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2009年11月17日 (火)

「日医総研 日医総研ワーキングペーパー」

  「米国医療関連産業の政治力、米国政府の対日圧力、およびそれらがわが国の医療政策に与えてきた影響」

坂口一樹

概要

○今日の米国において、医薬品・医療材料・医療機器等の医療関連産業は、政界に対して最も多額のロビイング活動経費を費やしている業界である。この事実から推し量るに、米国の医療関連産業は、米国政府に対して巨大な政治的圧力を持っていると考えられる。

○米国の医療関連産業の政治的圧力は、米国政府を通じて、わが国の医療政策に影響を及ぼしていると考えられる。現在、「成長のための日米経済パートナーシップ」の下、「規制改革及び競争政策イニシアティブ」という日米経済対話がなされており、そこにおいて医薬品・医療機器分野は、重点分野のひとつである。また、円高ドル安が急激に進み、外国企業の日本市場に対する門戸開放圧力が強くなった1980年代半ばから現在まで、医薬品・医療機器分野は、一貫して日米通商外交上の重点分野であり続けた。

○近年の「規制改革及び競争政策イニシアティブ」における医薬品・医療機器分野の対日要望の実現状況をみると、主に、①同分野の製品の保険償還価格の算定ルールの改革と②同分野の規制改革(承認審査の迅速化や審査体制強化)の2点において、着実な進展が観察できた。また、この2点における対日要望の実現は、米国の医療関連産業の利益とも合致する。

○米国医療関連産業の政治的活動は、米国の政府を動かしうるほど、巨大である。そして、その影響力は対日通商外交上の圧力となって、わが国の医療政策に影響を及ぼしている。医療を含む社会保障の充実が増税の理由となる等、医療が重要な政策課題となっている今、私たちは、この事実と仕組みをよく知っておく必要がありはしまいか。

 詳しくは下記URL

http://www.jmari.med.or.jp/research/dl.php?no=411

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コメント

この記事への投稿が大分遅れてしまい申し訳ありませんが、最初から投稿するつもりだったので以下に書き連ねます。

特許制度の観点から見た日米欧の違いは文化の違いと見えなくもないようです。言い換えれば、市場原理のみの世界かセーフティーネットがあるかの違いでもあります。

以下特許制度について調べてみたのでコメントします。

日本の特許法では特許することのできる「発明」を

「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」(特許法第2条第1項)

と定義しております。また、特許の要件として

1 産業上の利用可能性を有する(経済性は要求せず)

という前提の上に従来技術と比べて

2 新規性

または

3 進歩性

を有することを要求しております(特許法第29条)。

然るに「人を治療する方法」については上記「産業上の利用可能性」なしとされ、特許の対象外とされております(「人を」としたのは「人以外の動物」の治療方法は特許の対象ということを意味します)。現状人の治療方法は人道的な観点から特許に馴染まない(医者が特許権者等から実施権(ライセンス)を受けていないと治療できないなどの事態を回避する意図)とする法解釈があるようです。

また、薬剤師の行為が特許権に触れることを防ぐ必要性などから2種類以上の薬の調剤行為についても特許権の効力が及ばない範囲として規制が設けられております(特許法第69条第3項)。

一方、米国では人の治療方法が特許可能な発明として扱われ、欧州でも医療行為への特許権の効力が最近認められるようになりました。

日本でも医療産業育成の観点から欧米並みに特許制度を緩和すべきとの意見が出されました。

しかし誰でも平等に医療を受けることができなくなる恐れが高まるなどの反対があり、現状のまま特許法の条文も法解釈も変わっていないようです。

リーマンショックに始まる世界大恐慌で顕在化した格差社会を見ると、ここは日本の特許法の立法趣旨が

「発明の保護と利用を図る(特許法第1条)」

ことであり、特許権者(発明者)と第三者(発明の利用者)の権利の調和を意図しているものの、医療行為については特許権の効力の及ぶ範囲の例外を設け、発明の利用者の権利を特許権者(発明者)よりも手厚くしている日本の現行法に軍配が上がりそうです。

ただし、日本に生き残った数少ない護送船団と言われている医薬品業界はここ暫く厳しそうです。

医薬品の特許は成立すれば金のなる木になり得ますが、特許として成立する確率が電機・精密機械など他の業種と比べてかなり低く、膨大な研究開発投資などリスクも大きいのが特徴のようです。

また、医薬品の特許は特許権が成立しても薬事法による認可がないと特許の実施(=医薬品の販売)ができない為、特許出願の日から20年という特許権の権利期間があるにも関わらず、実際に特許権の恩恵を享受できる期間が意外と短いという弱点もあります。

勿論上記を是正する法体系も一応準備されております。国内優先権主張制度(特許法第41条)では最初の出願の日から1年以内であれば研究開発の成果を加えて最初の出願の充実版を出願し直すことができ、実質的に最初の特許出願の日から21年の権利期間を確保することが可能です。

更に存続期間の延長登録制度(特許法第67条の2)を用いれば最長5年間特許権の存続期間を延長することも可能です。

しかし医薬品業界の関係者によるとそれでも十分でないとの声が多いようです。

しかも2010年問題といって第一三共や武田薬品など医薬品業界の持つ有用な大型医薬品(ブロックバスター)の特許が大量に期限切れを迎える時期があり、その後の医薬品業界を支える有力特許が十分存在していない為、ジェネリック医薬品にかなり塗り替えられる恐れがあるとのことです。

加えて副島隆彦さんが指摘する2010年の大恐慌2番底と重なれば他の業界同様医薬品業界もかなりまずいことになりそうです。

米国ではディズニー映画などの著作権切れを救う為に著作権の有効期間を延長する法改正がなされたようです。特許の世界でこれをやると他の業界への影響がどうなるかという問題もありますが、「特許権者(発明者)と第三者(発明の利用者)の権利の調和」にも影響がある為、慎重に対策を考えなくてはならないと思います。

日本の医療業界・医薬品業界に弱い面があるのは上記の通り発明の利用者の権利を特許権者(発明者)よりも手厚くしていることが理由の1つにあるでしょう。米国はここのところを狙って突いている面があると思います。

そこのところを踏まえ、国の政策は特許権者である医療業界・医薬品業界を支援しつつ、発明の利用者である一般国民の平等な医療を破壊しないようになされる必要があると思います。

以上

投稿: 鳩胸男 | 2009年11月21日 (土) 14時39分

医療に競争原理持ち込んだせいで、地方医療は崩壊してしまいました。
臨床研修医が研修先を選べるようになったため(2002年か2003年に講じられた措置と思います)、地方には医者がいなくなりました。

だれだよ、医療にも競争原理必要っていった鬼畜は!?

投稿: ろくぶんぎ | 2009年11月17日 (火) 13時43分

一つ指摘したいことがあるのですが。

医薬品、医薬機器ともに、アメリカはヨーロッパでの臨床試験の結果をもとにして、そのまま新薬の使用を許可するということはなく、よほどの事がない限り、自国の安全性、有効性テストのデータが出るまでは、その新薬の使用が認可されることはありません。ヨーロッパもアメリカも、人口の大多数のは白人であるにもかかわらずそうなので、人種の違う日本人が(つまり医薬品・機器に対する生体反応が違う)欧米のデータをそのまま鵜呑みにして使うことはできません。この点に関して強制的に受け入れを迫られるいわれはないのではないでしょうか。ちゃんと説明できれば無理強いはできないはずです。

また人々が医療サービスに求めるもの自体が、日本と、少なくともアメリカとではかなり違うので、その点をきちんと説明すれば、日本の医療制度に対する内政干渉を受けることは防げるはずです。

むしろ、新薬・技術の開発段階で、積極的に共同研究プロジェクトに参画したり、人の交流を行うべきなのではないでしょうか。

最近医学部の研究力が落ちたとも聞くのですが、基本的に日本の“医学研究レベル”は高いです。現在開発中の先端医療技術も、元の原理的な発見は日本の企業や日本人で、アメリカのほうがそれを応用開発し、実用化の特許をとることもあるようです。

日本の医学界は閉鎖的過ぎます。大学間や、大学・企業間はもちろんのこと、アメリカはヨーロッパと一緒に巨大製薬会社も参画して、随分むかしから、どんどん共同研究、開発を行っています。最近では、中国、台湾、韓国等、アジアの国々も随分一緒に研究開発をしています。またアメリカは発展途上国の学者を招いて教育し、後にはこれらの留学生を通じてラテンアメリカやアフリカにもどんどん進出して行っています。相互貢献があれば植民地のような搾取にはならず、感謝されている面もずいぶんあるようです。おそらくこうした活動により、たとえば喘息や慢性呼吸器疾患は、大気汚染のある都会より、薪や家畜の排泄物等の有機燃料を屋内で燃やして、暖を取ったり料理をする生活環境で起こることの方が多い等、いろいろなことがわかって来ているようです。
なんといっても国際研究だと、研究費の規模が違ってくるので、大規模、長期的研究も可能になるのではないでしょうか。日本もどんどん優秀な人材を外国から招聘したり(特定国からの奨学金留学じゃありません。アメリカではこうした国からの留学生にもアメリカ人以上の授業料を取り立てています)、こちらからも人を送って研究を進めることです。

肝心なことは知的財産の管理をうまくやって、日本発信の新技術で新しい雇用や製品を創出して日本経済を潤すべきです。

医療の運用は医療技術とは別問題ですから、新技術や新薬の開発が医療の算術化に直接結びつくわけではありません。日本からの新技術の発信がないと、新しい薬品や医療技術を採用するのに常に外国にお金を払わないといけないようになってしまいます。物作りの技術開発と同じことではないでしょうか。

長文になり、すみませんでした。

投稿: 通りすがり-0 | 2009年11月17日 (火) 13時01分

この仕分け作業は日本解体作業にと変化している。民意侮れば何とか、この政権、選挙参謀がいくら優秀でもそう長くはないだろう。

投稿: | 2009年11月17日 (火) 12時57分

政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は17日、都内で、平成22年度予算概算要求の無駄を削る事業仕分けの5日目の作業を行った。作業グループは、文部科学省が58億円を要求したGXロケットのエンジン開発費用について、予算計上を見送り、抜本的に見直すよう結論づけた。さらに、予算要求が出ていないロケット本体についても、廃止を求めた。

 GXロケットは15年以降、官民協力で開発を進めた中型ロケットで、高性能な商用ロケット開発を目的としているが、軍事利用の期待も出ていた。文科省と宇宙航空研究開発機構(JAXA)がエンジン、経産省が電子機器をそれぞれ開発すると役割分担している。

 文科省はロケット着手の判断を先送りし、LNG(液化天然ガス)エンジンの研究に限って予算を要求していたが、財務省は、本体ロケットの見通しが立たない以上、研究も凍結すべきだと主張。議論の結果、13人の仕分け作業担当者の判断は廃止3人、見送り5人、縮減5人だった。

 刷新会議では次世代スーパーコンピューターの予算も事実上、凍結しており、科学関連予算について軒並み削っている。

こんなことでいいのでしょうか?
日本は資源もなし、これでは科学技術立国は無理
です。
次世代スーパーコンピューターに関しては、今まで投入された税金がドブに捨てられるということ
になりますし、一般の日本国民も憤慨すべきだと
思います。

投稿: 三毛猫 | 2009年11月17日 (火) 12時35分

アメリカで優秀な医者とは、

保険会社及び医薬品業界に利益をもたらす医者。
のことである。

死ぬも生きるも保険会社次第というのが
これからの医療保険の方向だ。
金持ちだけが、最新医療を受けられる。
公的保険は、最低医療だけ。

これは、アメリカの指示だ。
小泉はその手先。
自民党はその応援隊となった。

投稿: 素朴人 | 2009年11月17日 (火) 12時27分

こんどは医療が小泉。

競争することで良くなるなんていうのはアメリカの愚かな妄想だ。

いつも自分と他者を比べてヒーヒー言ってたのでは負の労力消費にしかならず。

本当にいいものが出来るというのは競争なんかとは全然関係ないのだ。

それにしてもアメリカ、金融だの投資だの保険だのそんな中味ないことしか出来ないバブル国家のイメージが強いけど医療産業が力を持ってるとは。

アメリカにも少しは中味があったようだな。

でもこれだけは言っとく
「競争なんかバカバカしい!!」

投稿: | 2009年11月17日 (火) 07時41分

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