TPP雑感
語句を調べると、
○関税障壁:国内産業の保護・育成の目的で、他国商品の流入を制限するために関税を新たに設けたり、高率にしたりすることである。
これは非常に明快で分かりやすい。貿易で、売ろうとする側(輸出する側)と、買おうとする側(輸入する側)で、買おうとする側が、いろいろな国内事情から、関税を設定して輸入品に規制(レギュレーション)を掛けることである。その際、考慮される国内事情とは、主に国内産業の保護育成、持続性などである。
理想的なイメージから言えば、貿易とは、各国それぞれが、相互に余裕のある物品を必要に応じて売買すればよい。ところが、産業革命からかなり時間が経って、工業技術が世界に拡散し、各国がよほど特殊なものを除けば、大概の必需品を生産できるようになった。問題は世界の需要と供給が、製品のクオリティ(品質)だけで動いているのではなく、資本の論理だけで動いていることである。現代の問題は、資本の国際流動が、適正な貿易様態を担保せずに、持てる者だけに利潤が極端に偏っていることである。
そのために大勢の国民への再分配が低下、可処分所得が減り景気が低迷する。一握りの企業家、投資家だけが富を寡占し、大多数の国民は低賃金で働かされ、解雇の恐怖に怯えている。こんな状況で生産活動が振興し、品質向上は図れない。生産活動を劣位に置きながら、金融資本主義というヤクザ利殖だけにうつつを抜かしたアメリカは、ぼろぼろの工業製品しか生産できなくなっている。アメリカは人類に崩壊必須の悪しき文明モデルを提示した。
カナダでは、日本車が重宝されていて、10年落ちの中古車でもかなりの人気があるそうである。一方、米国車は3年で廃車同様に扱われ、新車納入の段階で故障を内包していると見られている。かつての自動車王国、家電王国は半世紀で見る影もなく凋落した。アップルのような企業は例外である。世界中にインチキ金融商品を売りさばき、ウォール街に来る一部の資本家に富が集中した。リーマンショック以降もアメリカは、この強欲資本主義を押し通すしか選択肢がなくなっている。
自由貿易とか、開放経済とかいう言葉は、小泉元首相が連呼した「聖域なき構造改革」の「構造改革」という言葉と同様に、言葉自体には何の実体も存在しない。まず改革と言えば、それ自体が肯定的な響きがあるから、にわかには反対しにくいが、誰かが改革するぞと言うとき、「何が悪くて、それをどのように改めるのか、そしてそれは誰のための改革か」を明確に言わないと、構造改革という用語自体が巨大な政治的詐欺用語になる。エコノミストの植草一秀氏が、政権初期から果敢に糾弾していた「小泉・竹中構造改革路線」を思い出してほしい。
彼らは、「聖域なき構造改革」と連呼して、「聖域」を天下り法人とか、特殊法人とか、後付で言ったが、聖域も、構造改革も、その響きを聞いただけでは人々が、「ああ、あれのことだな」と勝手に都合よく解釈してしまうのである。ところが、小泉改革のやったことは、大ざっぱに言えば、利権の授受構造を旧田中派型政治から、市場原理構造に作り替えようとする輩たちに挿げ替えただけだった。その結果は惨憺たるものであり、日本は悲嘆と怒号が飛び交う荒廃の格差社会となった。植草氏や数少ない有識者を除き、国民は構造改革という心地よい言葉に騙されたのである。
ここまで言うと、純然たる国内問題に見えるが、問題はかなり深刻であり、騙し改革を入れ知恵したものが米国政府とその上位にある国際金融資本であった。つまり、騙し構造改革の底では、金融乗っ取りと、国富収奪が行われていたのである。郵政民営化は郵政資金を米国に献上するために竹中元郵政民営化担当大臣らが仕組んだものであり、寸前でペンディングになり現在に至っている。
さて前振りが長くなったが、構造改革という言葉と同様に、自由貿易や開放経済という言葉にも大きな罠がある。自由や開放という言葉自体には晴朗とした響きがあるが、責任やルールのない自由や野放しは、暴れ者が文字通り暴れまわるフィールドを出現させるだけである。「北斗の拳」の世界イメージである。「年次改革要望書」、「日米投資イニシャティブ報告書」、今年2月の「日米経済調和対話」も、すべては米国の思い通りに日本の市場構造を改変する目的に収斂している。そして今度のTPPである。麻生政権でひっそりと消えたはずの「年次改革要望書」は換骨奪胎を繰り返してTPPという地獄の仇花に開花しようとしている。
自由貿易という言葉に反感を示す人はいないだろう。しかし、ゴジラのような国際金融資本が、自由に各国の市場をこじ開けて、金に換算できるあらゆるものを奪っていくという含意が、この自由貿易に付与されていた場合は、この言葉は小泉政権が唱えた「聖域なき構造改革」と同様に、決定的な国際詐欺用語となる。従って、環太平洋戦略的連携協定(Trans-Pacific Partnership=TPP)などというのも、太平洋経済協力会議(APEC)に参加する小さな四か国間で発効したごくローカルなものだったが、発展するアジアの収奪にシフトしていた米国はこれに目を付けた。その瞬間からTPPは巨大な詐欺用語となった。理由は明白で国際金融資本がアジア、特に日本から泥棒するための「ひっかけ詐欺協定」と化したのである。
そこで、「非関税障壁」に焦点を当ててみる。
○非関税障壁:関税以外の手段による輸入制限。
具体的には輸入数量制限、輸入課徴金制度など。純粋に輸出国から眺めれば、輸出に障害の発生するすべての要素が非関税障壁である。物だけに限らず、金融、サービス、労働者、医療、保健、弁護士労働、財に還元できるあらゆるものの「自由な出入り」を阻む要素が対象となる。
ここで、私のように経済音痴でも、はたと首をひねる強いイメージが湧く。関税障壁をアメリカの勝手な都合だけで定義されたらたまったものではないが、それを桁違いに大きくする不安がよぎる。関税障壁なら、それがどういうことであるか、輸出国側を忖度すれば分かりやすい。障壁が貿易商品という物に向いているからだ。それよりも、私に熾烈な恐怖心を覚えさせるのは、アメリカ(あるいは強欲国際金融資本家たち)が想定する、日本における非関税障壁の意味するものである。想像すると思わず戦慄を覚えてしまう。
長くなったので、そろそろ止めておくが、一つ言えば、米国は郵政資金を略奪するために、竹中平蔵氏に何をやらせたのか。それは国営で三事業一体化だった郵政事業を四分社化したことである。今回のTPPで米国はあらゆる非関税障壁の撤廃を狙っているが、彼らが以前から疎ましく思っていたのは、日本社会に固有に発生していた相互互助システムなのである。共済制度もそれである。これは保険とは違って、営利目的ではなく相互扶助精神で積み立てておいたお金を、積み立てていた人々が、災害、病気入院、不幸などに見舞われた時、用立てする制度(しきたり?)であり、相互扶助が営利性に優先するものだ。社会の安定性に非常に重要である。
この源流はおそらく、日本各地の僻村などに根付いていた「~講(こう)」だと思う。部落共同体による助け合いである。日本人が大災害に見舞われた時、粛々と整然と秩序正しく行動するのは、こういう伝統精神が賦活するからである。共済とは形態が違うが、従来の郵政三事業も相互扶助構造だった。これは外から来る山賊に対して強力な防護壁となっていた。談合も系列も、防御面から見ればそれなりの合理性があった。アメリカはこれらを解体させて、盗人(ぬすっと)する露払いをしたのである。竹中氏が郵政を四分社化する理由には説得力がまるでなかった。あるはずがない。M&Aへの門戸明け以外の意味がないからだ。
談合や系列が悪いと言い始めたのは、アメリカである。日本式しきたりには、良い面と悪い面があり、それをどうしていくかは純然たる国内問題である。外様は放っておけというのが普通だろう。それを無理やり善悪で押し付け、日本市場の改変に走ったわけであるが、アメリカは日本社会の持続性とか、文化の多様性とか、歴史などはどうでもいいのである。もう言いたいことが分かったと思うが、TPPに付随する恐ろしいISDS(Investor State Dispute Settlement=国対投資家の紛争解決)条項(ISD条項)は、アメリカ企業だけが一人勝ちするような第三者機関の存在がある。紛争処理はアメリカの代理機関が行う。これが公明正大な独立組織だったら、それなりに各国へ公平性が担保されると思うが、ジャッジの経過も前例も秘密主義だという。そんな第三者機関があるかという話である。ISDSの最後のSはSettlementであるが、これは定住とか、植民地、新開地、居留地、開拓地などの意味があり、ピルグリムファーザーズの植民などという場合にthe settlement of the Pilgrim Fathersと表記されるようだ。セトルメントは定着とか、開拓とか、そこに居座って動かないイメージがある。私はネイティブ・インディアンの虐殺を連想する。中野剛志氏らが米韓FTAに出てくる「ラチェット規定=元に戻せない規定」を引き合いに出して警告しているが、ISDSの終いのSも逆回転しない歯車、つまりラチェット規定を連想させる。
何も悪いことをしていない日本が、まさに日本という固有の国柄(国体)を理由として、得体の知れない者たちが作った第三者機関に裁かれることは確実である。伝統、文化、民族性が非関税障壁として破壊されるのである。小泉政権が米国の意向でなぜ司法改革に着手したか。簡単である。日本を訴訟社会に変えるためである。青い目の弁護士が訴訟利権の獲得のため大挙して押し寄せ、間もなく日本語が非関税障壁として訴えられるだろう。商取引や弁護活動の阻害要因になるからだ。外資や外弁を優先させるために英語が強制される。小泉政権が司法制度改革を断行したのは、米国が後のTPPに照準を合わせていたからだと思う。その意味で、米国の陰険な作戦は一貫性がある。
長くなった。TPPとは通商協議ではない。日本破壊である。日本人が築き上げた社会慣習や風習、伝統文化など、すべては非関税障壁として否定されることになる。我々は事実上、国家も人種としてのアイデンティティも失うのである。震災で落ち込んでいる国民をだまし、こんなものを国民の頭ごなしに決めた菅、野田政権は許し難い。パートナーシップならば、協定なのだから先に中身を公開するべきである。中身を秘匿して急がせる構造は、巨大なオレオレ詐欺である。開かれた貿易、公平性、透明性、これらの明るい言葉は、だれがルールを決めるかによって全く違った悪魔の用語になる。TPPは自由貿易を標榜する侵略行為である。
追記
第三者:TPPで最も危険な核地雷となる紛争調停・仲裁機関ICSIDについて。
「世界銀行傘下のICSID ( International Centre for Settlement of Investment Disputes ) は、「国家と他の国家の国民との間の投資紛争の解決に関する条約」のもとに設立、1967年に署名が開始され、翌1968年に発効。ICSIDは国際投資紛争の調停と仲裁を行う場を提供する。」とあるが、関岡氏によると、そこには数名の仲裁人がいて、審理は一切非公開、判定は強制力を持つが、不服の場合でも上訴することはできないという。判定の基準は国家の必然性や妥当性ではなく、「外資が損害を被ったか否か」という一点に尽きるそうである。滅茶苦茶である。他国人をゴイム扱いしている。外資のあらゆる暴虐を許可するという基本だ。
ISD条項の恐ろしさは、国家(国内法)の上位に外資の経済活動を優先させていることにある。これが自由貿易、オープンエコノミー、いわゆるグローバル・スタンダードの衣を脱ぎ捨てた真の姿であるとすれば、そんなものは地球人類を奴隷化するだけである。ここで日本人が覚醒しなければ日本は消滅する。その前に怒らないといけない。
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コメント
JAXVN様
新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
おっしゃるようにTPPが経済的な国家主権を完全に崩壊させることは、火を見るように明らかですから、これを推進する如何なる理由も成立しないはずです。内需拡大策が積極財政とセットにならなければデフレを脱却して経済賦活する道はないと思います。橋下徹氏ですが、私は人間的に全く信用しておりません。何故なら、植草一秀氏のブラックキャンペーン(人物破壊)に加担していたからです。これによって彼は、その功績によって当時の自公政権の応援を得ていたからです。同様に宮崎哲弥氏も植草氏を誹謗中傷したことによって、テレビ出演度合いが格段に増えています。やはり、日本の良心ともいえる学者を踏み潰して這い上がる道程を持つ者は、その中心的な政治思想そのものも信用できないと考えております。
投稿: | 2012年1月 1日 (日) 13時59分
高橋様、新年明けましておめでとうございます。
早速ですが、渡辺喜美代表率いる「みんなの党」が「TPP反対論への反論」をHPでに掲載していました。ご紹介します。
「TPP反対論」vs「TPP反対論」への反論
http://www.your-party.jp/policy/tpp/
一応見てみたのですが、残念ながら既存の「「TPP反対論」への反論」の域を一歩も出てはいません。また、「これまで協議の対象になっていない。」という表現が多すぎる様に思います。先の戦争でも、「根拠なき楽観論」が国の方向を誤らせた面が多分にあるはずなのですが。さらにせっかく「デフレの要因は金融政策の失敗」と言いながら、デフレ脱却の方法である「積極財政への転換」には全く言及がありません。渡辺喜美氏が「日本経済復活の会」で講演した際は言及していたはずなのですが、なぜ「みんなの党」結成後は言わないのでしょうか?そもそも、内需拡大で日本経済が回復させるのが先決であり、それができればTPPに固執する必要など無いはずです。
やはり「みんなの党」は期待外れと言わざるをえません。そして今脚光を浴びている橋下大阪市長と「大阪維新の会」も、このまま「みんなの党」と組むのならやはり期待外れに終わるに違いないと思います。
投稿: JAXVN | 2012年1月 1日 (日) 09時38分
オバマ政権はハッキリと明言してます。
再三米国産品の輸出倍増と米国の過剰消費に頼るなと言っております。
当然ターゲットは日本市場です。
参加国のGDP比を見ても明らかですね。
したがって日本がTPPに参加したら更なる円高になるのは明白です。
僅かな関税が撤廃されても円高で相殺されます。
これは京大の中野さんもおっしゃってますが、同感です。
結果的に製造業の空洞化は加速し、農業も壊滅するでしょうね。
ウィンウィンの関係なんかあり得ません。
プラザ合意以降続くアメリカの為の数々の改革と同じです。
日本にとっては百害あって一利無しでしょう。
投稿: ななし | 2011年12月 6日 (火) 13時03分
JAXVN 様
こんにちは、JAXVNさん。お久しぶりです。お気遣いありがとうございます。
国民生活第一と言いながら、菅直人氏も野田佳彦氏も財務省の言いなりで増税まっしぐらです。
おっしゃるように、日本を牛耳る連中は日本の弱体化を進めているとしか思えません。
確か植草氏が1999年に出した『日本の総決算』にはTPR(TAXのPR作戦)と言って、財務省に
よる増税のための洗脳作戦が行われていることを暴露した部分があったように思います。
メディアも巻き込んだこのTPR作戦は、今も継続中であり、菅、野田両氏がすっかり頭を
やられてしまいました。日本の予算を一手に牛耳る省庁には権力が集中します。財政出動も
効果的にしないし、米国債には膨大な予算をつぎ込んで国内には金を回さない。たしかに
この国を弱体化しているとしか思えません。
投稿: | 2011年11月20日 (日) 14時05分
こんにちは。高橋様、お久しぶりです。更新が復活して喜んでいます。ただ、お体の事もあるようですので、「とても黙ってはおれなかった」という事もあるのだとは思いますが、ご無理なさらない範囲、という事でお願いします。
そもそも、日本経済の復活が「アジアの成長を取り込む」事でしか成しえないはずはありません。震災を置くとしても、国内でやる事はたくさんあります。必要なのは「他国との通商交渉」より国内のはずではないでしょうか?「金がないからできない。まず財源が必要だ」というのが現政府、いや財務省の主張ですが、では、これが「地震」で無く「某国からの攻撃」だったらどうでしょうか?それでも「金がないから反撃できません。まず戦費にみあう財源が必要です。」とでも言うつもりなのでしょうか(現在の政府なら本当に言い出しかねませんが)?それにすぐ「金がない」と言いますが、先日も5兆円もの為替介入をおこなったばかりです。なぜ、その分を国内に回さないのでしょうか?彼らは「何が何でも日本経済を復活させたくない」と思っているとしか考えられません。
TPPについては、ここまであからさまにやってくるのはもはや米国にも余裕がなくなっている、という事だと思います。「陰謀」という言い方をする方もおられますが、高橋様がこのエントリでもご紹介しておられるように、決して「陰謀」ではなくあからさまな「要求」です。「陰謀」を行っているのは、こんな「あからさまな要求」を見て無ぬふりをしている現政府とマスコミです。しかも、行っているのが「金融資本家たち」である事も、もはや隠されてはいません。だから米国内でも「TPP反対運動」が起こっているのです(廣宮孝信氏が、反対運動の模様を紹介しておられます)。
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/
> 伸之助様
> こんな状況でもアメリカに追従するしかないとおっしゃる方がいます。それは何故か。アメリカ軍に守って貰わないと、中国やロシアがいつせめてくるか分からないと言う恐怖感だと思います。
このような主張は自称「保守派」の方に多いようです。しかしながら、本当に「中国やロシアが攻めてくる」事がありえるのでしょうか?「中国の露骨な中華侵略主義に対抗しなければ」と言う方もおられるのですが、実際に軍事攻撃を行うにはいくつもの高いハードルがあります。少なくとも、「二、三年以内に中国が日本に対する軍事行動を行う」とはとても考えられません。やはり、「在日米軍の一番の仮想敵国は日本」なのではないでしょうか。まあその場合でも、米国との関係は最大限注意しなけらばならない事は変わりないのですが。
投稿: JAXVN | 2011年11月20日 (日) 08時42分
アメリカは相手が敵わないとなると、謙虚に相手から学ぼうとするのではなく
相手を叩き潰す事で自らの優位性を保とうとしてきました。ところがそのやり方
が行き詰まりにっちもさっちも行かなくなっているにもかかわらず、まだ日本から
資産を強奪しようとしています。そんな事をしてもアメリカの没落をほんの少し
伸ばすだけにしかならないでしょう。その為に日本が犠牲になるのはたまった物では
ありません。
こんな状況でもアメリカに追従するしかないとおっしゃる方がいます。それは何故か。
アメリカ軍に守って貰わないと、中国やロシアがいつせめてくるか分からないと言う
恐怖感だと思います。日米安保ではアメリカは日本を守るとは一言も書いてません。
植草先生もおっしゃるようにあくまでアメリカの都合で日本を占領しているに過ぎません。
Caccyoさんのご意見、私も大賛成です。それに加えて核兵器を自前で持たない日本がどうやって
自国を守っていくのかも考えないといけない時期にきているような気がします。
中国に対しては日本の環境技術で環境問題を一緒に取り組む。沙漠の緑化、公害問題で
苦しんでいる状況を改善するようにしていく。ロシアに対しては北方領土問題がありますが
どうすれば関係改善に繋がるのか難しいですが取り組んでいかなくてはいけないでしょう。
今の状況は、国防を他国に任せてきたツケという部分も大きいと思います。
投稿: 伸之助 | 2011年11月20日 (日) 07時06分
caccyo 様
大変分かり易い説明ありがとうございます。
>その下地として、最初に挙げたような日本人的な共助の精神があったことが、
>分厚い中間層を生み出し、内需主導の自律的な高成長を可能にしたのです
全くおっしゃる通りです。分厚い中間層が日本人の原動力として重要な構造となっていました。
これが実現したのは、国際状況や需要の条件が良かったこともありますが、中間層が生活に
希望を持てていたことが重要だったと考えます。中間層を消滅させて、一握りの勝者と圧倒的
多数の貧窮者に分かれる社会は、社会全体のダイナミズムが低下し、優勝劣敗の無慈悲が社会を
荒廃させてしまいます。司法ひとつとってみても、アメリカが日本の司法制度をいじったのは、
新自由主義を強化して社会を荒廃させ、日本人の和を切り崩して争いが絶え間ない社会を作る
ためでもあると考えます。訴訟利権を稼ぐには訴訟大国アメリカのわだちを踏ませればいいわ
けです。本来なら争いを嫌い、話し合いで解決できていたような些細なトラブルが、訴訟費用を
稼ごうとする外資系の弁護士が介入し、当事者の意に反して莫大な費用と賠償金(報償金)など
が出てくるでしょう。庶民はうっかり口喧嘩もできなくなります。
植草氏が動画で重要なことを言っていました。2007年から現在までの四年間、政府は百十数兆円
のドルを買い、この四年間で為替損失が50兆円も出たと。120円/1ドルの時に買ったドルが、今は70円
くらいに下がっています。アメリカの国債やドルを買っても日本には何の恩恵もなく、目減りす
るだけであり、50兆円を4年間でどぶに捨てたことになります。メディアはこのことを沈黙している
し、財務省も知らんぷりです。植草氏は外貨準備資金をドルじゃなくて、純金に変えていたら、今頃150兆円
の利益が出たと言います。そうすれば、毎年2千億円の福祉予算の切り捨てはせずに、潤沢なお金を
福祉や医療に回すことが出来ました。一方で博打で50兆円もすって置きながら、国民には増税を歌
い上げています。博打で50兆円も無駄にして、町中の電気は暗くなっているわけです。
投稿: 神州(高橋) | 2011年11月20日 (日) 02時11分
《非関税障壁》~よくよく考えてみると、まったく恐ろしい言葉ですね!!?
《関税》は数字として確かに目に見えて客観的でわかり易い。
一方で《非関税障壁》は、とても主観的なものですね!?
つまり相手国が『邪魔だ!!』と思えば、どんなものでも《障壁》になってしまう。
・その国の伝統的な文化や慣習、言語でさえ《障壁》にされてしまう。
・助け合いから始まった共済や、
・相互扶助の精神が根底に流れる国民皆保険も、
・横並びで護送船団といわれた金融行政も、
・従業員全員に目配りできた日本的会社経営も、
・グループ企業を大切にしてきた系列経営も、
・大小さまざまな会社が共存共栄するための事前調整(談合)も、
…そんな経済システムこそが【日本経済の強さ】だったと思うのです。
外資から見れば「閉鎖的で」「排他的な」参入障壁と映ったことでしょう!!
しかし、彼らが叫ぶ「自由競争」や「グローバリズム」がどれだけ優れたやり方
だというのでしょうか?
【強欲資本家たちが世界中のどこでも同じように金儲けができること!】
彼らが求めるのは、その1点だけなのではないでしょうか!!?
彼らの言う《市場》なるものがどれだけ公正なのでしょう!??
「市場に任せる」≒「金融資本家の望むままに」ではないのか?
1945年の敗戦の廃墟から、日本は半世紀足らずで経済復興を果たしました。
その原動力は勤勉な国民性であり、米国の傘下で経済に特化できたことや、
大戦後の世界的に旺盛な需要に恵まれたことなど、様々な好条件が重なって
驚異的な経済成長を遂げることができました。
その下地として、最初に挙げたような日本人的な共助の精神があったことが、
分厚い中間層を生み出し、内需主導の自律的な高成長を可能にしたのです。
一方その過程で、様々な歪みや馴れ合いや既得権益などの澱みが生まれ、
やがて日本が世界第2位の経済大国に上り詰めると、その日本的な特性を
《非関税障壁》として日米経済摩擦の中で目の仇にされるようになり、
日米構造協議や年次改革要望書を通じて、徹底して攻撃されたのです。
そして隷米コイズミ内閣は、米国の望むままに日本的経済システムを破壊し、
「グローバルスタンダード」なる米国の基準を全面的に取り入れた結果、
対外純資産世界一の日本の富を、対外純債務世界一の米国に差し出したのです。
その結果、デフレは放置されたままで格差社会が進行し、豊かな経済大国に
なったはずの日本に新たな「貧困問題」が社会問題化することになりました。
政治家の利権漁りや高級官僚らの天下り天国など、地位にある者が手に入れる
既得権益という甘い汁は、我々下々の者には嫉ましいことではあるけれども、
それは日本国内での《富の分配》の範疇に属する事象です。
ところが米国による日本の国富簒奪は、まさに宗主国に富を吸い上げられる
【属国】もしくは【植民地】の仕打ちに等しいのではないか!!?
これを見過ごす現在の日本政府の対米姿勢には、独立国の尊厳や誇りを
見いだすことはできません。
日本の富を易々と米国に差しだす一方で国内に貧困を作りだすコイズミ以降の
自公政治とカンノダ両内閣の《売国政治》の酷さは、
昭和の自社体制時代の馴れ合い政治・利益誘導政治・官僚主導政治による
国内的な富の分配の歪みとは、まったく比べものにならない酷さです。
彼らを日本の政治の代表者に据えておくことは国民を不幸に導くだけです。
そんな《売国政治家》達による《売国TPP》を、「アジアの成長を取り込む」だとか
「平成の開国」などと言って、あたかも日本国民の利益となるかのごときイメージ
を振りまき国民をミスリードする売国メディアを許すことはできません。
長文コメント失礼しましたm(__)m
投稿: Caccyo | 2011年11月19日 (土) 23時36分
政治家とは人びとが日々の生活を改善していくうえで発生する諸問題を調整する人間のことである。政治家に社会全体の先導(イニシアティブ)を求めることは、犬のしっぽに犬の散歩を頼むようなものだ。
バックミンスター・フラー 1962
投稿: 犬のしっぽ | 2011年11月19日 (土) 13時52分