切っているからです。

今回の番組の流れは、各国経済がある中、日本が唯一デフレで苦しんでいる原因を探り、
それに対する処方箋を模索するものでした。

番組で述べられたのは、40兆円の額に上る、マネーの需要と供給の不一致にあることです。
流通マネーが、需要に対し、極端に少なすぎるということでした。

日本を除く先進各国がデフレを脱却できているのは、
各国において金融の緩和とマネーの大量投入がなされたからだと説明され、
これは的を得たものと考えられます。

この点、日本の日銀はその役割を放棄しており、
財務省は、その放出規模が少なすぎて、デフレ解消をもたらすことができないでいるようです。

番組では、年末までに更なる金融緩和の検討を行うことを金融庁副大臣の大塚氏が明言しました。

この議論の流れで、田原氏は見事に米国の意思に適う結果をもたらしました。
経済悪化の原因が日本国内にあり、それは金融庁と財務省ひいては鳩山政権が馬鹿だからだと、
人々に印象付けたからです。

何たるナンセンス!!

平成21年3月において、外国為替資金特別会計の残高は109兆円あるのです。
https://www.mof.go.jp/jouhou/kaikei/syokan/kaiji/kesan/gaitame_kesan20.htm

国民の大事な資産が、109兆円も、米国のドル国債を買って塩漬けになっているのです。

先ほどの、40兆円の需給ギャップは、
この特別会計を見直すことで、簡単に埋めることができるのです。
なんという単純な話でしょうか!

田原氏は、ここに国民の目が行くことを恐れ、目くらましとして、
日本銀行、財務省、ひいては鳩山民主党政権を悪の張本人に仕立て上げています。

これが、彼が米国に利益誘導するために
エージェントとして番組を先導した目的です。

また竹中平蔵氏や、みんなの党の渡辺喜美氏などは、
郵政の民営化をして、株式を売却すれば、2~3兆円の金が税金収入として獲得できると、
喧伝します。

彼らは、ゴールドマンサックスなどが郵政株を購入した後、郵政会社が保有する
日本国債を売却する危険を考えないのでしょうか?
200兆円を超える国債の売却は日本国にとって、
どれほどの脅威であるのかを考えないのでしょうか?

日本を脅す道具を握った外資が、善人だなどと考える間抜けな人々が、
いるでしょうか。
にもかかわらず、郵政株の国外売却にこだわる人々の目的はひとつです。

売国行為による利益の享受です。
彼らは、骨の髄からの売国奴です。

今こそ、外為特別会計にメスをいれ、事業仕分けの俎上に載せるべきです。

日米の基地問題を含む、日米両国の基本構造にメスを入れるべきときです。

今まで、米国を怒らせると怖いぞと、米国のお先棒を担ぐことで国民の利益を、
搾取、収奪してきた政財官とマスコミと、そして米国に、
議場に来て答えてもらうときです。
国民みなで、それを吟味するときです。

投稿: Sogoro | 2009年11月29日 (日) 11時58分

こんにちは。
高橋氏、村木氏とも植草氏とは「似て非なる例」といえるのではないでしょうか。
高橋氏については、今回の「朝生」出演前に「VOICE」で「郵政民営化見直しで国民負担一兆円増」という論文を発表していました。そして今回の「あの」田原総一郎氏の番組に出演した、という事はつまり「メディア支配勢力と手打ちをした」という事ではないかと思います。番組で高橋氏は、日銀が量的緩和策を行うよう主張したという事ですが、これは植草氏が「現政府のデフレ宣言は、デフレ対策を日銀に丸投げするためではないか」と危惧しておられる事と合致します。そこで私が注意するのは、高橋氏が今後「政府紙幣発行策」を主張するかどうかという事です。でも「朝生」では言っていなかった様ですね。普通に考えれば「政府紙幣発行」は、まさしく「デフレの特効薬」だと思うのですが。もしこれからも高橋氏が「政府紙幣発行」に言及しないなら、それは高橋氏が「手打ち」をした事の証明であると同時に、この「政府紙幣発行策」こそがまさに「トラの尾」であった事の証明にもなるのではないでしょうか。
村木氏の場合は、この容疑で5ヶ月もの収監は異常であり、この事については「「当局」に逆らったものに対する見せしめ」という点で植草氏と共通する部分もあると思います。しかしながら、やはり「「奥の院」への反逆」ではなかったという点が、記者会見の有無の違いになったというのはありうると思います。そういえば小沢民主党幹事長の元公設第一秘書大久保氏も、本人の記者会見は無く弁護団の記者会見だけだったと記憶しています。これはやはり「奥の院」の関与の有無が関係しているのではないでしょうか。

投稿: JAXVN | 2009年11月29日 (日) 08時07分

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