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2011年11月19日 (土)

TPP雑感

語句を調べると、

○関税障壁:国内産業の保護・育成の目的で、他国商品の流入を制限するために関税を新たに設けたり、高率にしたりすることである。

 これは非常に明快で分かりやすい。貿易で、売ろうとする側(輸出する側)と、買おうとする側(輸入する側)で、買おうとする側が、いろいろな国内事情から、関税を設定して輸入品に規制(レギュレーション)を掛けることである。その際、考慮される国内事情とは、主に国内産業の保護育成、持続性などである。

 理想的なイメージから言えば、貿易とは、各国それぞれが、相互に余裕のある物品を必要に応じて売買すればよい。ところが、産業革命からかなり時間が経って、工業技術が世界に拡散し、各国がよほど特殊なものを除けば、大概の必需品を生産できるようになった。問題は世界の需要と供給が、製品のクオリティ(品質)だけで動いているのではなく、資本の論理だけで動いていることである。現代の問題は、資本の国際流動が、適正な貿易様態を担保せずに、持てる者だけに利潤が極端に偏っていることである。

 そのために大勢の国民への再分配が低下、可処分所得が減り景気が低迷する。一握りの企業家、投資家だけが富を寡占し、大多数の国民は低賃金で働かされ、解雇の恐怖に怯えている。こんな状況で生産活動が振興し、品質向上は図れない。生産活動を劣位に置きながら、金融資本主義というヤクザ利殖だけにうつつを抜かしたアメリカは、ぼろぼろの工業製品しか生産できなくなっている。アメリカは人類に崩壊必須の悪しき文明モデルを提示した。

 カナダでは、日本車が重宝されていて、10年落ちの中古車でもかなりの人気があるそうである。一方、米国車は3年で廃車同様に扱われ、新車納入の段階で故障を内包していると見られている。かつての自動車王国、家電王国は半世紀で見る影もなく凋落した。アップルのような企業は例外である。世界中にインチキ金融商品を売りさばき、ウォール街に来る一部の資本家に富が集中した。リーマンショック以降もアメリカは、この強欲資本主義を押し通すしか選択肢がなくなっている。

 自由貿易とか、開放経済とかいう言葉は、小泉元首相が連呼した「聖域なき構造改革」の「構造改革」という言葉と同様に、言葉自体には何の実体も存在しない。まず改革と言えば、それ自体が肯定的な響きがあるから、にわかには反対しにくいが、誰かが改革するぞと言うとき、「何が悪くて、それをどのように改めるのか、そしてそれは誰のための改革か」を明確に言わないと、構造改革という用語自体が巨大な政治的詐欺用語になる。エコノミストの植草一秀氏が、政権初期から果敢に糾弾していた「小泉・竹中構造改革路線」を思い出してほしい。

 彼らは、「聖域なき構造改革」と連呼して、「聖域」を天下り法人とか、特殊法人とか、後付で言ったが、聖域も、構造改革も、その響きを聞いただけでは人々が、「ああ、あれのことだな」と勝手に都合よく解釈してしまうのである。ところが、小泉改革のやったことは、大ざっぱに言えば、利権の授受構造を旧田中派型政治から、市場原理構造に作り替えようとする輩たちに挿げ替えただけだった。その結果は惨憺たるものであり、日本は悲嘆と怒号が飛び交う荒廃の格差社会となった。植草氏や数少ない有識者を除き、国民は構造改革という心地よい言葉に騙されたのである。

 ここまで言うと、純然たる国内問題に見えるが、問題はかなり深刻であり、騙し改革を入れ知恵したものが米国政府とその上位にある国際金融資本であった。つまり、騙し構造改革の底では、金融乗っ取りと、国富収奪が行われていたのである。郵政民営化は郵政資金を米国に献上するために竹中元郵政民営化担当大臣らが仕組んだものであり、寸前でペンディングになり現在に至っている。

 さて前振りが長くなったが、構造改革という言葉と同様に、自由貿易や開放経済という言葉にも大きな罠がある。自由や開放という言葉自体には晴朗とした響きがあるが、責任やルールのない自由や野放しは、暴れ者が文字通り暴れまわるフィールドを出現させるだけである。「北斗の拳」の世界イメージである。「年次改革要望書」、「日米投資イニシャティブ報告書」、今年2月の「日米経済調和対話」も、すべては米国の思い通りに日本の市場構造を改変する目的に収斂している。そして今度のTPPである。麻生政権でひっそりと消えたはずの「年次改革要望書」は換骨奪胎を繰り返してTPPという地獄の仇花に開花しようとしている。

 自由貿易という言葉に反感を示す人はいないだろう。しかし、ゴジラのような国際金融資本が、自由に各国の市場をこじ開けて、金に換算できるあらゆるものを奪っていくという含意が、この自由貿易に付与されていた場合は、この言葉は小泉政権が唱えた「聖域なき構造改革」と同様に、決定的な国際詐欺用語となる。従って、環太平洋戦略的連携協定(Trans-Pacific Partnership=TPP)などというのも、太平洋経済協力会議(APEC)に参加する小さな四か国間で発効したごくローカルなものだったが、発展するアジアの収奪にシフトしていた米国はこれに目を付けた。その瞬間からTPPは巨大な詐欺用語となった。理由は明白で国際金融資本がアジア、特に日本から泥棒するための「ひっかけ詐欺協定」と化したのである。

そこで、「非関税障壁」に焦点を当ててみる。

○非関税障壁:関税以外の手段による輸入制限。

 具体的には輸入数量制限、輸入課徴金制度など。純粋に輸出国から眺めれば、輸出に障害の発生するすべての要素が非関税障壁である。物だけに限らず、金融、サービス、労働者、医療、保健、弁護士労働、財に還元できるあらゆるものの「自由な出入り」を阻む要素が対象となる。

 ここで、私のように経済音痴でも、はたと首をひねる強いイメージが湧く。関税障壁をアメリカの勝手な都合だけで定義されたらたまったものではないが、それを桁違いに大きくする不安がよぎる。関税障壁なら、それがどういうことであるか、輸出国側を忖度すれば分かりやすい。障壁が貿易商品という物に向いているからだ。それよりも、私に熾烈な恐怖心を覚えさせるのは、アメリカ(あるいは強欲国際金融資本家たち)が想定する、日本における非関税障壁の意味するものである。想像すると思わず戦慄を覚えてしまう。

 長くなったので、そろそろ止めておくが、一つ言えば、米国は郵政資金を略奪するために、竹中平蔵氏に何をやらせたのか。それは国営で三事業一体化だった郵政事業を四分社化したことである。今回のTPPで米国はあらゆる非関税障壁の撤廃を狙っているが、彼らが以前から疎ましく思っていたのは、日本社会に固有に発生していた相互互助システムなのである。共済制度もそれである。これは保険とは違って、営利目的ではなく相互扶助精神で積み立てておいたお金を、積み立てていた人々が、災害、病気入院、不幸などに見舞われた時、用立てする制度(しきたり?)であり、相互扶助が営利性に優先するものだ。社会の安定性に非常に重要である。

 この源流はおそらく、日本各地の僻村などに根付いていた「~講(こう)」だと思う。部落共同体による助け合いである。日本人が大災害に見舞われた時、粛々と整然と秩序正しく行動するのは、こういう伝統精神が賦活するからである。共済とは形態が違うが、従来の郵政三事業も相互扶助構造だった。これは外から来る山賊に対して強力な防護壁となっていた。談合も系列も、防御面から見ればそれなりの合理性があった。アメリカはこれらを解体させて、盗人(ぬすっと)する露払いをしたのである。竹中氏が郵政を四分社化する理由には説得力がまるでなかった。あるはずがない。M&Aへの門戸明け以外の意味がないからだ。

 談合や系列が悪いと言い始めたのは、アメリカである。日本式しきたりには、良い面と悪い面があり、それをどうしていくかは純然たる国内問題である。外様は放っておけというのが普通だろう。それを無理やり善悪で押し付け、日本市場の改変に走ったわけであるが、アメリカは日本社会の持続性とか、文化の多様性とか、歴史などはどうでもいいのである。もう言いたいことが分かったと思うが、TPPに付随する恐ろしいISDS(Investor State Dispute Settlement=国対投資家の紛争解決)条項(ISD条項)は、アメリカ企業だけが一人勝ちするような第三者機関の存在がある。紛争処理はアメリカの代理機関が行う。これが公明正大な独立組織だったら、それなりに各国へ公平性が担保されると思うが、ジャッジの経過も前例も秘密主義だという。そんな第三者機関があるかという話である。ISDSの最後のSはSettlementであるが、これは定住とか、植民地、新開地、居留地、開拓地などの意味があり、ピルグリムファーザーズの植民などという場合にthe settlement of the Pilgrim Fathersと表記されるようだ。セトルメントは定着とか、開拓とか、そこに居座って動かないイメージがある。私はネイティブ・インディアンの虐殺を連想する。中野剛志氏らが米韓FTAに出てくる「ラチェット規定=元に戻せない規定」を引き合いに出して警告しているが、ISDSの終いのSも逆回転しない歯車、つまりラチェット規定を連想させる。

 何も悪いことをしていない日本が、まさに日本という固有の国柄(国体)を理由として、得体の知れない者たちが作った第三者機関に裁かれることは確実である。伝統、文化、民族性が非関税障壁として破壊されるのである。小泉政権が米国の意向でなぜ司法改革に着手したか。簡単である。日本を訴訟社会に変えるためである。青い目の弁護士が訴訟利権の獲得のため大挙して押し寄せ、間もなく日本語が非関税障壁として訴えられるだろう。商取引や弁護活動の阻害要因になるからだ。外資や外弁を優先させるために英語が強制される。小泉政権が司法制度改革を断行したのは、米国が後のTPPに照準を合わせていたからだと思う。その意味で、米国の陰険な作戦は一貫性がある。

 長くなった。TPPとは通商協議ではない。日本破壊である。日本人が築き上げた社会慣習や風習、伝統文化など、すべては非関税障壁として否定されることになる。我々は事実上、国家も人種としてのアイデンティティも失うのである。震災で落ち込んでいる国民をだまし、こんなものを国民の頭ごなしに決めた菅、野田政権は許し難い。パートナーシップならば、協定なのだから先に中身を公開するべきである。中身を秘匿して急がせる構造は、巨大なオレオレ詐欺である。開かれた貿易、公平性、透明性、これらの明るい言葉は、だれがルールを決めるかによって全く違った悪魔の用語になる。TPPは自由貿易を標榜する侵略行為である。

追記
第三者:TPPで最も危険な核地雷となる紛争調停・仲裁機関ICSIDについて。

「世界銀行傘下のICSID ( International Centre for Settlement of Investment Disputes ) は、「国家と他の国家の国民との間の投資紛争の解決に関する条約」のもとに設立、1967年に署名が開始され、翌1968年に発効。ICSIDは国際投資紛争の調停と仲裁を行う場を提供する。」とあるが、関岡氏によると、そこには数名の仲裁人がいて、審理は一切非公開、判定は強制力を持つが、不服の場合でも上訴することはできないという。判定の基準は国家の必然性や妥当性ではなく、「外資が損害を被ったか否か」という一点に尽きるそうである。滅茶苦茶である。他国人をゴイム扱いしている。外資のあらゆる暴虐を許可するという基本だ。

 ISD条項の恐ろしさは、国家(国内法)の上位に外資の経済活動を優先させていることにある。これが自由貿易、オープンエコノミー、いわゆるグローバル・スタンダードの衣を脱ぎ捨てた真の姿であるとすれば、そんなものは地球人類を奴隷化するだけである。ここで日本人が覚醒しなければ日本は消滅する。その前に怒らないといけない。
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2011年11月 9日 (水)

21世紀の日本のために有意の者は起つべし!(Caccyo氏の投稿)

(下記記事はCaccyo氏です。氏が指摘される通り、2009年の政権交代時、国民の総意は小泉施政にノーを突きつけ、その勢いで歴史的な政権交代が実現されたわけだが、植草氏の指摘する対米従属悪徳既存勢力は、小沢氏や亀井静香氏らが志向する刷新勢力を無理やり押さえ込み、小泉・竹中構造改革路線を信奉する国賊派の民主党議員を政権中枢に据えた。その結果が、大震災の対応遅れ、福島第一原発暴走、今回の亡国TPP参加表明へ繋がった。

 国民生活第一の小沢・鳩山スローガンで政権の座についておきながら、売国奴たちは小沢氏を捨てたことで国民総意を裏切っている。だが、TPPの亡国脅威を実感して、交渉不参加への決意をした民主党議員はまだ救いがある。考えてみれば、蓮舫、枝野らがパフォーマンス仕分けをしていた時、作業部会?で小泉・竹中路線で見かけた顔が出ていたことに不吉の兆しを見たが、果たしてそうなってしまった。政権交代しても、与野党を超える場所に真の権力実体が存在し、それが横田幕府とCIAの力を借りてマスコミを動かし、対米従属路線に無理やり国政トレンドを変えてしまうのである。だからこそ、植草氏が捉えている、党権力を超えたところにいる悪の利権複合体を見据えて、これを壊滅させないと日本は刷新されないのである。現今の政治家で、唯一この方向で動ける政治家が小沢一郎、亀井静香なのだ。TPPという蒙古軍(グローバリストたち)の襲来を目前にして、誰が国民益、国益を守ってくれる指導者なのか、子供たちの生存権をかけて考え抜く時期が今なのだ。  神州)


※以下はCaccyo氏の記事です。
    

12日からのハワイAPECを前にTPP論議が賛否両陣営が喧しい。
民主党内のPTが明日にも意見を集約し、
それを受けて、ノダ首相が「TPP交渉参加!」を打ちだす事はほぼ間違いあるま
い。。。

国民生活がどうなろうが、デフレがどんどん進行して財政赤字がさらに積み上が
ろうが、
そんなことは些細なこと!知ったこっちゃない!!
細かく功罪を説いてくれようが、どうなるか?はやってみなけりゃ判らないものさ。
やる前から先回りして心配ばかりしてたら、何も新しいことは始まらないよ!!
何たって「TPP参加」はオバマからの「たってのお願い」なんだから、
同盟国日本(属国日本)としては、まずは彼らの望むようにしてやるしか仕方な
い!!?
なんたって我々の国を守ってくれるアメリカさまのご要望なんだから、
それを無下に断ることなんてできるわけ無いだろ!

そんなノダポチ政権ですから、彼らといくら議論をしたって聞く耳持たず!
態度だけは低姿勢で議論を尽くすと言いながら、やってることは傍若無人。。。
口では震災復興を繰り返し唱えながら、具体策は何も打ち出せない。
消費税の増税だけは勢い良く「10%」なんて明言しましたね!!?…海外で!??
高ぶらない精神と丁寧な言葉遣いで、官僚の作文から一歩も踏み出さないノダ氏は
「優秀な属国統治者」だと、宗主国さまの覚えもめでたいようです。。。。。

8日に行なわれた亀井ノダ会談で、亀井さんの愛国の情が少しでも通じないだろ
うか!?
と、微かな期待を抱いていたのですが、望むべくもありませんでした。。。
その姿を見てなお、TPPの売国性を説いて思いとどまらせようとすることは、
徒労にしかならないことを理解して、無駄な努力はやめるべきだと悟りました!!!


愛国の情を持つ者が今すべきことは、売国奴に売国を辞めろと説くことではなく、
売国奴がその立場にある根本を破壊し、売国奴をこの国の代表から放逐すること!
すなわち、愛国者は売国派に乗っ取られた民主党を捨て去り、
真に日本国民の生活を守るための新党の下に再結集すべきではないでしょう
か!!!!!??

「国民の生活が第一」を唱えて09年の政権交代を成し遂げた「民主党」を出て行
くべきは、
党を乗っ取って変質させてしまった売国派であることは、明々白々の筋ではあり
ますが、
今はそんな正当性云々よりも、TPPによる日本沈没を避けることこそが大切です!

民主党愛国派は、離党を突きつけてTPP参加の既定方針撤回を要求すべし!
国民新党・新党日本は、連立離脱を突きつけてTPP参加表明を阻止すべし!!

そしてそれが奏功せずTPP参加表明を強行した場合には、国民派は民主党から
集団離党!
国民新党・新党日本は即時連立離脱をすべきだと考えます!!!


そして既成政党の枠を超え、国民のことを第一に考える新党「日本国民党」を立
ち上げ、
旧民主党に変わる「日本国民党」を政権党にすべく、早急に立ち上げるべきでは
ないか!!?と考えます。
当然大きな混乱を含んだ大変革となるでしょうが、今この事態を座して見送るだ
けでは、
将来の日本に対して、未来の子供たちに対して、無責任の誹りを浴びせられるに足る
「日本破壊の共犯者」であることから逃れることはできません。


21世紀の日本のために有意の者は起つべし!!!

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2011年11月 5日 (土)

開放自由経済という名の核爆弾TPP

(かっちょ氏のコメント)

高橋管理人さま

記事更新お待ちしていました。
久しぶりに管理人さまの正論に触れることができ嬉しく思っています。
日本の政治のあまりの酷さに「打つ手なし」の状況で途方に暮れかかっていましたが、
頼れる指揮官が久々に復帰してくれたような心強さを感じました。

TPPについては知れば知るほどその売国性が明らかになり、
理解すればするほど受け入れ難いものであることが分かってきます。
そんな国民が日増しに増えてきており、大メディアですら懸念を示すほどです。

亀井静香氏などは「もう勝負あった!」と勝利宣言したそうですが、甘すぎると思います。
世論が「慎重に!」「ちょっと待った!」と言ったところで、
売国隷米ノダ政権が、ハワイAPECでの「TPP参加表明」を諦めるとはどうしても思えません。
売国TPPの受諾こそが、ノダ内閣に課せられた使命なのですから!

>TPPを受け入れれば、民族は壊滅する。
>TPPを蹴れば米国は陰惨な報復を必ずやることになる。

まさに管理人さまの論説の通りとなるでしょう!
どちらの道を選択しても、ノダ内閣の命運はそれほど長くは続かないでしょう!!?
受け入れれば党内内紛状態となり引責退陣、しかし裏報奨金にありつき以後安泰。
蹴れば国民の支持は得られるが、米国からは無能な政治家として地位を追われること必定。
もしくは生命の危機にさらされる危険性も!?(西岡氏の急死ももしや!??)

そんな状況をどうやって打ち破っていけばよいでしょうか???
悩ましくも厳しい状況はなかなか改善されそうもないように思われます。。。

(以降、管理人高橋)

かっちょ 様

 大変お久しぶりです。ご投稿ありがとうございました。

 体調を崩して更新を休んでいましたが、菅以降、国政の推移があまりにも亡国トレンドになっていますので、田舎のあばら家で毎日怒り狂っている次第です。Caccyo通信は拝見しておりました。いつもその通りだと共感しております。それにしても野田はひどい。かっちょさんの言うとおり、野田は菅とともに、米国の既定路線で祭り上げられた男です。そのために小沢一郎氏の政治力を封印し、隷米、媚米に与党方針を固定化しました。

 池波正太郎の「鬼平犯科帳」には、盗賊の「急ぎ働き」のために、押し入ろうとする大店(おおだな)に、引き込みと言われる仲間の手引き者が、女中や下働き者として奉公していて、盗みの当日に外から入りやすいように内側からいろいろと工作をします。郵政民営化の時は、竹中平蔵を中心にしてオリックスの宮内や経済財政諮問委員会などが引き込みの役目でした。改革と称して内側から、玄関や裏口のカギをぶっ壊す役目ですね。木村剛もそういう役でした。

 今回、菅の「開国宣言」に続き、野田という奴隷宰相がどじょうのような顔をして、小泉を二ケタも上回るくらいの国売り宰相になりました。関岡英之氏、中野剛志氏、その他の心ある方々らが警告を発しているように、TPP参加は日本の固有性や自主権を投げ打つ最も危険な行為です。今までアメリカは日本にスーパー301条の発動とか、円切り上げとか、その他いろいろな経済報復をしており、日本はその都度乗り越えてきましたが、今回はそういうレベルにありません。植民地に対する宗主国剥き出しの強制命令と同じです。年次改革要望書が協調の仮面をかぶっていたのに対して、TPPは堂々と正面から日本だけを狙って、わが国が有する1400兆円あまりの国民財産やその他の国家資産を根こそぎ奪い取る算段です。地球の覇権国家が堂々と泥棒の本質を剥き出しにしたわけです。

 テレビや新聞に騙されている層は、なかなか国難が目前に迫っていることに気づかずに農業問題や自由化の問題として矮小化していますね。この自由化が曲者でして、グローバルスタンダードの下に、アメリカに都合の良い規則を押し付けて、相手国の国内法を無効にするという無茶苦茶な取り決めです。農業、工業、金融、会社法など、日本のインフラは米系国際金融資本が支配しやすいように急速に変えられると思います。

 メディアや政府は、特に小泉政権以来、規制を事前規制型から事後調整型に拙速に切り替えました。硬直した事前規制は自由な経済活動を阻むという理由で、とにかく新規事業創出や経済活動を円滑にして、成長発展を促すということで、事後調整型にしました。その結果、何が起きたのでしょうか。セーフティネットが外され、福祉予算が削られるという惨憺たる有様が現出しました。アメリカ政府が大好きな自由化という『呪文』は、冒頭に述べた盗賊の急ぎ働きを促進することです。日本人の都合によって然るべき時間をかけて作ってきた制度や規制の数々は然るべき理由の下で策定され施行されている物です。これこそ、日本の自主権であり、日本人の生き方そのものと言っていいでしょう。これを、関税障壁として撤廃させたら、日本人が日本国内で生きるなと言っていることに等しいわけです。

 自由化というのは、他国から財産を収奪する腹を抱いた山賊的な外資が、盗みやすいように開放自由経済(オープンエコノミー)の名目で、各国の門戸をこじ開ける状態を言います。彼らにとって、門戸とは各国が築き上げてきた制度や規制です。これを取っ払うことが自由経済(グローバリズム)を敷いた連中の最大の目的なのです。これで「自由化」というのが、如何に理不尽かわかります。関岡英之氏は「国家の存亡」の中でこう言っています。事前規制の世の中がいいか、事後調整型の世の中がいいか、国民はとことん考えるべきであると。国民の生活権や権利を国家が守るために、様々な制度や規制が存在します。国家でなければ守れない理不尽な事柄が多々あるのです。狩猟民族が言うように、社会をレッセフェール(自由放任主義)に変えてしまったら、そこは阿鼻叫喚が響き渡る地獄の荒野になるでしょう。TPPって、まさにこれなんですね。

 テレビや新聞からしか情報を得ない人たちは、日本人に必要な諸規制が解体されようとしている時に危機意識が感じられません。明治に先人たちがやっと確立した関税自主権をアメリカの営利のためだけに放棄することは、先祖に対しても子孫にも許されることではありません。

 ドジョウの化身ではあっても、一国の宰相がTPP参加をいち早く表明したことは重大なことです。我らの亀井さんが吠えても、遅きに失した感はあります。しかし、負け犬になってはいられません。今回のアメリカの理不尽なごり押しで、目覚める日本人が急速に増えることを期待しています。先の大戦で先人たちが「鬼畜米英」と唱えたことが、戦後に自国民から顰蹙を買っていますが、TPPの思想そのものが、どう考えたって「鬼畜」の発想じゃありませんか。ただし、多くの人種で構成される、平均的なアメリカ国民は中産階級からとっくにずり落ちて苦しい生活を強いられ、鬼畜政府のやり方に呻吟しています。オバマはそういう人たちの不満を、日本の財産をかすめ取ることで一時しのぎをし、大統領再選を狙っておりますが、アメリカ自体が蜂起して奥の院を壊滅させないとどうにもならんでしょう。アメリカに軍産複合体が存在する限り、世界の不幸は続くでしょう。でもよい兆候もあります。世界中が奥の院に対して怒りはじめています。

 しかし、現実に日本は崩壊の瀬戸際にありますから、心ある人たちは未来をかけてTPPに反対すべき局面です。取りあえず一刻も早く野田政権を打倒しなければなりませんね。(野田さん、このままだと来世は本当にドジョウに生まれ変わり、泥を食べて過ごす一生を送るでしょう)

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2011年11月 2日 (水)

TPPは元寇、大東亜戦争に匹敵する国難

我が国は歴史上、大きく眺めて今までに、国家の危急存亡を四度経験してきた。

一回目 元寇・文永の役(ぶんえいのえき・1274年)蒙古(モンゴル軍と高麗軍)が九州地方に襲来。
二回目 元寇・弘安の役(こうあんのえき・1281年)蒙古(モンゴル軍と高麗軍)が再び九州地方に襲来。
三回目 黒船来航 幕末 1853年 ペリー提督率いる軍艦が浦賀に来航し、日本の植民地化を目指して無理やり開港を迫る。 
四回目 大東亜戦争敗北 1945年8月15日  

 四回目の大東亜戦争敗北は、日本全国の都市機能が壊滅し、惨憺たる状況に陥ったが、比較的早期に日本は戦後の経済復興を成し遂げ、貿易立国として世界第二の経済大国に成り上がった。アメリカは戦勝国の優位性から日本を保護的に扱ってきたが、冷戦構造が終えてソ連という巨大帝国との軍事的拮抗状態が解消された途端、今度は日本を経済的に最大の敵性国家として標的に定め、戦略的に日本をコントロールし始めた。日本製品の品質が群を抜いて優秀になってきたために、それまで優勢を誇っていたアメリカ製が陰りを見せてきた。対等な競争条件下においては、安くて品質の高い製品に買い手が群がるのは道理であった。アメリカは自国製品に対する品質向上の研鑽をサボタージュして、物づくりの優位性を完全に日本に奪われてしまった。これが日米貿易摩擦になった。

 それは1950年代の繊維摩擦に始まり、60年代の鉄鋼摩擦、70年代のカラーテレビの輸出が問題となり、さらに1980年代には自動車・半導体・VTRなどが問題となる。日本製品は緻密で無駄がなく、品質管理がずば抜けていて故障しにくい優秀さを誇っていた。世界では瞬く間に日本製がブランド扱いになってしまった。アメリカ人には最初からフェアプレー精神が欠落していたので、適正な市場原理を働かせながら、自国製品の高度化、価格の引き下げに努力した上で競争するという姿勢が根本的に欠けていた。彼らはどんな手段を弄してでも、相手を潰して自国に有利になるような方向性しか持たない国である。

 戦後の日米経済交渉を簡単に振り返ってみると見えてくるが、アメリカには相互互恵主義とか、対等な輸出入条件とかいう発想は皆無である。相手国がどんな不利益を蒙ろうとも、自国利益一辺倒で絶対に譲歩しない。1985年のプラザ合意以降、日本との折衝を俯瞰してみれば、米国がどういう無茶苦茶な我利我利亡者であったことが良く見えてくる。プラザ合意の狙いは、米国が対日貿易赤字を是正するために、円高ドル安にすることで自国の輸出競争力を高めることであったが、合意の翌日には235円から約20円も円高になり、翌年には1ドル120円台で取引されるようになった。これでアメリカが浮上し、日本が円高不景気で凋落したかと言えば、結果的に日本は知恵を働かせて円高を乗り切り、バブルに突入した。

 米国ははたと考えた。日本に対外的に圧力をかけても、日本は持前の柔軟性でのらりくらりとやり過ごし、米国の望むような方向に動いてくれないことが分かると、米国は表からの外圧による経済交渉を断念して、日本内部から内政干渉を促して自発的に米国に有利になるように、日本の制度改革や国政に口を出し始めた。ジャパンハンドラーズの意のままに動く買弁政治屋や買弁官僚に制度改革を行わせることに決めたのである。これが1993年の宮沢-クリントン会談で合意され、翌年からスタートした「年次改革要望書」であった。表では、あの日米構造摩擦のように、決して怒鳴り合うこともなく、喧嘩腰にならず、目立たないところでひっそりと二国間のフレンドリーな協調会議という体裁をまといながらそれは始まった。悪魔の片務的内政干渉指令である。

 我々は小泉政権で、その内なる年次改革要望書の結実を目の当たりに見たはずだ。聖域なき構造改革の名の下に、事前規制から事後調整(事後規制とも言う)型の規制改革が無造作にかつ拙速に行われた。竹中平蔵氏が実質的に率いた経済財政諮問会議や、オリックス会長の宮内義彦氏の率いた規制改革会議などで、日本の経済構造が徹底的に改変された。経済財政諮問会議と規制改革会議は、アメリカの意思による日本改造計画の両輪となった。これらの指針となったものが「年次改革要望書」であった。財界人の意図が反映した経済財政諮問会議は、予算編成過程の改革、金融システム改革、郵政民営化、三位一体の改革、政策金融改革、規制改革、税制改革、経済成長戦略、歳出・歳入一体改革などが挙げられた。だが、これらの内実的なベクトルは全て、米国と国際金融資本に都合の良い制度改変に収斂されていた。

 日本の事前規制を事後調整に切り替えるというのは、古典的な言い方をすればレッセフェール(自由放任主義)であって、日本の市場構造をアメリカ型の資本主義構造に変えるということであり、もっと言うなら、それはイギリス産業革命直後の剥き出しの資本主義に置き換えるということであった。資本強者が意のままに富を強奪できる構造造りを目指したものである。当然、セーフティネットや福祉は切り捨てられることになり、小泉政権はそのようにやって日本社会を破壊した。アメリカの日本改変の意図は実にはっきりしていた。それは中長期にわたって、日本の自由な市場参入の名目のもとで、日本の国富を根こそぎ強奪することに他ならない。小泉元首相が旗を振り、竹中元総務大臣・郵政民営化担当大臣が主導した郵政民営化は、アメリカの隠れた強奪意図の中心に位置するものであり、郵貯と簡保の資金をアメリカが合法的に収奪するための方便であった。それは寸前で郵政見直し法案が打ち出され、アメリカの目論見は中途半端なままであった。

 関岡英之氏の著書「国家の存亡」に書いてあるが、TPPとは年次改革要望書の焼き直しであり、その思想は全く同じものである。しかし、TPPの過激さは年次改革要望書の比ではなく、限りなく破壊的である。植草一秀氏が新著「日本の再生」(青志社)の中で、「TPPは現代版マンハッタン計画における核爆弾級の経済兵器だ」と喝破しているように、TPPは日本の過去の歴史や国土、未来のすべてを包摂した「日本」という存在を破壊してしまうエネルギーを秘めている。これはまさに元寇や大東亜戦争に匹敵する、五回目の国家危急存亡時と断言できる。TPPを農業問題に矮小化するなという言い方があるが、それどころか、これを経済問題として捉えること自体が矮小化と言える。アメリカは日本人に完全な奴隷民族として受容するように最後通牒を付きつけているのである。こんなものを受け入れたら日本国が壊滅し、日本人が二度と浮上できなくなる。日米開戦前夜と同じクライシスなのである。

 これは日本の自主権を全部アメリカに明け渡せという戦争行為である。この一方的な国家破壊的な交渉を、事後調整で乗り切れるという選択肢は全くない。TPPを受け入れれば、民族は壊滅する。TPPを蹴れば米国は陰惨な報復を必ずやることになる。それでも日本人は民族自決の覚悟を決めて、TPPを決然と蹴るしかない。交渉自体が地獄の一丁目となるから、交渉の席に着いてはならない。小泉、菅、野田という国賊政権の行く末を座して眺めてはならない。アメリカの一時的な延命のために、日本の財産を根こそぎ奪われる制度改変を決して受け入れてはならない。

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