« 放射性物質拡散予測SPEEDIデータは米軍に提供されていた!! | トップページ | 法務省カルトと財務省カルト考 »

2012年1月22日 (日)

国策捜査、国策裁判が頻発する背景について

  ネットに散見されるブログで、自分が知らない範囲で優れた知見や表現を持つ文章は多々あると思われる。私が感じる優れた政治・社会ブログとは、現今日本に生じた、あるいは現在進行形で生じつつある深刻な社会問題や病理を的確に捕捉し、その淵源や背景を鋭くえぐり出してくれるものである。その中でも筆頭にあげられるものが、経済学者である植草一秀氏の「植草一秀の『知られざる真実』」であろう。ネット言論の進化史の中でも、このような高度な質的内容を伴う言論空間は稀有である。多くの読者層を確保するこのブログには、不正を糺(ただ)そうとする植草氏の不退転の姿勢が余すところなく表れている。

 植草氏は小泉政権時代に、政権与党や米国に都合の悪い言説を発信し始めたために、2004年の品川手鏡事件と2006年の京急事件に遭遇して、理不尽な辛酸を味わっている。いずれも東京都迷惑防止条例違反という濡れ衣事件、すなわち国策捜査という、官憲が実行した政治謀略事件に巻き込まれた。2006年の京急事件当時、評論家の宮崎哲弥氏は大阪朝日放送の「ムーブ」で、口角泡を飛ばしながら次のように吐いていた。

「だからね はっきり申し上げるけれども、彼の経済的な知識や彼の経済理論と、彼の下半身がどういう方向性を持っているかということは、まったく別なんですよ。ですから、彼は、私は更生して欲しいと思う。更生されるためには、冤罪とかね、陰謀とかね、そういうことを言っちゃいけないんだよ、治療させるべきなんだよ」

 今ではこの動画は削除されているが、当時のスポーツ新聞やメディアは、官憲に拘束されていて抗弁できない植草氏を尻目に、まったく根拠のない彼の病的性癖説を強弁する印象報道を流布した。宮崎氏のこの発言も、テレビジョンという公共的視覚メディアを通じて行っただけに、視聴者に与える影響は甚大であった。この時、同時出演していた橋下徹氏も歩調を合わせて植草氏の薬物治療の必要性を訴えていた。非常に悪質な人格棄損(人物破壊)が行われたが、この二名は植草氏に対して公共の場で、はっきりと謝罪をする必要がある。宮崎氏や橋下氏は植草氏を貶めるこの放送で、既得権益勢力からいったい何を得たのだろうか。

 彼らの中傷言説の根拠が、2006年当時に出た、女性セブン誌の「逮捕3度目!植草一秀容疑者(45)『痴漢で示談7回』の過去」(10月5日)の記事ならば、これは2004年の品川事件を書いたフライデー誌の記事が発火点になっているが、名誉棄損裁判(民事)で植草氏側と小学館で和解が決着し、小学館は慰謝料100万円の支払いと、同誌2008年6月12日号(5月29日発売)で謝罪文を掲載した。つまり、全く事実無根の中傷記事だったのである。このとき、植草氏が受けた不名誉報道の巨大さを考えると、この小さな謝罪文はあまりにも小さすぎて不均衡どころか、まったく吊り合わないものだ。特にテレビはその影響が多大に出たために、彼を中傷した当事者たちは、自身の犯した罪を猛省し、公的に彼に謝罪する必要がある。それを無視してどのように社会で名をあげても、それは汚れた名誉でしかない。人としての道義を踏みにじっておいて、何の政治、何の評論なのか。

 植草事件の場合、両件とも国策捜査と国策裁判がセットになっていた。宮崎哲弥氏が語ったように、経済の知識と下半身は別物だという、無根拠話をまことしやかに信じた人でも、植草氏の一連のブログや諸著作が主張する悪政糾弾の一貫性を冷静に眺めてみれば、彼の言説を煙たがる権力存在が言論弾圧を考えることは、ごく自然の流れであることが分かるだろう。国民を無視し、米国と既得権益集団に奉仕する、非道な菅政権と野田政権に対する彼の糾弾姿勢は身じろぎもせずに見事な一貫性を通している。両政権に対するこの不変の姿勢を見て、これが小泉政権時にも行われたであろうことを信じる人は多くなっている。まさにその通りである。

 彼は、年次改革要望書の具現化に邁進した小泉純一郎氏、竹中平蔵氏率いる対米隷属の国策を苛烈に糾弾した結果、2004年と2006年の国策捜査に嵌められたのである。なぜ、今の日本で国策捜査、国策裁判が頻発するのか。そして、その犠牲になる有識者が次々と不名誉な咎(とが)を背負ってしまうのか。それはアメリカ(=CIA、横田幕府、アメリカ大使館、在日米国通商会議などの占領的出先機関)と、それに盲従する既得権益複合体が政権与党の首に縄をかけて、自分たちに都合の良い国策を策定し、それを固守するからである。それに気づいて、それを修正しようと試みる有識者が毒牙に掛かるのである。検察とつるんでいるマスメディアは国策捜査の一翼を担い、狙った人物のスキャンダルを針小棒大に報道し、これでもかと繰り返す。

 今、小沢一郎氏の裁判の行方が注目されているが、近年、検察や検察特捜部、あるいは裁判判定について、その公正性を疑うような案件が続出している。裁判所、検察、警察など、権力官僚が劣化してきたという見方もあるが、これは時代の経年劣化という表層的な劣化よりも、深部における桁違いの変質が問われ始めている。日本の統治体制、国家体制そのものの正当性が問われる社会事象が目立つようになった。東日本大震災への政府対応然り、福島第一原発事故への対応然りである。政府と官僚の対応に何が見えたのだろうか。それは彼らが国民の生命・財産を守ろうとせずに、既得権益体制の強化に奔走するという信じられないアコギな行動をしているという事実である。

 なぜ、植草一秀氏、小沢一郎氏、鈴木宗男氏ら、国益や国民益を第一に考える有識者が司法や捜査機関に狙われ、マスコミによって不名誉な汚名を浴びせられるのだろうか。それは「世直し」というキーワードで説明可能である。国策捜査が生じる背景を深く調べた人間でなくとも、世直しを志向する有識者たちが、世直しをやりたくない既得権益勢力から狙われてしまうという図式は分かりやすいと思う。政治家に限らず、今までにスキャンダルで第一線の舞台から葬り去られた有識者たちが、それまでに何をやってきたのか、何を発言していたのかを良く調べてみる必要がある。それは彼らの言動を放置しておくと、国民が覚醒して、統治構造の真のからくりを見抜き、米国盲従の既得権益勢力が今までに敷いてきた、既得権益授受構造体が瓦解するからである。日本人には血なまぐさい革命は向かないが、この状況はもはや無血革命的な大きな力が生まれないと変えようがないと思う。

  Photo_9大多数の日本人が決して幸福になれないのはなぜか。それは米国と、それに阿諛追従する既得権益グルーブ(買弁勢力)が、国民の労働成果を永久的に搾取するシステムを構築しているからである。小泉政権以降は、株主の外資比率が格段に上がり、国民所得に還元されるべき富が外へ流れ出ている。この傾向が加速的に進展したために、国民生活はじり貧に向かっている。TPPはこのトレンドの中で、日本人のタンス預金まで搾り取ろうとする最終収奪作戦である。TPP賛成か否かは、政治家が奴隷スタンスか、独立スタンスかを見分ける試金石である。
 
 植草氏が何に怒り、何を糺(ただ)そうとしているかを、われわれ読者も深く自分の生活圏と照らし合わせて検討してみる必要がある。私は今、氏が著した「日本の再生」を熟読している最中だが、この書はあまりにも日本の実情を正確に表現していて、考えるべき点がたくさんある。マスメディアが皮相的な根拠で苛烈にバッシングする有識者を注意深く眺めることは大事である。その人たちは、マスメディアが喧伝する勧善懲悪の悪人イメージとは正反対の仕事をしてきた英雄である可能性がある。彼らの名誉回復は、そのまま日本回復に直結する。

人気ブログランキングへ ← クリックよろしくお願いします!!


|

« 放射性物質拡散予測SPEEDIデータは米軍に提供されていた!! | トップページ | 法務省カルトと財務省カルト考 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/141377/53791803

この記事へのトラックバック一覧です: 国策捜査、国策裁判が頻発する背景について:

« 放射性物質拡散予測SPEEDIデータは米軍に提供されていた!! | トップページ | 法務省カルトと財務省カルト考 »